獲得
竜巻の中に突然飛び込んだ乙型羅号。
「自ら死を選ぶとは。今頃は風の刃でズタズタに…」
ガルーダは竜巻の見上げ言葉を飲み込んだ。
なぜなら普通にビックリ驚いたから。
「なぜお前がそんな所にいる!?」
ウィズもガルーダの声につられて竜巻の上を見ると、そこには乙型羅号がたっていた。
「いや、竜巻の上に立つって…」
空を飛んでいるガルーダより高い場所で腕組みをし見下ろす乙型羅号。
「我を見下ろすなっ!!さっさと竜巻から降りろっ!」
「取り敢えず欲しい物の1つは頂いたので、もーあなたは用済みです。降りろと言うなら降りますが貴方も一緒にどーですか?」
乙型羅号は竜巻から跳び降りながら風の刃を飛ばしガルーダの翼を切断し地面に着地した。
「なっ!?くそっ!!お前も風魔法が使えたのかっ!?」
落下しながらガルーダは悔しそうに乙型羅号を睨む。翼を失ったガルーダは少し遅れて顔面から地面に落ちた。
竜巻はガルーダの意識から外れたせいか、突然不規則に暴れ出し近くにあった岩を巻き上げ手当たり次第に吹き飛ばすと静かに消えた。
「使えた。ではなく正しくは貴方のお陰で使えるようになった。と言った方が正確てすね」
「どーいう事だっ!?」
ガルーダはすぐに起き上がろうとしたがすでに乙型羅号が馬乗りになっていた。
「説明する時間が惜しいので、すみませんがそれにはお答えし兼ねます」
乙型羅号はガルーダの質問を拒否するとすぐに顔面、胸部そして肘と膝を殴りに殴り破壊した。
ガルーダは嘴を折られ、目を潰されさらには胸は凹み、四肢に至っては曲がってはいけない方向に曲げられ瀕死状態となった。
それをみて乙型羅号はウィズに声をかける。
「ふぅー…まーこんなもんですかね…主様ーっ!生きてますかー?」
「あぁ…なんとか…正直岩が飛んできた時は死ぬかと思ったけどな…」
竜巻で飛ばされてきた岩をどかしウィズが這い出てきながら返事をした。
「無事でなにより。では、そろそろお願いしまーす」
「…なにをだよ」
ウィズは乙型羅号に近づくとガルーダにとどめを刺すように指示された。
「なんで俺が?乙型羅号が仕留めればいーのに」
「主様が自分の世界を手に入れるのに必要な事なので。ささっ!サクッとやっちゃって下さい!」
ほっといても死ぬであろうガルーダを哀れんだ目で見るウィズだったが、相手は言葉を話し見た目も人型ではあるが結局は魔物。
殺されかけた事を考えると躊躇する意味もないと判断し首元に剣を振り下ろし切断した。
「人間…に…負けるとは…とは無念…」
「お見事っ!さー。剥ぎ取り、剥ぎ取り!」
楽しそうに踊りながら器用に爪を使い色々剥ぎ始めた乙型羅号。
嘴と爪、目と羽に加えガルーダが装備していた。
・暴風の杖
・賢者の指輪
そして、体内の心臓部から
・大きめの魔石
「だいぶ動いたせいか、お腹減ったのでこの魔石は食べてもいーですか?」
「どーぞご自由に…」
「有難き幸せ…ではついでなので剣もおかりしますね」
「えっ?」
「では、いただきます…バリボリ、ムシャムシャ」
大きめの魔石と一緒に杖と指輪も口の中に放り込む。
ついでにウィズが持っていた剣も一緒に口の中に入れ飲み込んだ。
「体内の全てを解析。解析完了。続いて再構築を開始…再構築を完了。モゴモゴ…ぷぇっ!」
乙型羅号は剣と指輪を吐き出した。
「これは主様がお使い下さい!」
吐き出したばかりの剣と指輪をウィズに差し出す。
ウィズに、手渡した剣は飲み込む前の物とは多少形が変わり、指輪もゴツくて輝いていたのから質素な感じになっていた。
「お前は何をしたんだ?」
「ちょっとばかり剣に杖と魔石の魔力的要素を付加し…」
自分のした事を事細かにウィズに説明したが、ウィズは全く理解できなかった。
「えー…主様?聞いてますか?」
「もっと簡単に説明できないか?」
「はぁー。もー少し主様はお勉強が必要ですね」
「いーから教えろよっ!」
「つまり、剣に杖と魔石をグッとぶち込んでガガッと作り直したんですよ」
グッやらガガッやら意味不明な擬音を使われたがよーは、改良したと言う事をウィズは理解した。
「指輪は?なんかただの鉄の輪にしか見えないけど」
