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2ndバトル:南場ミホ vs 花里立矢

加奈子:それでは、第2戦目の組み合わせを発表したいと思います。


************************************


名前:南場なんば ミホ

性別:女性

誕生日:1976年3月22日


タイプ:才能

ランク:6

外向的/内向的:4

大胆/慎重:3

理性/感情:7

楽観的/悲観的:4

背丈:160前半

体型:

容貌:好印象

財布:(4)/0

職業:専業主婦

地元:愛知県・見晴峠

特記:


●個人能力値

身体:6 知性:8 人格:8


●一般技能

威圧:1 交流:1 家事:1


●専門技能

機械:1


●バトルスタイル

チャンピオン


●車両データ

MIHO&RYOTA スターレット/4A-G改

チューニングレベル:Ⅴ

セッティング:ストリート

駆動方式:FR

車両ランク:XL

速度:4 馬力:2 旋回:②


************************************


名前:花里はなさと 立矢たつや

性別:男性

誕生日:1993年12月25日


タイプ:努力

ランク:4

外向的/内向的:5

大胆/慎重:7

理性/感情:2

楽観的/悲観的:6

背丈:170後半

体型:

容貌:美形

財布:6/0

職業:旅館経営(見習い)

地元:岡山県・芦羽山スカイライン

特記:


●個人能力値

身体:8 知性:8 人格:8


●一般技能

運動:1 威圧:① 交流:1 家事:2


●専門技能

商売:1 欺瞞:1


●バトルスタイル

パーシヴァル


●車両データ

DB-42 GRスープラ

チューニングレベル:Ⅰ

セッティング:電子制御

駆動方式:FR

車両ランク:SH

速度:7 馬力:9 旋回:③


************************************


加奈子:それでは石田さんに、今回のバトルについて解説をお願いしたいと思います。石田さん、今回のバトル、ズバリどちらが有利でしょう?


石田:そうですね。腕前だけで考えるなら、五分に近いのではないかと思われます。


加奈子:五分ですか。その根拠は?


石田:どちらにも、相手を圧倒するだけの優位性がないからです。まず花里選手のバトルスタイル「パーシヴァル」ですが、これは相手の出したカードを表にしたあとで再提出させるものです。


加奈子:はい。


石田:その上で再提出するカードの数字を現行のカードより大きいものにするのか小さいものにするのかを指定することができます。これにより、勝率を高くしたり損害を少なくすることが可能となります。


加奈子:かなり強力なバトルスタイルだと思えるのですが?


石田:確かに強力なバトルスタイルだと思います。ですが同時に、このバトルスタイルは積極的に点数を取りに行くバトルスタイルでないことも確かです。


加奈子:それはいったいどういうことなのでしょう?


石田:そうですね。わかりやすく説明しますと、花里選手が10のカードを出したとき、相手側がKのカードを出してきた。当然、花里選手は「パーシヴァル」の効果を発動させて、「それより小さなカードを出し直せ」と指示するでしょう。


加奈子:そうですね。そのとおりだと思います。


石田:でもこの場合、花里選手は自分の手札を公開した形で、相手のジャッジを待つ形となります。すなわち相手側は、花里選手が10のカードを使用することを前提として、より効果的なカードを使用することができるというわけです。


加奈子:それはつまり──


石田:別のカードで勝てないのなら、手札の中で一番小さなカードを出してくるでしょうね。そして、交換させられたKのカードは、失われることなく別の機会に使用される。「パーシヴァル」というバトルスタイルは、ラウンドに勝つためのものというよりは、むしろ自分の出したカードを無駄にしないためのバトルスタイルなんですよ。もっと具体的に言うなら、9・10あたりの、強めのカードを負けさせないようにする能力とでも申しましょうか。


加奈子:なんとなくわかりました。要するに、相手側の強いカードを撃破するためのものではない、ということですね?


石田:そのとおりです。少なくとも攻撃的なバトルスタイルではないということです。


加奈子:南場選手の「チャンピオン」も、明らかにその方向に振ったものですね。


石田:はい。南場選手の持つバトルスタイル「チャンピオン」は、自分の出したカードを半分の確率で引き分けにできる能力を持ちます。このバトルスタイルは、弱いカードを出した時に発動されることがほとんどでしょう。二分の一の割合で、確率の高い敗北が引き分けへと変化するのですから、それも当然の行いです。


加奈子:わかります。


石田:花里選手の「パーシヴァル」が強めのカードを無駄使いしないためのバトルスタイルであるとするなら、南場選手の「チャンピオン」は弱いカードで失点しないようにするためのバトルスタイルだということができます。


加奈子:なるほど。


石田:どちらもまあ、受動的な能力ではありますね。現実に例えるとしたら、対戦相手の背後について、じっとその隙を伺うタイプの戦い方と言えましょうか。ですから今回のバトルは、カウンター狙いのボクサーが互いの隙を狙い合う、そんな展開になると思います。


加奈子:解説ありがとうございます。では率直に、今回の勝敗をどのように予想なさいますか?


