3rdバトル:祭田圭介 vs 岸田澪
加奈子:それでは、第3戦目の組み合わせを発表したいと思います。
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名前:祭田 圭介
性別:男性
誕生日:1974年1月5日
タイプ:対戦
ランク:7
外向的/内向的:3
大胆/慎重:1
理性/感情:8
楽観的/悲観的:2
背丈:170前半
体型:
容貌:平凡
財布:3/6
職業:高校教諭(+アルバイト)
地元:埼玉県・馬瀬峠
特記:
●個人能力値
身体:9 知性:5 人格:8
●一般技能
運動:1 威圧:1 推理:② 交流:1
●専門技能
腕力:1 機械:1 欺瞞:①
●バトルスタイル
レインメーカー
●車両データ
YAMASHITA-MOTORS CR-X/EJ-20改ミッド
チューニングレベル:C
セッティング:ストリート
駆動方式:MR
車両ランク:LL
速度:8 馬力:10 旋回:⑥
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名前:岸田 澪
性別:女性
誕生日:1989年10月10日
タイプ:才能
ランク:6
外向的/内向的:4
大胆/慎重:2
理性/感情:4
楽観的/悲観的:3
背丈:160半ば
体型:グラマー
容貌:美形
財布:4/0
職業:会社員
地元:神奈川県・矛根ターンパイク
特記:
●個人能力値
身体:8 知性:8 人格:8
●一般技能
威圧:2 交流:1 家事:①
●専門技能
電脳:1 機械:1
●バトルスタイル
ルシファー/ゾーン
●車両データ
AP-1 S2000
チューニングレベル:Ⅱ
セッティング:サーキット
駆動方式:FR
車両ランク:M
速度:5 馬力:3 旋回:1
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石田:これはまた、随分と興味深い対戦になりそうですね。
加奈子:と、仰いますと?
石田:両者のバトルスタイルが、真っ向からかみ合いそうだからですよ。
加奈子:両者のバトルスタイルが、ですか?
石田:ええ。まず岸田選手──ああ、妹さんも参加しておられますので、ここは岸田姉選手とさせていただきます。その岸田姉選手が持ってる「ルシファー」というバトルスタイルは、手札からカードを同時に2枚出して、双方が表にしたあとで、どちらを実際に使うのかを自由に選べるというものです。
加奈子:はい。
石田:これはつまり、手札の中で一番大きなカードと一番小さなカードを一緒に出して、相手のカードを見たあと、大きなカードで勝てるのならそれを、勝てないのなら小さなカードを使うというように、臨機応変な対応ができるという能力です。鉄壁のガードを誇る岸田姉選手に相応しく、実に隙のないバトルスタイルと言えましょう。
加奈子:では祭田選手の「レインメーカー」とは、いったいどのようなバトルスタイルになるのでしょうか?
石田:祭田選手のバトルスタイル「レインメーカー」は、一度出した手札を手元に戻す能力を持ちます。要するに、手札の中で一番大きなカードを、何度も使うことができるというわけです。もちろん、戻すのと引き換えに同色または相手の出したカードの数字より大きいカードを手札から出さなければならないので無制限というわけにはいきませんが、それでも強いカードを手にした時の爆発力は相当なものです。祭田選手らしく、イケイケドンドンをそのまま形にしたようなバトルスタイルですね。
加奈子:それはつまり、お互いのキャラクターがはっきりしているということですね?
石田:そのとおり。走り屋ランクもほぼ同じですし、バトルスタイルの優劣と相性とが勝敗を分けると考えても問題ないかと思います。
加奈子:それでは石田さん。ズバリお伺いしますが、今回のバトル、優勢はどちらの側になるでしょう?
石田:4-1で祭田選手。ひょっとしたら、5-0の完勝もあるかもしれません。
加奈子:その根拠は?
