4thバトル:梅原麗華 vs 岸田瑞月
加奈子:それでは、第4戦目の組み合わせを発表したいと思います。
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名前:梅原 麗華
性別:女性
誕生日:1997年4月3日
タイプ:才能
ランク:3
外向的/内向的:6
大胆/慎重:2
理性/感情:3
楽観的/悲観的:3
背丈:160後半
体型:スレンダー
容貌:最上級
財布:8/2
職業:モデル
地元:
特記:
●個人能力値
身体:7 知性:9 人格:8
●一般技能
威圧:1 教養:2 家事:②
●専門技能
機械:① 欺瞞:2 演出:2
●バトルスタイル
セントーア
●車両データ
PHOENIX-POWER フェアレディZ・RS/改
チューニングレベル:Ⅴ
セッティング:サーキット
駆動方式:FR
車両ランク:H
速度:12 馬力:9 旋回:②
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名前:岸田 瑞月
性別:女性
誕生日:1994年2月28日
タイプ:対戦
ランク:5
外向的/内向的:7
大胆/慎重:3
理性/感情:8
楽観的/悲観的:5
背丈:150半ば
体型:
容貌:好印象
財布:2/0
職業:喫茶店店員
地元:神奈川県・矛根椿ライン/チーム・なごばし組
特記:味覚音痴(致命的に料理が下手)
●個人能力値
身体:7 知性:7 人格:7
●一般技能
教養:① 推理:1 家事:②
●専門技能
電脳:2
●バトルスタイル
アークエンジェル
●車両データ
EF-9 グランドシビック
チューニングレベル:Ⅲ
セッティング:ストリート
駆動方式:FF
車両ランク:L
速度:5 馬力:2 旋回:0
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加奈子:石田さん、このバトルの展開を、どのように予想されますか?
石田:そうですね。まず確実に言えることは、ふたりとも、優勝を狙える選手ではないことです。
加奈子:はい? ですが、ランク3の梅原選手はともかくとして、岸田妹選手は、登場作品の主人公かつ地元最速の看板を背負っている走り屋です。それでもなお、優勝候補の一角ではない、と?
石田:ええそうです。ただ誤解しないでおいて欲しいのは、岸田妹選手が弱いから優勝候補の一角に収まらないというわけではなく、むしろ主人公キャラであるからこそ、その属性ゆえに優勝候補の一角に含まれないのだということです。
加奈子:??? 仰る意味がよくわかりませんが?
石田:なるほど。確かにそうかもしれません。では、その関係の説明をさせていただきましょう。
加奈子:お願いします。
石田:まず岸田妹選手の特徴は、格上キャラクターに対する勝率が高い、ということです。彼女の持つバトルスタイル「アークエンジェル」は、カードの数字が7のとき、および前に出したカードとプラスマイナスした数字が7の倍数であったときに自動的勝利が確定するというものです。このため、相手の出したカードの数字にかかわらず、自分のイニシアチブで連鎖的な自動勝利が発生する場合があります。例を挙げるなら、初めのラウンドに1のカードが出された際、6か8かKのカードを出せば7でなくとも自動的勝利を獲得できます。さらに1-6と続いた場合には、次のラウンドで1か7か8かK、1-8と続いた場合には、次のラウンドで1か6か7かK、1-Kと続いた場合にも、次のラウンドで1か6か7か8で自動的勝利が連鎖するのです。
加奈子:なるほど。
石田:これは大変に強力な能力で、優勝候補の上位陣、壬生選手や祭田選手を下克上する可能性がほかの選手よりも高くなります。壬生選手が岸田妹選手のカードを先に見ることができようとも、祭田選手が大きなカードを再利用しようとも、バトルスタイル「アークエンジェル」の前には通じないケースがあるというわけです。
加奈子:壬生さんが相手でも、ですか。でもそれなら、岸田妹選手を優勝候補としてもよろしいのではないでしょうか?
石田:なのですが、ここで岸田妹選手の主人公属性が足を引っ張るのです。
加奈子:主人公属性ですか?
