6thバトル:涼風祐 vs 小宮あゆみ
加奈子:それでは、第6戦目の組み合わせを発表したいと思います。
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名前:涼風 祐
性別:男性
誕生日:1995年3月24日
タイプ:才能
ランク:7
外向的/内向的:4
大胆/慎重:8
理性/感情:2
楽観的/悲観的:5
背丈:170後半
体型:マッチョ
容貌:美形
財布:7/1
職業:会社役員
地元:福島県・四ツ谷峠/チーム・フォーナイツ
特記:
●個人能力値
身体:9 知性:9 人格:9
●一般技能
教養:2 推理:1
●専門技能
商売:2 電脳:2 欺瞞:1
●バトルスタイル
カエサル
●車両データ
BNR-34 スカイラインGT-R
チューニングレベル:Ⅰ
セッティング:ストリート
駆動方式:4WD
車両ランク:SH
速度:7 馬力:7 旋回:0
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名前:小宮 あゆみ
性別:女性
誕生日:1987年2月25日
タイプ:才能
ランク:6
外向的/内向的:3
大胆/慎重:4
理性/感情:7
楽観的/悲観的:5
背丈:160前半
体型:
容貌:平凡
財布:5/4
職業:チューニングショップ経営
地元:福岡県・高田峠/チーム・K-SPEED
特記:貧乳コンプレックス(胸の大きさに劣等感がある)
●個人能力値
身体:6 知性:9 人格:8
●一般技能
家事:②
●専門技能
商売:2 電脳:1 機械:2
●バトルスタイル
タイラント
●車両データ
EK-9 シビック・タイプR
チューニングレベル:Ⅲ
セッティング:ストリート
駆動方式:FF
車両ランク:M
速度:5 馬力:1 旋回:3
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加奈子:優勝候補の一角、涼風選手の登場ですね。
石田:ええ。第1戦に登場した壬生選手と並ぶ最高ランクの走り屋です。文字どおりの大本命と言えましょう。
加奈子:では石田さんにお尋ねします。今回、小宮選手は、この強敵を相手にどのような戦いを見せてくれるのでしょうか?
石田:そうですね。それを語る前に、まずお互いのバトルスタイルから説明することにいたしましょう。
加奈子:お願いします。
石田:まず涼風選手のバトルスタイル「カエサル」は、宣言したラウンドの勝敗を逆転させる能力を持ちます。つまり、涼風選手にとり数字の小さなカードは数字の大きなカードと同じくらいの勝率を見込めるというわけです。例を挙げるとAのカード+バトルスタイル「カエサル」の宣言は、確率的にはほぼ必勝です。小宮選手が同じAを持ってこない限り、引き分けすらないのですから。
加奈子:なるほど、それは強力ですね。では、小宮選手の「タイラント」は?
石田:小宮選手のバトルスタイル「タイラント」は、対戦相手のラウンド勝利を不確実にする効果を持つものです。たとえ相手がKのカードを出そうとも、出した絵柄がこちらと同じでありさえすればカードの数値は2倍され、相手側は7のカードにさえ不覚を取ってしまいます。つまり、小宮選手と対戦する側としては、相応に大きなカードを出しても確率4分の1でそのラウンドを失ってしまう可能性が高いというわけです。これはなかなかに大きなプレッシャーで、一撃の効果は大きくなくても、ボディブローのようにコツコツと効いてくるはずです。
加奈子:こちらもまた、それなりに強力なバトルスタイルだというわけですね。
石田:そのとおりです。特にカードをオープンすることで効果を得られる「ロードダンサー」や「スピードマスター」、もしくは「インドラ」のようなバトルスタイル、および使用されるカードが予測あるいは判別できる「レインメーカー」や「パーシヴァル」のようなバトルスタイルとは滅法相性がいいはずです。
加奈子:なるほど。
石田:その一方で天敵と言えるのが壬生選手が持つ「オーバーロード」のような、こちらの出すカードを察することのできるバトルスタイルです。まあ、そのあたりは純粋に相性の問題ですので詳しい解説は省きますけど、より深刻なのが涼風選手の「カエサル」のように結果をひっくり返す、もしくは「スキピオ」のように保留としてしまうバトルスタイルでしょう。なんといっても、「タイラント」の強みは、相手側の勝率を不安定にする点であるのに、勝ちを負けにされたり、せっかくの勝ちを「なかったこと」にされてしまっては、なんのためのバトルスタイルなのかわからなくなってしまいます。
加奈子:そんな両者が激突する今回のバトルですが、石田さんはどのように推移するとお考えですか?
