表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/6

第1話 彼氏が欲しいけど機会がない!

私の小説「男子校に姫がいるっ!?(略称:だんひめ)」のエピソード「文化祭に始まった恋」にリンクしています。

女子校の可愛い女の子、桑島純華くわじますみかの視点で描きました。

恋愛に臆病だけど、前に踏み出したい4人の高校生の気持ちが大好きです。

私は桑島純華くわじますみか、桃花女子高校の1年生。

桃花女子高校とは、同一学校法人が経営する2つの学校のうちの一つ。

すぐ近くに男子校である桃花高校があります。


部活はテニス部。

中学の時から仲良しの北山文乃きたやまふみのと一緒に入部して楽しくやっています。


でも、私と文乃は全く違う体格をしています。


私は身長153センチで小柄でかつ華奢。

元気がいいのが取り柄で、長時間激しく動き続けていても全然大丈夫なタイプ。

だから、テニスで激しいトレーニングを課せられても、苦しくありません。

髪はロングヘア。

テニス部だから、ショートヘアが主流なんだけど、長い髪の毛が大好き。

部活の時は束ねて、邪魔にならないようにしています。


対して、文乃は身長167センチで背が高い女の子。

私ほど、元気なタイプではないけど、背の高さを活かしたプレイが特徴。要領がよくて、器用かな?

私と同じように長い髪の毛が好きで、ポニーテールやツインテールで楽しんでいます。

私と違って、部活でない時も結んだヘアスタイルです。

明るくて、人をからかうのが大好き。

私もしょっちゅうからかわれているけど、イヤな気分にはなりません。

これがからかい上手ってやつなんでしょうね。


文乃とはクラスも一緒。

だから、朝から、夜までずっと一緒の親友って感じ。

体格の違いから凸凹コンピなんて言われています。


あ、共通点がありました。

それは二人とも貧乳ってこと。

哀しいことに・・・二人ともAカップ。

ううっ・・・残念!

中学の時に胸の成長が止まってしまったみたい。

高校3年間で少しは大きくしたいんだけど・・・どうかな?


でも、でもね、

二人ともとても可愛いという評判があるんです。


自分で言うのもなんだけど、私も、文乃も可愛い顔をしてると思います。

間違いありません。二人とも中学時代けっこうモテたんです。


中学の時は男女共学だったから、「付き合ってほしい!」って、男の子から何回か交際を申し込まれました。

自分ながら、モテるんだなって思ったけど、結局は男の子と交際しませんでした。

何となく、まだ早すぎるって思っちゃったんです。

ちょっとエッチなことが怖いっていう印象も持ってたし。

文乃も私と同じような感じだったみたいで、男の子からの交際はすべて断っていました。


「中学の時は我慢したけど、高校になったら彼氏作ろうよ。」

「うん、そうしよう!素敵な出会いあるかもしれないね。かっこいい彼氏作ろう。」

そんな会話をしてた中学生時代。


で、入学したのは桃花女子高校。


女子校でも、系列の男子校があるから、男子と知り合う機会はいっぱいあるって話だったので、期待してました。部活に入れば、男子校・女子校の連携活動が必ずあるという情報もありました。

ところが、現実は違ったんです。


入部したテニス部では、1年前までは、男子校・女子校で仲良く練習したり合宿してたみたいだけど、ちょっとした男女トラブルが起こって関係が断絶してたんです。

部活では、男の子と知り合える機会はなくなってました。

信じられない!


それ以外では、生徒会主催のイベントとかあるんだけど、私と文乃が属するテニス部の練習はそういうイベントがある時には必ず試合を設定していて、イベントに参加できないんです。

不思議です。

部を管理している顧問の先生の仕業?それとも上級生の悪意?

理不尽だと思うんですけど、逆らえません。


「あーあ、彼氏が欲しいねー。男の子と知り合いになれる機会ないかなー。」


「うん、彼氏欲しい!誰か紹介してくれないかなー。私たち可愛いんだから、宝の持ち腐れになっちゃう。」


そういう会話を文乃と繰り返す日常が続きます。


で、私の好きなタイプなんですけど・・・

チャラチャラしたタイプは絶対だめ。

中学3年生のとき、海に遊びに行って、馴れ馴れしく話しかけてくる高校生にナンパされたんだけど、ああいうのは絶対ダメ!

拒否反応を起こしちゃいます。

今でも、通学時、「ねえねえ、君たち可愛いね!」って声をかけてくる若いお兄さんがいたりするけど、大嫌い!

