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第5話 グループ交際は始めたけど・・・

純華です。


私と文乃、山中君、佐藤君のグループ交際が始まりました。


年末、混んでたけど、〇〇ランドに4人で遊びに行きます。その翌週は映画も観に行きました。


すごい盛り上がりでした。男女4人で遊びに行くって最高!

何か小学校に戻った感じで、きゃあきゃあ言って楽しみました。


学校帰りに待ち合わせして、ケーキ屋さん行ったりもしたし、1月は4人で初もうでも行きました。


グループ交際順調です。完璧。


と言いたかったんだけど、実は私も、文乃もなんか物足りないものを感じてました。


というのは、どこに行くときも、私と文乃が並び、山中君と佐藤君が並ぶというパターンでの行動になっていたからです。つまり、男女が分かれてるってことです。男女二人で歩くっていうパターンに全然なりませんでした。カップルの成立の雰囲気が全然ないんです。

小学生じゃないんだから、男女二人づついたら、カップルにならないと意味ありません。


時々勇気をだして、私が山中君の隣に、文乃が佐藤君の隣に行ってでお話をしようとするんですが、

うまく行かないんです。

何となくカップルっぽい組み合わせは二人によって解体されてしまい、カップル的な感じになりません。


もうすぐ、バレンタインデーがやってくる。

うーん、今のままだと物足りない。

もしかしたら、男の子二人は私たちのことを恋愛対象として見てないのかな?

単に、4人で遊べればいいと思ってるのかな?とんでもない!

そんなの嫌だ。好きな相手と恋人になりたい。


「ねえ、文乃、私たち4人、このままだとダメだと思う。こんなグループ交際繰り返していても、進展ないよ。楽しい事は楽しいけど、目的に近づいてないよ。」

「やっぱり?そうだよね。私もそう思った。4人で仲良くしてるけど、全然恋人になれる雰囲気ないんだもん。いったいどういうこと?」

「もしかして、男の子たちに好きな女の子がいたりして。私たちと合っているときに他の女の子のこと考えているかもしれないよ。」

「やだ。そんなのあり?そりゃ私たちに対して失礼でしょ?」

「でも、私たちがモーションかけても、全然反応しないばかりか、逃げてるよ。」

「うーん、確かに。」


「そうだ、こういう時は、葵に相談しよう。」

「そうだね。頼れるのは葵かな?葵なら何とかしてくれそう。」


「よし、じゃ、早速、葵を待ち伏せしようよ。」

「前回と同じパターンだね。よし、行こう!」


私たちは部活終了後、葵の帰宅ルートに向かいます。

どうも、スマホで連絡を取るということより行動したい感じなんです。


さて、葵の自宅最寄りの駅のホームで電車を降りると、何と葵が別の車両から降りてきました。


「あ、いたいた。」

「よかったー、読みが当たって。」


私と文乃はホームを走って、葵の元に駆け寄ります。

この時間なら、同じ電車に乗ってるかもと思った文乃の予想が当たりました。

私と文乃は息を切らしながら、葵に懇願します。


「ねえ、相談に乗って。」

「頼りは葵だけなんだから。」


「ていうことは・・・私の同級生の件?」


「当たり!佐藤君と山中君の件!」


「わかった。聴きます。

じゃ、前みたいにドーナツ屋さんに行こ!」


「うん!」「よろしく!」

前回の相談を繰り返しているような錯覚に陥りますが、甘いものは元気を与えてくれます。

うん、ドーナツは必要だ。


ドーナツ屋さんに行くと、私たちはさっそくドーナツを注文。むしゃむしゃ食べ始めてしまいました。

うーん、色気ないぞ。


「で、どういうこと?私、クラスでは、佐藤君と山中君から報告受けてないんだ。」


「そうなの?

実はさ、グループ交際は無事に続いてるんだ。」


「そうそう、うまく行ってる。でもね・・・バレンタイン近いじゃない?」


「だから、私たち、それぞれ好きな相手とカップルになりたいんだけど、

男子の方が、何となく、それを嫌がってる感じがするの。」


「私、佐藤君に声をかけてるんだけど、何かあまり乗り気じゃなさそうなんだ。」


「私も、山中君にちょっといろいろアピールしてるんだけど・・・何か進展ない。

結局、どっか遊びに行っても、男女のペアにならないんだよね。

嫌われている感じはしないんだけど・・・」


「カップルになるのを嫌がられてる感じ?

もしかして、好きな女子がほかにいるのかな?なんて疑い始めちゃった。」


「うん、私も。」


葵は私たちの不安な訴えをじーっと黙って聴いて、考え始めます。

そして、考えがまとまると口を開きました。


「わかった。男の子たちに話を聴いて対策考えてみる。

もちろん、純華と文乃に相談されてるなんて言わないから安心して。

あれからどうなの?って感じで聴くから。」


「ほんと?」

「助かる!」


「その代わり、他の女の子が好きになったっていう話がでてくるかもよ!」


「きゃー、それはやめて!」

「そんなこと言ってたら、私たちの方が絶対おすすめって言ってよ!」


私たちにプライドなんてありません。他の女の子が好きになったなんて絶対認められません。

それだけは嫌だ!


葵はそんな私たちを勇気づけるように、言ってくれました。

「約束はできないけど、うまく行くように頑張ってみるから。

とりあえず、任せて。」


「やったー。」「ありがとう。」


「現金だなー。」


「うまく行ったら、今度、ここのドーナツおごるから。」

「うん、私からも!何か悩みを聴いてもらってたら、もう一個ドーナツ食べたくなっちゃった。」

「私も!ドーナツもう一個食べよ!」


もう、葵にすべてをお願いするしかない。

だって、私たちはカップルになりたいんだもの。

葵、何でもするから、私たちの恋をかなえてー!



翌日、葵から私と文乃のスマホに連絡がありました。


「男子に魔法の言葉を振りかけたから、今度の4人でのデートを楽しんでね!」


「何?魔法の言葉って?」「それって、効くの?」

私たちは不審に思って返信します。

魔法の言葉って全然わかりません。


「当日のお楽しみ!」と再度メッセージが着て、終わりです。


いったい、葵は何を男の子たちに言ったんだろう?


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