「見た目豪華な指輪なんて争いのもとですからね。効果はそのままついでに風の加護を付与して質素に作り直しました。効果は身に着けたらわかりますので。ささっ!」
乙型羅号の胃袋?から出てきたばかりなので最初は断ってみたけど私の中が汚いとでもと散々文句を言われたので渋々身につけるウィズ。
「何か変わった…?」
「間違いなく今までとは違いますよ。では風の加護の力を体験してもらいますね」
乙型羅号はウィズから離れ構える。
「それでは第1球…サイクロンをーー…投げました!!」
突然ウィズに向けて小さな竜巻を乙型羅号放った。
「お前っ!?それはヤバいやつ!……ん?」
竜巻はウィズに直撃する前にそよ風となって吹き抜けた。
「当然です。暴風障壁が発動したのである程度の魔法をしてくれます。風魔法に至ってはほぼ無効化してくれる優れものです。はい」
「凄いじゃないか!」
「喜んで頂きありがとうございます。続いて元々の効果を試してみますか?」
「これだけじゃないのか?」
「今の暴風壁は杖の効果を付与した力。この指輪本来の効果ではありません」
「その効果とは?」
「さらに魔力量の増加と魔法強化が可能となっております」
「へー……って魔法なんて使えないんですけど」
「それはおいおいどーにかなるでしょ」
「どーにかなるの?」
「さぁー。主様次第ですかね」
乙型羅号は再びウィズに近づく。
それを見たウィズは身構えて乙型羅号を凝視する。
「何をなさっているのですか?」
「また、とんでもないことするんじゃないかと思って…」
「馬鹿な事を言わないで下さい!!まったく」
乙型羅号は不満気味に落ちている剣を取りウィズに手渡す。
「この剣を持って…軽っ!!」
「効果は発揮されてるようですね。風属性補正によってあた重量が約83%カット、切れ味が1256%ほど増しております」
「軽すぎて違和感しかないけど」
「とりあえず試しに一振りしてみてください」
乙型羅号は足元にあった石を指差した。
「これを切ればいーのか?」
ウィズは刃こぼれしないよーに手加減して石に剣を振り下ろす。
「サクッ」
「マジか…」
ウィズが石に剣を当てると石はバターのように簡単に斬れた。
「本物の石だよな?」
ウィズは斬ったばかりの石を手に取り確かめるが紛れもなくそれはただの石だった。
「同然そーなりますよね。斬れ味が10倍以上になっているのですから。…ってあれ?」
「いや、これ怖過ぎでしょ!間違って自分に当たりでもしたら即致命傷じゃないか!」
「主様は本当にお馬鹿さんですね…私がそんな物騒な物を与える訳ないじゃないですか。先程の説明聞いてました?」
「聞いてたよ」
「なら風魔法を無効化してくれる指輪をはめてるのだからウィズ様に剣が当たったとして風属性補正は無効化されて普通の斬れ味になるに決まっているじゃないですか」
「そー言われたら、そーかも」
「そーなんです!」
剣を一振りするとウィズは地面に手をついた。
突然体から力が抜け立つ事すら出来なくなった。
「大丈夫ですか?」
「ただの立ち眩みだから大丈夫だよ」
「多分、魔力を使った事がない体が微量とは言え風属性補のために魔力を放出したせいでしょう。一時的な物ですからすぐに慣れますよ!ファイトです主様っ!」
「それを先に言っておいて欲しかったな…でも魔法が使えるなんて」
「それは魔法じゃないですよ」
「違うの!?」
「主様の微々たる魔力を剣の風属性補正を発動させる為に強制的に吸わせただけなので、自分の意思で発動させたのとは違いますからね」
「なーんだ、それは残念」
「顔色悪いですけど本当に大丈夫ですか?」
「大丈夫だから。けどちょっと休んでからここを出てもいーか…な?」
「その程度の魔力消費で体調を崩すとは。仕方ありませんね」
苦笑いしながらウィズは乙型羅号に提案しそのまま意識を失った。
「ゆっくりお休みください」
眠りについたウィズを確認すると乙型羅号は胸元から1枚の紙を取り出し地面に座ると、何やら記入し始めたのだった。
末サボもちゃんと書きます!
嘘つきな猫です。
こっちのほうに最近力を入れてかいてますが、両方頑張りますので今後ともよろしくお願いします!( ・ ̫・)わら
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