暗闇
オーリスをサボって編集中(笑)
明後日が試験だというのに、、、。
「旅する前にまずはここから脱出しないとだから…」
ウィズがそー乙型羅号に言い終えるとタイミングを計ったように松明の火が消えた。
「あっ…」
「消えちゃいましたね」
「明かりがないとこんな真っ暗な洞窟、危険すぎて進みようがない…どーしよ…」
「主様、明かりがあればいいのでしょうか?」
「光るなら火でも何でもいいんだけどあるのか?」
「お任せ下さい。…フラッシュモードっ!」
乙型羅号は光輝いた。
「うわぁっ!眩しぃっ!」
「私の光で主様の行く末をてらしましょう」
「いやっ!眩し過ぎて目すら開けられないからっ!むしろ前が見えなくなった!!」
「我儘な主様ですね。…弱ライトモード」
乙型羅号は体を光らせるのをやめ、眼だけを光らせウィズの足元を照らした。
「最初からそれくらいでよかったのに…暗闇に目が慣れ始めていたのに目の前であんなに激しく光られたらどーなるかわかるだろっ!?」
「私の目をあの程度の光ごときでどーこーなるわけがないので」
「そーですか…。とりあえず光があれば後は元来た道を戻るだけだからなんとかなるか」
実際はなんとかならなかった。
それから半日ウィズは洞窟内を彷徨ったのだ。
「出口がわからないっ!なんか同じ所をグルグルしてるよーな…」
「主様…お忙しいところ申し訳ないのですがそろそろエネルギー不足のようです」
乙型羅号の光が弱くなっていき、片目の光が完全に消えた。
「主様の魔力を頂いていたのですがそろそろ枯渇しそうなので、これ以上このモードを維持するには主様の生命力を頂く事になりますがよろしいですか?」
「どーりでなんか体が怠いと思った」
「それはただの体力不足。たんに歩き疲れただけかと。なんでも私のせいにしないで下さい」
「そーですか…すみませんでした。それと生命力とか吸われるのちょっと怖いからやめてくれるとたすかるんだけど…駄目かな?」
「それでは代わりのエネルギーになる物を頂けますか?」
「えーとっ。乙型羅号さんのエネルギーってなに?普通の食糧でいいのか?でも、食べ物なんて今、持ってないけど」
「さん付けなんてしないでくださらなくて大丈夫です。とりあえず水晶や宝石、鉱石などがあると助かります。魔石が1番嬉しいのですが」
「んーー。…命には変えられないか」
ウィズは勿体ないと思いながらもこのまま左腕から色々吸われるよりはマシと考え、先ほど取った鉱石と水晶を乙型羅号に渡す。
「今、手が離せないので口の中に放り込んで下さると助かります」
「はいはい…」
乙型羅号の指示通りに鉱石や水晶を口の中に放り込む。
「バリボリッ!、バリボリッ!」
乙型羅号は口の中で鉱石と水晶を噛み砕き、そしてゴクリッと飲み込んだ。
「ふぅー。まぁーまぁー美味しゅうございました。これでしばらくは動けます。では、よいしょっと」
乙型羅号はウィズの左腕から手を離し目の前に正座した。
「これからお世話しますが、お世話になりますのでどーぞ宜しくお願い致します!」
人形は三つ指ついてウィズに頭を下げた。
「お世話するのにお世話になる??それより頭なんて下げなくて…あれっ?」
ウィズは立ち上がると突然軽い目眩がして、地面に片膝を突いた。
「魔力枯渇による、軽度の目眩が発生」
説明されなくても自分の体なのだから何が起っているのかは分かる。
乙型羅号に言われ通りにウィズは目眩が治まるまでその場で休む事にした。
ついでにその時間を使って乙型羅号と色々話してみた。
「ところで乙型羅号は具体的には、何を手伝ってくれるんだ?」
「そうですね。可能な限り主様の望むことをお手伝い致します」
「あいまいだなぁー。なら相談だけど、俺はここを脱出したら何をすればいいと思う?」