石田:3-2で花里選手。もしかしたら、4-1になるかもしれません。


加奈子:その根拠は?


石田:花里選手の「パーシヴァル」は、南場選手の「チャンピオン」を出し直しの指示により拒絶できる可能性を持ちます。ですが、南場選手はこれに匹敵するような影響力を花里選手に与えられません。ダウンヒルバトルなので南場選手は「旋回」による圧倒的優勢を2倍効果で獲得しているものの、「馬力」による圧倒的優勢を花里選手側に与えています。ランクの方は南場選手が有利なのですが、これもクルマのスペック差で補いが付いてしまっています。もちろん、カード配分の偏りによって有利不利は傾くことでしょうが、それでもあえてどちらが有利かを決めるなら、ボクは花里選手が有利だと思いますね。ただし、ひとたび硬直した展開が崩れるとそれを挽回するのはどちらが相手でも難しいと思いますので、南場選手が勝ち越す可能性も決して低くはありません。数字にするなら、65対35ってところでしょうかね。


加奈子:ありがとうございます。ではこれより、対戦結果の方を確認したいと思います。


 ◆◆◆


 南場ミホ:1-4:花里立矢


 ◆◆◆


加奈子:今回は予想的中ですね、石田さん。


石田:予想以上の接戦でした。特に最終戦で魅せた南場選手のラストスパートは真に素晴らしかった。


加奈子:花里選手があと17点でゴールしてしまうという状態で、しかも自分がゴールするまで74点が必要という場面。そこから立て続けの旋回戦で大逆転です。


石田:手札にも恵まれましたが、運を引っ張り込んだ粘りの走りが功を奏したと言えるでしょう。


加奈子:粘りの走り、ですか。確かにそうですね。


石田:ええ。性能で勝る花里選手の「GRスープラ」相手に旧車の域に達しているKP-61型「スターレット」で挑んで1勝4敗。バトルスタイル「チャンピオン」の効果を存分に生かして失点を最小にしつつ、自分の得意な「旋回」ラウンドでの一気得点を狙う戦術。実に見事でした。


加奈子:それでも勝ち越せなかったのは、やはりマシンスペックの問題でしょうか?


石田:それは確実にあります。特に「馬力」ラウンドで圧倒的優勢を食らうのは痛かった。でも要因はそれだけじゃないですね。


加奈子:と、言いますと?


石田:花里選手のバトルスタイル「パーシヴァル」への対応がいささか不味かったな~って場面が、ちらほら見受けられたからです。


加奈子:よろしければ説明を。


石田:はい。南場選手は自分が圧倒的優勢を得られる「旋回」ラウンドにおいて、考えなしに大きなカードを出してしまうケースが、とても多かったように見受けられたのです。


加奈子:それのどこに問題が?


石田:南場選手が大きなカードを出してきて、その結果として花里選手がラウンドを落とすことになってしまうなら、花里選手はバトルスタイルを用いて、カードの出し直しを要求してくるに決まっているではないですか。


加奈子:あ!


石田:そうなると、手札の残り枚数によっては、負けるカードをわざわざ出さざるを得ない場面も出てくるでしょう。もし南場選手が花里選手のバトルスタイル使用を十分に考えた上で提出するカードを決めていたのなら、いくつかのラウンドを追加で取れていたかもしれません。そうなったら、接戦続きだった今回の対戦、1勝4敗が2勝3敗か3勝2敗ぐらいに化けた可能性は十分あったと思いますよ。


加奈子:なるほど。


石田:それを防ぐために、あらかじめ弱いカードをバトルスタイル「チャンピオン」の使用と合わせて使い切ってしまうというのも、ひとつの手だったかもしれません。最終戦の逆転勝利は、その流れで呼び込んだ面もありますしね。まあ過ぎたことを言っても仕方ないので、南場選手はそのことを次回以降の参考にしてもらいたいと思います。


加奈子:解説ありがとうございます。それではそろそろ、次のバトルに目を向けたいと思います。

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