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自衛隊の戦闘団

作者: 曇空 鈍縒

 自衛隊の主力となる師団旅団は、主に数個の普通科連隊を基幹として編成されています。普通科連隊は隊員のほとんどが普通科の隊員により構成された部隊であり、諸外国の歩兵連隊(場合によっては歩兵大隊)に当たります。

 自衛隊においては、連隊より小さい規模の部隊は大半が単一兵科(職種)のみで構成されています。これは諸外国の軍隊でも同じです。しかし、単一兵科のみで構成されている部隊というのは、基本的に脆いです。

 普通科は汎用性が高いものの生身の人間であるため防御力や火力、機動力に限界があり、特科(砲兵)は火力こそ大きいものの近接戦闘能力が極めて小さく、機甲科は火力、防御力、機動力に優れているものの、視界が狭いために索敵能力が低く、さらにはサイズが大きいために狙いやすくもあります。

 兵科というのはそれぞれ長所と短所を抱えており、組み合わせなければ十分な力を発揮することができないのです。

 しかし、平時から小規模な単位で様々な兵科を組み合わせ続けることには大きな負担が伴います。小規模な単位で兵科が増えれば、それだけ小さな部隊が保有する装備の種類も増えるため、整備や調達などで不都合が生じ兵站におけるコストの増加を招いてしまうのです。

 そこで多くの軍隊においては、平時は管理のしやすさを重視して師団旅団以下では単一兵科で部隊を編成しておき、有事の際に各師団旅団が隷下部隊を組み合わせて(場合によってはさらなる上級部隊である方面隊からも部隊を割り当ててもらい)諸兵科連合部隊である『戦闘団』を編成します。

 これは自衛隊においても同じです。

 近年は、各国で平時から諸兵科の部隊を組み合わせた諸兵科連合部隊を編成する動きもあります。自衛隊で言えば即応機動連隊がこれに当たります。

 しかし、やはり管理コストが大きくなってしまうため、有事(あるいは演習)の際にのみ諸兵科を組み合わせて部隊を編成するという制度を有する軍隊は多いです。



 自衛隊における戦闘団は、基本的に普通科連隊を基幹として編成されます。(機甲師団である第七師団においては戦車連隊を基幹とする戦闘団も存在するが、今回は詳細な解説は行わない)

 多くの普通科連隊は本部管理中隊、3〜6個の普通科中隊、重迫撃砲中隊で構成されており、本部管理中隊の中には衛生小隊や偵察小隊、施設作業小隊、通信小隊、狙撃班などの支援部隊を保有しています(そういう意味では通常の普通科連隊も、戦闘部隊である普通科中隊といくつかの支援部隊を組み合わせた諸兵科連合部隊だと言える)。

 この普通科連隊を戦闘団に改編する場合、師団旅団隷下の施設隊や戦車隊、特科隊、後方支援隊などの部隊から一部を引き抜き、連隊の隷下に付けます。

 基本的にはそれだけです。

 特に複雑なことは行われません。基本的には連隊が所属する師団旅団の隷下部隊の中で部隊がやりくりされることになりますが、場合によっては方面隊などのさらなる上級部隊から部隊が割り当てられることもあるようです。

 具体的な編成としては、一個普通科連隊に師団旅団隷下の戦車隊から引き抜かれた一個戦車中隊、方面から割り当てられた特科中隊あるいは大隊、師団旅団の施設科部隊あるいは方面の施設団から引き抜かれた施設科部隊などを付けることになると思われます。

 ですが、自衛隊は特科と戦車が不足しているため、実際にここまで豪華な戦闘団を編成することは難しく、北海道や九州、沖縄など自衛隊が重視している地域の部隊でなければ、普通科連隊+施設中隊というような簡易的な戦闘団が編成されることになるでしょう。

 基本的には一個普通科連隊に幾つかの支援部隊が付くという形になります。

 そうして編成された戦闘団の指揮官は普通科連隊長(一等陸佐)が取ることが多く、名称は普通科連隊のナンバーを頭において◯◯戦闘団という形になります。(第九普通科連隊なら第九戦闘団という風になる)



 以上が、自衛隊の戦闘団についてです。楽しんでいただけたとしたら幸いです。





 ◇用語解説

 普通科……諸外国で言う歩兵。

 特科……砲兵のこと。自衛隊においては野戦特科と高射特科の二種類に分けられ、前者は大砲や対艦ミサイルを、後者は対空ミサイルや自走砲を運用する。

 支援部隊……ここでは普通科、即ち歩兵部隊を除くすべての部隊を指す。歩兵を支援する部隊という意味で使った。

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