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1stバトル:壬生翔一郎 vs 大地翔&此ノ崎未知

山本加奈子(以後、加奈子):はじめまして、みなさん。私、このたび当「最強走り屋決定戦」の司会進行を務めさせていただくことになりました、チーム「ロスヴァイセ」の山本加奈子と申します。で、こちらの方が──


石田昌行(以後、石田):今回解説役を務めさせていただきます、本ゲームのシステムデザイナー兼アマチュア作家の石田昌行と申します。どうぞ、ごひいきに。


加奈子:ではさっそく、第1戦目の組み合わせを発表いたします。


************************************


名前:壬生みぶ 翔一郎しょういちろう

性別:男性

誕生日:1980年2月17日


タイプ:才能

ランク:8

外向的/内向的:6

大胆/慎重:8

理性/感情:3

楽観的/悲観的:7

背丈:180前半

体型:

容貌:平凡

財布:5/6

職業:市役所職員

地元:葦原県・八神街道/チーム・ミッドナイトウルブス

特記:


●個人能力値

身体:7 知性:9 人格:8


●一般技能

運動:1 教養:1 推理:2 家事:②


●専門技能

機械:1 欺瞞:1


●バトルスタイル

オーバーロード


●車両データ

GRB インプレッサWRX

チューニングレベル:Ⅲ

セッティング:ジムカーナ

駆動方式:4WD

車両ランク:H

速度:7 馬力:9 旋回:0


************************************


名前:大地だいち しょう

性別:男性

誕生日:1977年5月25日


タイプ:一般人

ランク:③

外向的/内向的:6

大胆/慎重:6

理性/感情:4

楽観的/悲観的:5

背丈:170前半

体型:

容貌:好印象

財布:1/①

職業:フリーター

地元:

特記:二重人格(興奮すると別の自分が目覚める)


●個人能力値

身体:7 知性:7 人格:7


●一般技能

運動:1 教養:① 交流:1 家事:1


●専門技能

欺瞞:1


●バトルスタイル

ガネーシャ


●車両データ

C-50 スーパーカブ50・MY95

チューニングレベル:Ⅰ

セッティング:ストリート

駆動方式:FR

車両ランク:MS

速度:⑰ 馬力:⑯ 旋回:⑱


************************************


名前:此ノ崎(このさき) 未知みち

性別:女性

誕生日:1978年10月23日


タイプ:対戦

ランク:1

外向的/内向的:1

大胆/慎重:4

理性/感情:6

楽観的/悲観的:3

背丈:150後半

体型:

容貌:好印象

財布:(3)/3

職業:タクシードライバー(手伝い)

地元:

特記:


●個人能力値

身体:6 知性:6 人格:8


●一般技能

威圧:① 教養:① 交流:1 家事:1


●専門技能

商売:1 欺瞞:① 演出:1


●バトルスタイル

スーパーノヴァ


●車両データ

GX-100 マークⅡ・グランデ

チューニングレベル:Ⅰ

セッティング:ストリート

駆動方式:FR

車両ランク:M

速度:2 馬力:1 旋回:②


************************************


加奈子:なお、大地選手と此ノ崎選手は、コンビでのエントリーとなっています。それぞれの役割は、ドライバーが此ノ先選手、ナビゲーターが大地選手です。


石田:初戦でいきなり、優勝候補同士の激突となりましたね。


加奈子:えっ? 優勝候補、ですか?


石田:何かご不満でも?


加奈子:いやだって、ランク8の壬生さんなら優勝候補っていうのもわかりますよ。でも、此ノ崎選手はランクも1でクルマも低性能なタクシーじゃないですか。いくら主人公キャラでも優勝候補っていうのは、さすがに持ち上げすぎかと。


石田:フッ、これだから素人は。登場作品中最速を謳われてるキャラクターは、ゲームシステム上でも速いに決まってるじゃないですか。もしそうなってなかったら、ゲームとして問題ありですよ。


加奈子:それは確かにそうなんですが……


石田:納得いってないご様子ですね。仕方ありません。そんなあなたにもわかりやすく、その理由って奴を説明させていただきましょう。まず初めに、山本さん。トランプのカードの平均値がいくつになるのかをお伺いします。


加奈子:7ですね。


石田:ご名答。それを踏まえて、すべてのカードが7の数字であるものと仮定してバトルのほうをシミュレートします。此ノ崎選手のバトルスタイル「スーパーノヴァ」は得点を3倍にする能力を持ちます。また同乗者の大地選手は、カードを表にする直前に手札として持つ1枚のカードを追加して出せる、バトルスタイル「ガネーシャ」を持ちます。


加奈子:はい。


石田:つまり、大地選手が「ガネーシャ」の能力を使用した場合、カードの数字が14となり、高確率で勝利が確定することもおわかりですね?


加奈子:ええ。


石田:では、計算です。此ノ崎選手の「スーパーノヴァ」と大地選手の「ガネーシャ」が同時発動され、そのラウンドに勝利した時、ふたりが獲得できる点数は(14+7)×3-1で62となります。


加奈子:ふたりの出したカードの合計+対戦相手の出したカードの数字-ウェイトハンデのペナルティーですね?