石田:はい。彼女は、登場作品の設定的に、あくまでも最強キャラではなく最強を目指すキャラという立ち位置にあります。
加奈子:確かに原作を見ても、彼女は上の誰かに挑むというシチュエーションが多いです。
石田:それゆえに強力なクルマを愛車とはしていません。彼女の愛車である「グランドシビック」自体は決して遅いクルマではないのですが、ハイパワー車相手に「速度」や「馬力」の数字で圧倒的優勢を得られることが大いに考えられるスペックです。
加奈子:なるほど。
石田:さらにいうと、彼女のバトルスタイル「アークエンジェル」は、格上を食える反面、格下に対する勝率がドカンとアップするわけではありません。つまり、上位陣からの得点が増える一方、下位陣を食い物にすることが難しいというわけですね。これもまた主人公属性のひとつです。ですが優勝候補の面々は、おおむね格下をカモにすることで得点を稼げるキャラクターたちです。このため、リーグ戦という総当たりの点取りゲームにおいては岸田妹選手の弱みが鮮明になるものとボクは考えるわけなのです。
加奈子:わかりました。つまり岸田妹選手はヒーローキャラにはなれてもライバルキャラにはなれない、ということですね。格下を取りこぼす可能性が高いので、立ちはだかる壁になることができない、と。
石田:そうですね。もし彼女がよりハイパワーなクルマを愛車にしてたら、まず隙のない最強キャラになったかもしれません。が、それだと「すでに最強」キャラであって「最強を目指す」キャラではなくなります。物語の立ち位置的に面白くないですし、作品の設定にも反します。
加奈子:わかりました。では、この対戦の勝敗予想をいただけますか?
石田:おそらくは3-2で梅原選手。ひょっとしたら4-1になるかもしれません。
加奈子:その根拠は?
石田:純粋にマシンスペックの問題です。
加奈子:あ~
石田:梅原選手のバトルスタイル「セントーア」は、クルマの性能値を+1する能力を持ちます。すなわち、彼女の愛車は13・10・①という超絶スペックを発揮するってことです。これは岸田妹選手の「グランドシビック」から「速度」と「馬力」の性能で圧倒的優勢を得る能力を持っているわけです。「旋回」性能で圧倒的優勢を確保している分、初戦における壬生選手vs大地選手・此ノ先選手よりはマシとはいえ、岸田妹選手の場合、大地選手・此ノ先選手のような一発逆転の爆発力を持っていません。これはあまりに大きなハンデだと思われます。
加奈子:つまり相性が悪過ぎるということですね。
石田:はい。作中でも彼女、ハイパワーなマシン相手に手も足も出ず完敗してますしね。ある意味、設定どおりと言えるのかもしれません。
加奈子:解説ありがとうございました。では対戦結果の方を見てみたいと思います。
◆◆◆
梅原麗華:1-4:岸田瑞月
◆◆◆
加奈子:石田さんの予想が外れましたね。
石田:そうですね。いろいろと読み間違えていた部分があったようです。
加奈子:よければ、その読み間違いの部分を解説していただけませんでしょうか?
石田:はい。まず梅原選手は、岸田妹選手が得点源としやすい「旋回」性能を使うラウンドを、完全な捨てゲームにすべきでした。「速度」と「馬力」性能を使うラウンドにおいて圧倒的優勢が得られるのですから、たとえそのラウンドを落とすことがあっても、自分の出したカードの数字は総合得点に加算されます。梅原選手としては、ゴールに向かって確実に歩を進められるというわけですね。
加奈子:はい。
石田:ところが今回、梅原選手はそうした戦術を取らなかった。圧倒的優勢を得られない「旋回」ラウンドでも、律儀に岸田妹選手を討ち取りに出てしまった。
加奈子:その結果、岸田妹選手の「アークエンジェル」に大きなカードを討ち取られる結果に陥ってしまった、と。
石田:そのとおりです。そのおかげで、接戦に競り負けてしまう形でバトルを落としてしまったというわけですね。事実、岸田妹選手が勝利した回はすべて30点差以内の接戦になりましたが、梅原選手が勝利した回、つまり彼女が開き直って圧倒的優勢での得点を主軸にしようと試みた回は、100点以上の大差が付く形になっています。
加奈子:なるほど。
石田:梅原選手の強みは絶大なマシンスペックなわけですが、今回はそれを岸田妹選手が幸運と主人公効果でしのいで勝った展開だったと言えます。まあ絶望的にカード運も悪かったのですが。
加奈子:特に2戦目は酷かったですね。手札という手札が、ことごとくクズカードで。
石田:あそこまで酷い配分はちょっと見られないでしょうね。それでも、梅原選手の走り屋ランクがもうひとつ上であったなら、岸田妹選手の勝ち越しはなかったと思います。初めに述べたように、彼女の弱点は非力な愛車の性能です。ここをクリアできない以上、やはり優勝は難しいのではないでしょうか。
加奈子:ありがとうございます。それではそろそろ、次のバトルに目を向けたいと思います。