石田:そうですね。ズバリ言うと、涼風選手が苦戦しつつも全般的な優勢は譲らないって流れになるんじゃないかと思います。
加奈子:その根拠は?
石田:まずひとつ目はマシンスペックです。涼風選手の「スカイラインGT-R」は小宮選手の「シビック・タイプR」に対し「速度」で優勢、「馬力」で2倍効果の圧倒的優勢を確保してます。「旋回」に関しては、小宮選手に圧倒的優勢が与えられていますが、全般的に小宮選手が劣勢であることに疑いはないでしょう。
加奈子:ひとつ目ということはふたつ目もあるのでしょうか?
石田:ええ。ふたつ目は、先にも述べたバトルスタイルの相性です。小宮選手のバトルスタイル「タイラント」は、特定の条件下で出したカードの数字を2倍にする能力を持ちます。このため、カードの数字のどちらが大きいかを比べる場合において、優れた実力を発揮します。ですが、カードの数字のどちらが小さいかを比べる場合には、なんの役にも立ちません。本来のルールなら、出されたカードのどちらが小さい数字かで勝敗を決める状況が訪れることはありません。しかしながら、涼風選手のバトルスタイル「カエサル」は、それを堂々とやらかしてくるんです。これは小宮選手のバトルスタイル「タイラント」にとって、非常に辛い展開に違いありません。もちろん「カエサル」が宣言されなかった場合の勝敗なら十分ひっくり返せる実力を持ちますので、その方面ではある程度の結果を残せると思います。
加奈子:なるほど。解説ありがとうございました。では恒例の勝敗予想を。
石田:5-0で涼風選手。ひょっとしたら4-1ぐらいにはなるかもしれません。
加奈子:その可能性は、どうやっても覆りませんか?
石田:残念ながら。
加奈子:では、対戦結果のほうを見てみたいと思います。
◆◆◆
涼風祐:5-0:小宮あゆみ
◆◆◆
加奈子:石田さんの予想どおりになってしまいましたね。ただ5戦全部で150点差のぶっちぎりっていうのは、「苦戦するかも」という石田さんの予想とは全然違った展開になりました。
石田:ええ。非常に残念なことながら。
加奈子:やはり、このゲームにおいても相性の差というのは大きいものなのでしょうか?
石田:大きいですね。というより、相性の悪いバトルスタイルを持たないバトルスタイルというのは、決して多くないと思います。むしろ、相性の悪い対象を持たないバトルスタイルに見えるものは、効果が大きくないゆえにそう見えてしまうことがほとんどじゃないでしょうか。例えば、今回勝利した涼風選手の「カエサル」ですが、あらかじめカードの内容を知られてしまう壬生選手の「オーバーロード」に対しては、あまり相性が良くありません。でもその「オーバーロード」にしたところで、あらかじめカードをオープンすることで数値が上がるバトルスタイルとは相性が良くない。何せ、どうせ見られてしまうのなら読み合いなんかせず初めからオープンにしとけ、とやられてしまうのが明白だからです。
加奈子:なるほど。
石田:ところが、そうしたオープン系のバトルスタイルは、今回敗れた小宮選手の「タイラント」との相性が良くない。オープンしたカードと同じ種類のカードを狙って出されてしまうからです。このあたりはキャラクターの持つ強弱でもあるわけなんですが、それとは別に性格の部分、もっと言うと走りの質的な部分とも関わってくる問題だと思うんですよね。
加奈子:走りの質、ですか?
石田:はい。例を挙げると、バトルスタイル「タイラント」の持ち主は、奇策を用いてリードを奪う、本能型の走り屋だと言っていい。相手側が正攻法でやって来ても、その横腹を予想外の戦術で突くことを持ち味にしている。ひと言で言うと「何をしてくるかわからない」ってことです。一方、「カエサル」や「オーバーロード」の持ち主は、正攻法を磨き上げた知略型の走り屋だと言っていい。強みを補強し弱みを隠す、そんな戦い方に長じている。つまるところ、バトルにおける強い弱いとはまったく別に、それぞれがそれ相応のキャラクター性を秘めているというわけであります。
加奈子:なんとなく、言われてることはわかります。
石田:ゆえにこそ、読者の皆さんには今回のリーグ戦を通じて、その戦いの様子と勝ち方負け方というものを、よくよく観察してもらいたいと思いますね。ボクもデザイナーとして、なるべくわかりやすく、そうした面を解説していきたいと考えてますので。
加奈子:ありがとうございました。それではそろそろ、次のバトルに目を向けたいと思います。