石田:そのとおり。そして一方、対戦相手の獲得できる点数は、該当ターンの残りすべてのラウンドに勝利したとしても、(7+7)×4で56にしかなりません。


加奈子:確かに。


石田:もちろんこれは机上の計算であり、実際は「ジョーカー」による引き分けの強制やカードの偏りによる勝敗の増減など、複数の要素が絡んできます。ですがこのシミュレートだけを見ても、バトルが平均的な推移を辿った時の此ノ崎選手が持つ優位性は、十分理解できるかと思います。


加奈子:なるほど。ということは、今回のバトルも此ノ崎選手の有利に進む、と。


石田:いえ。おそらくですが、4-1、どんなに悪くても3-2で壬生選手が多くの勝ち星を得るでしょう。


加奈子:あの~、いままで力説しておられた此ノ崎選手の優勢とは、いったいなんだったのでしょうか? なぜ壬生さんが有利な展開を得るのか、その根拠をお聞かせください。


石田:ひと言で言えば、マシンスペックです。


加奈子:マシンスペック?


石田:ええ。これまで申し上げたとおり、此ノ崎選手と大地選手のペアは、走り屋として、かなり強力なユニットです。最高の走り屋ランクと相手の出したカードを先に見ることのできる「オーバーロード」のバトルスタイルを持つ壬生選手と比較しても、より優れた実力を備えていると言っていい。


加奈子:はい。


石田:ですが、クルマの差があまりにもあり過ぎます。「速度」性能で通常の、「馬力」性能で2倍効果の圧倒的優勢を奪われる性能差は、残念ながらバトルスタイルによる優勢を覆して余りあるものだと思われます。先のシミュレートに当てはめるなら、壬生選手は「速度」のラウンドで7点、「馬力」のラウンドで7×2=14点の獲得が約束されています。1ターン平均だと35点強ってところですかね。さらに言うと、走り屋ランク差が7つあるのも非常に大きい。カードの後出しが可能な壬生選手のバトルスタイル「オーバーロード」の効果を加味すると、大地選手が「ガネーシャ」を発動しないラウンドで此ノ崎選手が得点するのは、なかなかに難しいでしょう。


加奈子:確かに。


石田:つまり此ノ崎選手側の得点が先にも述べたように62である一方、壬生選手側は、控えめに残りラウンドの半分を得点できたと仮定しても14+14+35で63点プラスできるわけです。これを見るだけでも壬生選手の優勢がわかることと思います。


加奈子:ですが此ノ崎選手も、低確率ではありますが通常ラウンドを取るケースが出てくるのではないでしょうか?


石田:それを言い出すと、壬生選手が「ガネーシャ」発動ラウンドを無効化する可能性だってありますよ。壬生選手が手元にKのカードを持っていたら、合計20までのカードは引き分けに持って行かれてしまうんですから。


加奈子:なるほど。


石田:もちろん、今回のバトルが壬生選手の必勝というわけではありません。カードの偏りその他によって、落とすバトルだってあるでしょう。ですが、そのパターンを考慮してもまだ、壬生選手の優勢は動かないんじゃないかっていうのが、ボクの今回の予想となります。


加奈子:ありがとうございます。それではここで、実際の対戦結果をお知らせしたいと思います。


 ◆◆◆


壬生翔一郎:5-0:此ノ崎未知&大地翔


 ◆◆◆


加奈子:あ~、石田さんの予想が外れましたね。


石田:予想以上にクルマのスペック差が大きかったと言えるでしょう。


加奈子:そうですね。5戦中2戦が壬生選手のぶっちぎりで決着しました。


石田:ランク差で引き分けにしたラウンドにおいても、壬生選手が圧倒的優勢で得点できたのが大きかったですね。特に出したカードの2倍が加算される「馬力」ラウンドの影響が決定的でした。此ノ崎選手も頑張ってはいたんですが、大地選手のカードが小さい時、何度も「ガネーシャ」+「スーパーノヴァ」を潰されたのが致命的でしたね。


加奈子:合計値が20だった時も、高確率で壬生選手の手札にKが含まれていました。


石田:不運だったと言ってしまえばそのとおりなのでしょうが、結局はクルマとドライバーの総合力、つまり地力の差が物を言ったとも評し得ます。ただ相性が悪かったというのは否めなかったかもしれません。もしクルマの性能差がこれほどでなければ壬生選手の得点はもっと少なくなったでしょうし、走り屋ランクの差がもっと少なければ、此ノ崎選手も通常ラウンドでもっと得点できていたかもしれません。そうなれば、勝敗の行方は、はるかに予断を許さないものになったでしょう。少なくとも、壬生選手の150点優勢は起きなかった可能性が高いです。


加奈子:「オーバーロード」でカードを後出しされなければ、「ガネーシャ」+「スーパーノヴァ」ももっと炸裂してたでしょうしね。


石田:ですね。でも勝負事にタラレバはありません。此ノ崎選手には、今後の発憤を期待しましょう。


加奈子:それではそろそろ、次のバトルに目を向けたいと思います。

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