表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【モブ武将】松下嘉兵衛は、木下藤吉郎を手放さない!~おこぼれの小大名で終わりたくないので、三英傑を手玉に取ってビッグになろうと思います!  作者: 冬華
第4章 桶狭間・決戦編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

200/221

第185話 備中守は、藤吉郎の暴走に手を焼く

永禄3年(1560年)5月下旬 尾張国那古屋城 朝比奈泰朝


「ちょっと……このお猿さん、なに?普通に気持ち悪いんだけど……」


藤吉郎が色々と追い詰められている事は俺も知っていたが、初対面の……それに、まだ年端の行かない少女に求婚するなど、流石にどうかと思う。


「ちなみに確認だが、処女だよな?」


「そうよ……って、このスケベ!何を訊いてくるのよ!!」


しかも、今の質問は何だ?また暴走しているのか。それなら、頭が冷えるまで牢に入れておいた方がもしかしたらいいのかもしれない……そう思いつつ、大蔵殿に視線を送った。とにかく、藤吉郎を止めてくれと。しかし……


「そうか。藤吉郎が気に入ったのなら、早速祝言の準備をしなければな」


……前から思っていたけど、大蔵殿は藤吉郎が絡むといつもどこかおかしくなる。止め立てするどころか、このような事を言って……全くもって理解が追い付かない。大体、今は藤吉郎の嫁探しよりも清洲城をどうにかする方が先のはずだ。


それゆえに、俺は仕方なく間に入って、半ば強引に藤吉郎を寧々殿から引き離した。


「備中守様ぁ!ほんの1刻、いや……半刻だけでいいんです!どうか、お見逃しを!!」


「見逃してどうするつもりだ?言ってみろ」


「え……そりゃあ、子作りかな?」


だけど、そんな時だった。濡れた手拭いがぴしゃりと音を立てて、藤吉郎の顔を直撃したのは。


「黙って聞いていれば、さっきから何だ?この煩い猿は」


「煩い猿だと!?おのれ……そういう貴様は誰だ?」


「前田慶次郎だ。寧々は俺の女。手を出すつもりなら、相手をするが……どうする?」


え……二人って、そういう関係だったのか?それは知らなかったなと思っていると、慶次郎は俺に視線を送ってきた。この場は話を合わせてくれと言わんばかりに。


「朝比奈様、それは本当なのですか?」


「あ、ああ……だから、こうして二人でここまで逃げてきたのだろうし。まあ、そういう事だから藤吉郎……おまえも諦めてって、何をしている?」


「いや、手切れ金が必要な様ですので、その準備を。それで、慶次郎殿。いくらいる?50貫(600万円)か?それとも100貫(1200万円)か?」


ただ、そうやって得意気になっている藤吉郎の顔面に慶次郎の拳が入った。その衝撃はすさまじく……藤吉郎は部屋の隅まで飛ばされて、鼻や口から血を流しながらその場で動かなくなった。


「藤吉郎!?」


そして、続いて動いたのは大蔵殿だった。藤吉郎の元へ駆け寄り、その惨状に怒りが湧いたのか、それとも仇を討とうと思ったのか……立ち上がった慶次郎の前に出た。


「ほう……その猿の飼い主か。責任を取るということですかな?」


「如何にも。主として家臣の仇を取らせていただく」


いやいや、待て!藤吉郎もそうだったが、今はそれどころではないと思うのだが……何でそうなるのだ!


「大蔵殿、落ち着かれよ!今までの事はやはり藤吉郎に非があって……」


「では、松下大蔵少輔……参る!」


「よし、かかってこい!」


ダメだ。頭に血が上っていて、聞いてくれやしない。早速二人は刀を抜いて斬り合いを始めた。危ないからせめて木刀にするようにも言ったけど、これも聞いてくれない。


「たあああ!!!!」


「ふん!」


「ほう……なかなかやるな」


「そちらこそ……」


しかし、この前田慶次郎という男。大蔵殿と互角とはなかなかやるな。いや、体調が万全でないことを差し引けば、もしかしたらその上を行くのかもしれない。


それなら、これからの今川家のためにもここでどちらかを失うわけにはいかない。俺は急ぎ兵を呼んで、半ば強引にこの勝負を引き分けに終わらせる事にした。


「「何故止めた!?」」


「お二人とも、まずはそれぞれのお立場を自覚しなされ。大蔵殿は今川の軍師で、慶次郎殿は今川家の捕虜。違いますかな?」


軍師なのに何でこんなに血気盛んなのかな……と思わないでもないが、その上でどうしても決着をつけたいのであれば、この先は木刀で勝負するように命じた。但し、藤吉郎の事も含めて遺恨を残さぬようにと。


「如何なさるか?」


「「それで構わない。続けさせてくれ!!」」


「わかりました。それでは、木刀を用意しますからしばらくお待ちを」


そして、大蔵殿と慶次郎の再戦は、集まった兵たちに見守られながら始まったわけだが……


「さあ、どちらが勝つか!一口5文(600円)だよ!」


藤吉郎……そもそも、おまえが原因なのに、なぜ他人事のように賭けの胴元をやっているんだ?


「藤吉郎さん!わたしは、慶次郎に5口賭けるわ!あと、お酒。お代わり頂戴ね!」


しかも、原因の片割れである寧々殿がお酒を飲んでその賭けに興じて……一体どうなっているんだ?それに何杯目だ。まだ年端も行かないくせに!


はぁ……やはり、意味が分からん……。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