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核動力自己成長型生物兵器乙型羅号は制御できない。  作者: 嘘つきな猫
第2章 旅立ちと成長
20/22

誰かに似た何か

お久しぶりです。

「さー牛、ご飯だぞー」


コアラは牛に買ってきた牛肉をあげる。


「それって共喰いでは…」


ウィズはコアラに尋ねた。


「いーんですよ。元々デーモンカウは雑食ですし、草を食わせるよりこちらの方が効率的なので」


「ところで、あの人達は大丈夫だろうか?」

「ん?先程の新人潰しですか?」

「他に誰を心配するんだよ」

「大丈夫ですよ、命を取った訳じゃないですし。ちょっとボコボコに骨の2、3本折ってやっただけですので。それにちゃんと治療薬(小)も1本置いてきましたし問題ないかと」

「1本で治るレベルを遥かに超えてる気が…」

「漢は細かい事気にしてはいけません。過ぎた事はさっさと忘れるが吉です」

「えぇー…」

「そんな事より、報酬が無事貰えてよかったですね」

「なんか知らないけどF級からD級にも上がったみたいで何とかお金には困らなくてすみそうで安心したよ」


ウィズは久々に安堵の表情を浮かべた。


「明日からもっと上の危険…厳しい…やりごたえのある依頼に挑戦してみましょう!」

「言い方変えただけで騙されると思うなよコアラ!受付の人も十分気をつけて下さいって言っていただろ!」

「その言葉の意味としては自分の実力を勘違いしないで慎重に行動して下さいって意味なのでウィズ様の実力ならあと2つ上の依頼でも十分やっていけると私は思いますけど」

「…そうなのか?」

「当然です、何しろ私が鍛えているのですから!!」

「確かに…コアラにそう言われるとそんな気がしないでもないのはなんでだろう…」


ウィズの感覚が少しずつだが確実にコアラによってズレてきている。

それを知ってか知らずかコアラはニヤリとウィズに背を向け笑ったのだった。


「さて、牛にも餌を与えましたしこれからどうなされますか?」

「どうって…特に何も」

「そうですか、なら依頼を」

「待て待て待て!」

「はい?」

「いやいや、さっき帰って来たばかりなのにまた行くのか!?お金もあるのに!?」

「はぁー…」


深い溜息と愚痴がコアラの口から溢れる。


「あのですね、我々はその日暮らしをするためにここにいるのですか?違うでしょ!前々から言おうと思っていたのですがご自身で気づいてもらえればと我慢して来ましたが今日は言わせていただきます!」


「なんか変なモードに入った…」


コアラはウィズの向上心のなさ、無欲な態度、優しさの履き違えを口が酸っぱくなるほどウィズにぶつけた。


「ですから!」

「あー!もー!わかったって!俺が悪かったから!」

「ご理解して頂けたようで何よりです」


おっ、意外と適当に話を合わせるだけで収まってくれた。


「なんて、思っていないでしょうね」


コアラが目を細めウィズを睨む。


「思ってない、思ってない…」


コイツ、俺の心を読む機能とかないよな…。


「ありませんよ」

「…えっ」


「ほら次の依頼にいきますよ!」


ウィズの脚を掴んで引きずるコアラ。


「ちょっ!わかったから!歩く!自分で歩くから!」


再び依頼を探すウィズとコアラ。


「目ぼしい物は取られてしまって残ってるのは雑用みたいなのと高難易度の依頼だけですね」

「なら今日は無し…」

「にはなりません」

「はい…」


「おっこれなんてどうですか?」


《怪魚シーラカンの捕獲》

・期間 (1週間以内)

・目的 (祭壇への貢ぎ物として生捕り)

・報酬 (金貨50枚)

・推奨(A級10名以上)


「本気で言ってないよなコアラさん?」

「私はいつでも本気です」

「さっきこなした依頼から3つも上だし人数足りてないし!ちゃんと文字読めてます!?」


「漢はドーンとっです!」

「俺の命がドーンと弾けるわ!」

「まぁまぁ、いざとなれば陸に逃げればいいだけの事ですよ。魚なんですから」

「確かに…陸に逃げれば大丈夫と言われたら…」

「力仕事なら牛に任せれば問題無いかと」

「…うーん」

「はい、決まりですね!」

「まだ悩んで…」

「悩んでる時点で多少は大丈夫や可能性があるって事です」

「確かにそうだけど…」


ウィズはまたしてもコアラに丸め込まれそうになる。


「ただ…こっちの依頼が気になるのは何故だろう」

「どれですか?」


コアラは左隅に小さく貼られた依頼にめを凝らした。


《謎の生物!?》

・期間 (当日のみ)

・目的 (噂の調査)

・報酬 (金貨1枚)

・推奨(特になし)


「なんですかこれ?」

「知らないけどなんか気になってて」

「…なるほど」

「何かわかったのか!?」

「いえ、全然」

「なんだよ!」

「確かに期間も短くて休憩がてらお小遣い稼ぎなら割といいかましれませんね」

「だろ!よしこれにしよ!」

「ちょっ…ウィズ様!」


今回はコアラの意見を無視するウィズ。

決してコアラの握っている依頼書から逃げたい訳では無い。


と、思う。


「あのー、これ受けてもいいですか?」

「本当にこちらでいいのでしょうか?」


受付の方がこちらを見ている。

ジーっと見ている。

依頼書に目を向けて再びこちらを見ている。


「依頼書はコレで間違いないですか?」


受付の人が2度確認してきた。


「ダメでした?」

「いえ、依頼を受理しました。ではこちらがその依頼に関する資料です」


去り際になんか嫌な声をかけられるウィズ。


「一応言っておきますが一切の責任をこちらでは負う事はできないので悪しからず。それでは」


何とも事務的な言葉だが、色んな意味を含んでいそうだ…。


「何か楽しそうな依頼ですね!」


何故かコアラが楽しそうに鼻歌を歌っている。

ウィズは思う。

この時点で嫌な予感しかないと。

そんな事を思いながらウィズは資料に目を通す。


「んー…結局どう言う事なのだろう」


資料とは名ばかりの見た、聞いた、出会った、などの情報が箇条書きでまとめられ地図にその印が書き込まれているだけ。


「そのなんかよく分からない相手を見つけて正体を把握して報告すればよいのでは?」

「なるほど。でも見つけたとしてその証拠をどう説明したらいいんだ?」

「さー。それは私の管轄外なので。とりあえず調査してみましょう!」


コアラはウィズの左腕に登り前方を指差した。


「核動力自己成長型生物兵器乙型羅号、withウィズ、目的を殱滅する!」

「いや、殱滅はしないから…」

「細かいことは気にしないでちゃっちゃと歩く!!」


コアラに促されままウィズは発進する。


「とりあえず見たって報告のある場所に行ってみようか」

「いやいや、まずは情報の確認でしょ。調査の鉄則その1、相手からの言葉を鵜呑みにするな。自分で確認して初めてそれは情報となる。ですよ!」


「なるほど。ってその姿はなんですか?」


左腕のコアラは茶色い帽子に茶色いコート、右手には虫眼鏡を準備していた。


「雰囲気作りの一環なので気にせずどーぞ」


なお、コアラが姿を変えたところで認識阻害によって周りの人間には全く見えてはいません。



最初の目撃場所に到着した途端、時間は起きたのだった。



こちらも手を抜かずに行きたいのですが仕事優先になってしまってます。


嘘つきな猫です。


とりあえず途中退場しないようにがんばります!

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