石田:爆発力の差ですね。祭田選手の「レインメーカー」は、大きなカードが手に入れば、一気に大量得点が狙えます。バトルスタイルとしては、最強クラスのひとつと言えるのではないでしょうか。もちろん相性の善し悪しがありますので万能というわけにはいきませんが、強いスタイルであることに疑いはありません。
加奈子:なるほど。
石田:その一方で岸田姉選手の「ルシファー」は、どちらかといえば確実さを目指したバトルスタイルであり、純粋な得点力という面では祭田選手の「レインメーカー」に一歩も二歩も譲ります。その分、戦略的な対戦相手にはめっぽう強いバトルスタイルでありますので総合的に見て劣ったスタイルというわけではありませんが、「レインメーカー」と正面から殴り合ったとしたら、やはり厳しい状況なのは否めませんね。さらにいうと、彼女の愛車はセッティング面でステージに合致してません。このマイナス修正が地味なダメージとなることに疑う余地はまずないです。
加奈子:つまり、今回のバトルはお互いの相性によって決着がつく、と。
石田:たぶんそうなるんじゃないかな~と、ボクは見ています。岸田姉選手も実力的には優勝を狙える走り屋なんですが、いかんせん対戦相手が悪かったですね。
加奈子:そうですか。ありがとうございます。ではこれより、対戦結果の方を確認したいと思います。
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祭田圭介:4-1:岸田澪
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加奈子:石田さんの予想が当たりましたね。
石田:ええ。ほぼ予想どおりの展開でした。
加奈子:そうなった理由について、解説をお願いします。
石田:そうですね。結局は最初に述べたとおり、両者の間の得点力の差が物を言った、と言えるんじゃないでしょうか。祭田選手の「レインメーカー」は、相手の手札で対抗できない大きなカードを手に入れた際、そのカードと同色のカードすべてが得点として計算できてしまう極めて強力なバトルスタイルです。これと対峙する岸田姉選手としては、自身のバトルスタイル「ルシファー」が持つ2枚出しの1枚選びという能力を駆使して、相手側の得点を最小限に抑えなくてはなりません。そうやって「レインメーカー」の息切れを待ちつつ温存した大きな手札で間隙を討つという、闘牛士のような戦い方をする必要があったというわけです
加奈子:そうですね。
石田:ただ、そのような戦況を優位に進めるには、走り屋ランクかマシンスペックの優越、そのどちらかが最低でも欲しいところなんです。ところが今回の対戦において、そのどちらもが岸田姉選手の側にはありませんでした。ことマシンスペックにおいては、セッティングによる-1修正を加えて明らかな劣勢にあったくらいです。なんだかんだいって、それが決定打になったのかな、とボクは考えちゃいますね。
加奈子:もう少し詳しくご説明願えますか?
石田:はい。今回の対戦結果を端的に述べれば、岸田姉選手が祭田選手のバトルスタイル「レインメーカー」、その爆発力を押さえきれなかったことが直接の敗因になったんじゃないかと思います。岸田姉選手の走りは、決してギャンブル性の高いものではありません。面白味こそないけれど、すこぶる手堅い走りをする選手だと評し得ます。そのため、大崩れすることがない反面、戦況をひっくり返す大爆発をするケースも少ない走り屋と言えるわけです。今回の対戦でも、岸田姉選手は得点力での劣勢をよくしのぎ、祭田選手との接戦を戦い抜きました。ですが、あと一歩というところのラッシュで、祭田選手に先を許してしまう場面が多々見られました。
加奈子:確かに。
石田:岸田姉選手の必勝パターンは、総合得点での優勢を得た上で、相手の大量得点を押さえながらボディブローを重ね、最後まで逃げ切るという防御的なものです。それは彼女の渾名「ファイヤーウォール」が物語っているとおりです。言ってしまえば、戦術スタイルが「守りの走り屋」なんですね。実際、今回のバトルで岸田姉選手は、祭田選手の大爆発を小爆発程度に押さえ込むことに成功しました。それはそれで、素晴らしい戦いぶりだったと思います。ですが、その小爆発を超えるだけの得点を自分自身が稼げなかった。つまり、得意とする先行逃げ切りのパターンに相手を巻き込むことができなかったんです。じゃあ、なぜ得点で先行できなかったのかというと、ズバリ、マシンスペックによるボーナスが少なかったこと。岸田姉選手の「S2000」は祭田選手の「CR-X」と比較して、「速度」で通常効果の、「馬力」で2倍効果の圧倒的優勢を与え、「旋回」で優勢を獲得という関係にありました。また走り屋ランクでひとつ劣勢ですので、数字差が+1あるカードを出しても引き分けにされてしまいます。従って、「旋回」でスペックによる+1修正を受けられても、それが得点に繋がるケースはないということです。これが今回、岸田姉選手の得点力を、さらに減衰させた形になったというわけですね。
加奈子:それが彼女の敗因だと?
石田:そうです。でもそれは岸田姉選手の責任ではありません。今回のケースでは負けた彼女の側に原因を求めるより、そうした鉄壁の守りを力業でぶち破った祭田選手の攻撃力を褒め称えるべきでしょう。
加奈子:ありがとうございます。それではそろそろ、次のバトルに目を向けたいと思います。