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【モブ武将】松下嘉兵衛は、木下藤吉郎を手放さない!~おこぼれの小大名で終わりたくないので、三英傑を手玉に取ってビッグになろうと思います!  作者: 冬華
第2章 駿河・立身編

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第95話 嘉兵衛は、三河の仕置きに参加する

天文24年(1555年)9月中旬 三河国寺部城 松下嘉兵衛


三河の反乱は、最終的に吉良三郎の裏切りによって幕を閉じた。夏風邪と称してこの寺部城に留まって、そこで寝返ったのだ。当然、藤吉郎の手配によってだが。


「吉良様!これは一体どういうことですか!!」


そして、いくら200の兵しかないとはいえ、堅く門を閉ざされた城を奪い返すだけの余力は反乱軍には残っておらず、やがて我らの軍に捕捉されて……主だった将はその場で討ち死にするか、縄で縛られた。


「何か言って下され!!儂らを騙していたのですかぁ!!」


最期の悪あがきとばかりに、鈴木兵庫助は声を荒げて我らの側に座る吉良三郎を問い詰めるが、それもやがて聞こえなくなった。他の連中と共に首を落されたのだ……。


「さて……」


こうして、三河における反乱は終わり、続いて戦後処理に入る。


この場には我らの側で反乱軍の討伐に加わった諸将の他に、吉良三郎や酒井将監といった戦場で寝返った者、それに反乱の前に怖気づいて弁明をしてきた者たちの姿もあるが……総大将たる次郎三郎は手筈通りに、まず吉良三郎の処遇について言い渡した。


「吉良殿におかれましては、お約束通り此度の乱への関与はなかったものとして取り扱わせていただく。ただし、朝比奈様より『次はない』というお言葉を預かっておりますので、肝に命じられよ」


「承知いたしました」


まあ……この裁定は一見、吉良は何も損をしていないように思えるかもしれないが、自分を担いだ連中をあっさり切り捨てたのだ。三河における信用というものはこれで地に落ちるだろう。今回はそれで十分だと雪斎様からも言われている。


「続いて、酒井将監殿。前へ……」


但し、この男はそのままにしておくのは危険だ。弥八郎の言葉だが、人の意見によく耳を傾ける分、操られやすいのだ。それゆえに、今までのように城を預けておくわけにはいかず、次郎三郎は「改易」を言い渡した。


「お、お待ちを!我らは寝返りを許されたからこそ、全力で戦ったのですぞ!」


「そなたの家臣である榊原何某という男が大蔵殿の首を狙ったのだ。それで寝返ったと……本当にいえるのか?」


弥八郎に聞いた話では、榊原孫十郎は将監が戦場で裏切る事に強く反対したらしい。それでは例え生き残ったところで、三河における信用を失うわけで、碌な事にならないからと。


「さ、榊原は、儂の命令に背いて勝手にやったのです!儂の指示ではありません、信じて下され!!」


そして、それでも裏切りを決めた将監の判断に納得がいかず、部下と共にあそこで機会を窺っていたようだ。


まあ、それゆえに将監の言っている事に間違いはないのだが、だからと言ってわざわざこの場でその主張を認めてやる義理はない。


「命は助けてやる。城にある財貨の持ち出しも認めよう。この岡崎に来れば、生活に困らない位の扶持は与える。だが、そなたを今の地位に留めるわけにはいかぬ」


「あの……家臣たちは?」


「そなたの財貨で養えぬ者については、我が松平本家で面倒を見る。そなたは何も心配しなくてもよいぞ」


「あ、はは……」


将監の口から乾いた笑いが零れるが、次郎三郎はあくまで決定を覆さず、「もし不服ならば、今すぐ城に戻って兵でも挙げれば良かろう」と言い切った。ただし、本当に挙兵しても、反乱軍を裏切った酒井に味方する者などはいないだろうが……。


「城の明け渡し期日は、今月末までとする。後は自分で考えて好きに致すが良い」


「はは……」


肩を落として力なく下がっていく将監は哀れに見えるが、それだけに見せしめとしては十分だった。ここには、始め反乱に加担、あるいは加担を臭わせて、我らが岡崎に入るや申し開きをしてきた国人たちの姿もあるが、ああなりたくなければ、今後は慎む筈だ。


ちなみに、そやつらの処遇については……次郎三郎が今回に限り、人質を差し出すことを条件にお咎めなしとしたいと言い出したので、俺はその意見を尊重する事にした。自分の口で雪斎様や備中守様を説得するというのなら、好きにすればよいと。

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