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英雄亡き世界  作者: 飯塚ヒロアキ
第三章 魔王の手下
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団長の強さ その2

ライヤはフェレン聖騎士団と共に剣術を訓練していた。

選りすぐりの猛者とも言える聖騎士らがライヤを取り囲んだ。

それに比べて、華奢な体格で、どう見ても街娘と見間違えるほど差が大きかった。

しかも、フェレン聖騎士団は女性がいる事は稀で、ましてや聖騎士のトップになるなど、異例である。

「さぁどこからでもかかって来い」と剣を鞘から抜き構え、余裕の表情をみせる。

聖騎士達は息を飲み剣を鞘から抜き同じく構えた。

静寂に包まれ、風を切る音しか聞こえない。

「うぉぉぉ!」とライヤの目の前から聖騎士が剣を上に構え走って来た。

しかしライヤは動かず剣を構えるのを止めた。

聖騎士が上から思いっきり下へ振り下ろすが……。

ライヤはギリギリの所で右側に避ける。

「何と!?」

その聖騎士は振り下ろした勢いでライヤの横を通り過ぎた。

「ふっ。それでは甘いな」と言い聖騎士の背中を後ろ蹴りした。

その聖騎士は顔面から転倒。

「ふぎゃあ。」とそのまま立ち上がらない。

「はい。次」

ライヤは余裕の表情だ。

「団長!今日こそ打ち負かします」

3人が同時にライヤ向かう。

1人目が右側から切り払いをするがライヤは後ろに飛んで避ける。

「剣で防がない!?」

後ろに飛んだ勢いを利用し上に飛び上がる。

「だ、団長それは、ぐは」

ライヤを見上げた聖騎士の顔面に私の右脚が落ちる。

「卑怯もクソもあるか!」

しかし、残り2人が着地の瞬間に狙いを定めた。

「もらった!」とライヤの左右から斬りかかる。

しかし、ライヤは地面に手をつき、バク転し起き上がる。

そして身を低くし、2人の聖騎士に足払いをする。

「何!」

「しまった」

2人の聖騎士がまるで人形のように倒れこむ。

ライヤがゆっくり立ち上がり、手に着いた土を払う。

「アハハハ。走り込んだ時、足元はバランスが悪くなる。それを利用すれば、相手は簡単に転がる。フフフ。何て無様な格好だ」

「くっ。屈辱……」

「今日も…剣で相手してくれなかった……」

倒れた聖騎士らは無残に回収中。

ライヤの姿を少し離れた場所から見ていた者がいた。

その者がライヤに話し掛ける。

「貴殿と手合わせ願う」

その場の全員がその声に振り向く。

「ん?エルフか……。いいよ。聖騎士には飽きてたんだ」

「では、参りますぞ」と剣を鞘から抜いた。

ライヤが剣に目を送る。

何か、変わった剣を持っているな。

西洋の物でも、エルフの物でもない…。

警戒すべきか…。

そんな時、いきなり走り込んだ。

ライヤは焦って剣を構える。

「早い」

いや。違う。剣が長いのか。

そのエルフが下から上へ切り上げした。

ライヤが後ろに下がると、そのエルフがさらに踏み込んで来る。

振り下ろしか!?

ライヤは急いで剣を横にしそれを防ぐと火花が散った。

あぶねぇ。今のはやばかった。

「ほぉ。二段構えを読んだか」

「勘ってやつだよ」

2人は一旦後ろに下がり間合いを開けた。

「ライヤ団長に剣を使わしただと!?」

「あのエルフ強いぞ」

「あれ?どこかで見た事があるような……」

聖騎士達がざわつく。

それほど、驚く事だった。

「ライヤ団長!負けないで下さいよ」

「うるさい!気が散るだろうが」

エルフがまた剣を構えた。

ちっ。あのエルフ、見た事ない剣術を使いやがって。

今度はどう来る?

右側か、左側か。それとも、振り下ろしか?

しかしそのエルフは突き刺す体勢になる。

突き刺し!?

待て、待て、待て。

あんな分厚い剣では私の剣がもたんぞ。

ライヤが自分の剣を見た。

さっきので亀裂が…。

エルフが踏み込んで来た。

突き出された剣をライヤは剣で左側に受け流す。

か「受け流すだと」

ライヤの剣はそのままエルフの首元で止めた。

「なかなか、強かったよ。久々に冷や汗かいた」と剣を鞘に納めた。

「貴殿には感服した」

そのエルフも剣を鞘に納め、強者と戦えた事に満足した顔をした。

「一つ聞いていいか?その剣はどこで手に入れたんだ」

ライヤがエルフの剣を指差す。

「これですか。これは東洋の島国から手に入れた代物です」

「東洋の島国……」

どっかで、聞いたような聞かなかったような……

「はい。東洋の島国ではこれを刀と呼称しております」

刀?我々の剣は刃が両方についている。

しかし、その刀とは刃な片方しかない。

それだけで剣術に大きく差ができるのか。

「欲しい……くれ」

「貴殿でもそれは無理です。そろそろ帰らねば、私の部下がうるさくて。では、また時間がありましたら手合わせ願いますぞ。これにて御免」

エルフは乱れた服装を整え礼儀正しく一礼して去って行った。

彼の名は、エズモンド。

エルフ軍の将軍だった。

ライヤはその後、亀裂の入った剣を聖騎士に渡してある場所に向かった。

ここで、ライヤが行った場所を考えよう。


1 剣を新しく買う為に武器屋に行く。

2 エルフの所に行き、刀を手に入れに行く。

3 酒場に行く。

正解は………。



酒場だーーー!

ラム酒にエール……飲みまくり。

金は聖騎士から….…。

ライヤは酒場で1人で飲んでいた。

そんな時、酒場の扉が開かれ、ライヤの背後から向かって来る2人の男……。

果たしてライヤの運命はいかに。





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