このタイプは、一人の女の子をきちんと好きにならないだろうし、いい加減だと思う。不真面目だ。

私は、真面目で、ちょっとシャイな感じの男子がいい。

それで、顔もいい方がいいなー。


文乃に聴くと、やっぱり同じようなことを言います。

で、文乃は背の高さも求めてます。

身長170センチくらいの平均的男子だと、ほぼ目線が同じで、抵抗あるみたい。

やっぱ、170センチ台後半から180センチくらいの男子がいいって言ってる。

うーん、私以上に選ぶの大変そう。


彼氏が欲しくてたまらなかった高校1年の夏休みはあっという間に終わっちゃいました。

青春の大事な1ページは部活だけで過ごしちゃった感じです。

女の子同士で、ちょこっとは遊びにはいったけど、物足りない。


「出会う機会ないねー。」


「うん、ファッション雑誌に出てくるような夏の出会いなんて全然なかった。」


夏休みが明けて、愚痴を言い合っていたその時でした。


男子校にいる唯一の友達の小出葵こいであおいから、素敵なお誘いがありました。


あ、葵って言うのは、男子なんだけど、演劇部の女形として一日中女装している生徒。

しかも、LGBTで、女性への性転換を目指してるみたいで、見た目は普通の女の子。

わかりやすく言うとニューハーフですね。

それも男子ってわからないレベルのニューハーフ。すっごく可愛い。

正直言って、私たち負けちゃってるかも。

春先、女子校に研修に来た時に仲良くなっちゃったんだ。

性格すごくよくて、話が私たちと合うの。

いい子です。


お誘いとは、

「純華、文乃、男子校の文化祭に来なよ。案内してあげる!彼女のいない男の子いっぱいいるよ。」

というスマホからのメッセージ。


私と文乃は

「これは、男の子と知り合えるチャンスかも。」

「そうね。葵に校内いっぱい案内してもらって、イケメンがいたら片っ端から、紹介してもらおう!」

「うん、うん、千載一遇のチャンスだ。

葵なら、性格とか裏情報も知ってるかもしれないから、頼りになる。」

「よーし、彼氏いない歴16年から脱出しよう。」

「そろそろ、エッチなこともしたいしね。」

「うーん、そうは言っても段階をふまなきゃ。まずはキスからかな?」

「やーん、具体的。想像しちゃう。」

「でも、経験したいよ。キスくらい。」

「そうだよね。キスくらい早くしたいよね。」

「キスって、どんな感触かな?楽しみ。」



そして、文化祭当日。

私と文乃は張り切って、男子校に向かいます。

服装はもちろん制服。

関連高校の文化祭ですもの。


男子校に入ると、まずはアイスクリーム屋さんを探します。

そこに葵がいるはずです。


「あ、葵、今日はよろしく!」

「葵、女子校の生徒にしか見えないよ。手伝ってるみたい!」


葵を見つけた私たちは、手を振って、声を掛けます。

葵はお店の前に立って、呼び込みをしてました。

どう見ても女の子に見える葵は、女子校の生徒が男子校を応援に来ているように見えます。


「純華、文乃、来てくれてありがとう。

うれしいっ!!

それで、実はね・・・・・・ごめん!

申し訳ないんだけど、私、今日、一緒に校内回れないんだ。

スケジュールが詰まっちゃって。


でもね、クラスメイトに案内役頼んだから、大丈夫。

楽しんでいって!」


「そうなの。がっかり!一緒に回れた方が楽しいのに。」

「うーん、残念。他の人が案内するんだ。それでもいいけど・・・」


私と文乃はがっかりしちゃいました。

いろいろ期待してたことがダメになる感じがしたし。

シュンとした顔をしてしまいます。


「がっかりしないで。

男子校の文化祭楽しいと思うよ。

あ、ちょっと、待ってて、案内役の子、連れてくる。」


「うん。」「わかった。」


誰が案内してくれるんだろう?と不安になって待つこと数分、

私たちの前に、二人の男子生徒が現れました。


えっ?うそ!二人ともかっこいい!!

こんなクラスメイトいたんだ!

一人は背が高くて、モデルみたいない体型の優しそうな男子。

もう一人は身長は170センチあるかないかだけど、顔が整ってて、目がキラキラしている男子。


葵が私たちを紹介してくれます。


「こちらが、桑島純華さんと北山文乃さん、二人とも可愛いでしょ?

女子校でも、トップランクの女子だよ。」


「またー、葵ったら、そんなに褒めても何も出ないよ。」

「うん、褒めすぎ。男の子たちが困っちゃうよ。」

私たちは、葵のお世辞に照れるしかありません。


男子側も自己紹介してくれます。


「あ、俺、佐藤友樹さとうともきです。よろしくお願いします。

二人とも、すごく可愛いよ。お世辞じゃないから。」

背の高い男子が私たちを褒めてくれます。

「うん、二人とも可愛い。俺、山中健太やまなかけんた。きょうはよろしく。

文化祭の目玉を見て回るから、話のタネにはなると思う。」

目がキラキラの男子も褒めてくれます。おおーっ!


「あ、ありがとう。お願いします。」

「うん、お願いします。」


私と文乃は顔を見合わせて、ニッコリ笑ってしまいました。

すごいラッキーだ。

二人で葵を呼び寄せ、男の子たちに聞こえないように耳打ちします。


「うん、なかなかいい線行ってる二人ね。」

「まあ、たまには男の子とお話するのもいいかもね。」

と感想を話すと、葵もホッとした顔になる。


うん、葵、グッドジョブです。

わーっ、イケメン二人と私たち女子二人で文化祭を見て回れるなんて、ラッキー!

いい一日になりそう!


本編があるので、矛盾させないように書きました。

数話で終わる予定にしています。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