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第3話 葵に相談

純華です。


私は学校の教室で休み時間に文乃と相談をはじめました。


「ふみのー。山中君と佐藤君の件だけどさ・・・」


「はっきりさせる?やっぱり!」


「うん、そうなんだ。文乃もそうしたい?」


「実は、ずーっと考えてたんだ。結果がダメでも、もやもやしたままで時間が過ぎていくのが耐えられないって思うようになった。

幸いにして、葵っていう仲間がいるんだから、葵に頼もうよ。」


「そうだね。葵は友達なんだから協力してくれるよね。早速、今日部活が終わったら、葵に会いに行こ!」


「え、今日?

いきなりだね!

とりあえずスマホで連絡しないの?」


「もう、待ってられないよ。

葵の帰り道を待ち伏せして、直接私たちの気持ちを伝えようよ。」


「そっか。スマホで、文字だけだと迫力ないもんね。よし、賛成!

帰るのに遠回りになるけど、葵を待ち伏せするか。

そうだ、由奈が葵の帰る時間を把握してるはず。私、由奈に聴いてくる。」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


葵の帰宅ルートと帰宅時間について把握した私たちは、葵の自宅の最寄り駅まで行って待ち伏せすることにします。女子校の方が部活終了時間早いんだよね。

だから、急いでいけば待ち伏せできるんだ。


葵は、私たちより一本遅い電車で駅に到着しました。


「あ、いた!葵だ!」

「よかったー。待ったかいがあったよ。」


私たちの待っている場所から離れた車両で降りてくる葵を見つけ、私たちはホームを走りだします。


葵は走ってくる私たちを見つけて驚いています。

一体何があったの?あなたたち、この駅じゃないでしょ?というような顔です。


「ふうっ、ふうっ、捕まってよかった。」

「そうだよ。今日はどうしても捕まえたかった。」


「どうしたの?何か用事があれば、SNSで連絡すればいいんじゃない?」


「あのさ、何となく、直接相談したいことがあって・・・」

「うん、直接でないと言いにくいことがあって・・・」


「何か相談事?」


「うん、その通り。葵じゃないと、相談できないんだ。

だから、葵の降りる駅までわざわざ来たんだよ。」


「うん、たぶん、部活終わって、この時間に着くんじゃないかって予測して。

だいたい読みはあってた。10分くらいしか待たないですんだ。

私の読みってあたるんだよね。」


葵は驚きながらも、大事な相談があるってわかってくれたみたいで、

「うん、相談に乗るよ。ここじゃなんだから、駅のそばのドーナツショップに行こ!」


「賛成!お腹すいた!」「私も!」

私たち二人は甘いものに目がありません。


私たちはとりあえず、駅からおりて、駅前にあるドーナツショップに入ります。

部活でお腹を空かしていた私たち二人組はすぐ注文します。


「この新商品食べたかったんだー。残っててラッキー。」

「もう文乃は食いしん坊なんだから。」

「純華だって、ドーナツ二つ買ってるじゃない。太るよ。」

「私は、太らない体質だから大丈夫。」


私たちは結局食いしん坊なんです。


「そして、相談って、何?」


私は、ちょっと逡巡しましたが、すぐ切り出します。

「あのさ、9月に私たち、男子校の文化祭に遊びに行ったじゃない?」


「うん、あの時はわざわざ男子校に来てくれてありがとう。」


文乃が続けます。

「あの時、葵、忙しくて、私たちの案内できないから、男子に案内させるって言って、佐藤君と山中君を紹介してくれたでしょ?」


「うん、そうだったね。」


「あのさ、・・・あの二人って彼女いるのかな?」


葵が目を丸くします。意外だったのかな?


「たぶん、いないよ。彼女がいるって話は聞いたことないから。」


「でも、二人とも・・・その、容姿は普通よりいいと思うから、その・・・ちょっとしたきっかけで

彼女とかできそうだよね。」


「そうかもしれない・・・けど、男子校は機会が少ないからね。

バイトでもやっていれば、なんかきっかけはあるかもしれないけど。

二人とも運動部だから、バイトなんかしてないし。」


「運動部なの?知らなかった。もしかして、私たちと同じ競技だったりして。」


私は、もし二人がテニス部なら、話が合いそうだと期待を込めて聴きます。


「違うよ。佐藤君がバスケで、山中君は剣道部。」


「うわっ、似合いそう。」


「そうだったんだ。でも運動部でよかった。話が合いそう。」


「で、あの二人に彼女がいるかどうかを確かめたらどうするの?

もしかしたら仲良くなりたいのかな?」


「ううっ、私たち男の子の友達いないじゃない?

この間、ちょっとした縁で、文化祭案内してもらって、楽しかったから、

友達になってもらうのはどうかなって思ったの。」


「そうそう。男の子の友達つくり!」


「ほーお。それで、どっちがどっちを気に入ったの。

教えてくれないと協力しないよ。」


「えーっ、そんな殺生な。

教える教える。」


「もー、葵がこんな意地悪とは!」


「はいはい、では正直に言ってね。

そうじゃないと、今後うまくいかないから。」


「私は山中君。なんか、凛々しい顔だし、目が涼しいっていうか、あの瞳がいいっていうか・・・」

と私。


「私は佐藤君、背が高くて、細くて。

割と背の高い私でも見上げることができて、いいなーって思ったの。

なんか、まじめそうで安心できるし。」と文乃。


葵は私たちに白状させて満足そうです。

でも、すぐ厳しい指摘をしてきました。

「うーん、でも、何で今なの?

文化祭から2カ月以上たってるよ。

文化祭のあとなら話がホットだったのに。」


そうだよねー。そう思うよねー。


「うーんとね。実は、男性陣から連絡が来るかな?って思ったの。

何か、二人とも私たちを案内してすごく楽しそうだったから。

連絡先を聴いてこなかったけど、そのうち葵を通じて、絶対連絡来ると思ったんだ。」


「うん、私たち割と可愛い方かな?って思ってるの。だから、あの二人、私たちのこと気に入ってるって考えたんだ。

葵に頼んで、絶対連絡してくると思ったの。」


「そしたら、2カ月待っても連絡ないし。」


「私たち、ちょっと頭に来ちゃってさ、こちらから連絡してあげようかってことにしたの。」


私たちは、ちょっと自信過剰めいたセリフを言います。

ちゃんと連絡してこない男の子が悪いみたいな言い回し?

でも、結局は私たちが男の子たちに惚れちゃっていることがバレバレです。

しかも、葵を介さないとちょっと恥ずかしいみたいな弱弱しさも出しちゃっている。

だって、恥ずかしいんだもん。


「うん、わかった。とりあえず、4人で会ってみようか!

それも、学校帰りだと時間ないから、休みの日にゆっくりね。」


「え、いきなり?」

「どこで?」

私と文乃はちょっと緊張しました。

いきなり休みの日に会うの?ハードル高いかも!

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