乙型羅号に意思がある以上、この魔道具にもそれなりに目的があるはずと、ウィズはまだこの魔道具をそれほど信用してはいなかった。
「それは当然、主様の気の赴くままですよ」
ウィズはそーゆー答えが欲しかったのではないがとりあえず頷き、納得したふりをした。
「ちなみに、主様は現状に満足されているのでしょうか?」
「今の生活に満足はしていないが納得はしている」
「その程度の納得でしたら、いっそ新たな自分の可能性に挑戦してみては如何でしょうか?」
「可能性?俺の?」
「はい。主様は新たな一歩を踏み出すのです」
「新たな一歩と言われても、具体的に何をしろと?」
「まずは、現在のお仕事は何をなされているのですか?」
「仕事?みんなの手伝いとかー。今日みたいに洞窟に入って宝さがしとか?」
「なるほど。冒険者又はトレジャーハンターということですね」
「いや…それほど立派な仕事ではないけどね…何でも屋って言った方があってるかも」
「何でも屋?なかなか面白い冗談だと思います。ナイスボケ…っと言いたい所ですが、なんですかその職業。主様は阿呆ですか?」
「阿保でもボケてるつもりもないよ。ただの事実ですけど…なら俺はどうすればいいんだ?」
「主様、こちらをご覧下さい」
魔道具は懐から一枚の用紙を取り出し説明をはじめる。
「こんなのどこから出した?」
「知らない事が幸せな事もあります」
「そうですか」
紙にはいくつもの棒状の図形と右肩上がりの波打つ線、そしていくつもの数字が書かれている。
そこには利益だの成長率だの説明されてもよく分からない言葉も沢山書かれていた。
「簡潔に説明してくれると助かるんだけど。乙型羅号は何が言いたいんだ?」
「一言で言いますと、豊かになるのです。そして最終的にたどり着くのは・・・『自分の世界』です」
つまり…何に?
まったく具体的なビジョンが見えてこない。
「正直、色々思うとこはあると思いますが、目指すべきは高き目標の頂き。道標は私が」
「乙型羅号さんが道標ですか…」
「では主様に質問です。主様はどんな世界を望まれますか?そしてその世界で何を望みますか?」
「望みと言われても?・・・。普通なら世界平和とかだろうけど、よくわからない」
「なるほど」
答えになっていない答えで満足してくれたのでそれ以上は面倒なので触れずにおこう。
それから乙型羅号から色々注文があった。
アレしてもいいか?
これしてもいいか?
アレが必要だ!
これも必要だ!
許可を。
許可を、許可を、許可、許可、許可って!!
何回許可出せば済むんだ!
「なんでもいいから勝手にしてくれ。全部任せる・・・ごめん。もう、疲れた」
「では、ちょっと左腕いいですか?」
「また何かするのか?」
「よいしょっと。では…全行程ALLクリア。自己学習を継続。自己判断機能追加、機能向上、新機能追加の許可を受諾。更新を開始・・・・更新完了まで9時間2分15秒。全行程確認後最終確認を開始。最終確認後に再起動を設定。全機能の停止の許可を受諾。機能停止まで3・・・2・・1・0。スリープモードに移行。おやすみなさいzzzz」
「乙型羅号さん?」
「・・・・・・・・」
壊れたように動かなくな。、完全に寝ているようだ。
「おーーーい。もしもーし…」
「・・・・・・・・」
勝手に喋って、勝手に黙る。
振り回されるこちらの身にもなってくれと思いながらウィズはジッと左腕を見つめ、これからの事を考えるのだった。
試験勉強ほったらかしの
嘘つきな猫です。
電車の通学中だけで編集してるのでまったくおいついてません。(°_°)
試験が終わってからちゃんとやります!
オーリスの事も忘れないで下さい!
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