猛進
お久しぶりです。
ウィズが村を出てすでに3日が過ぎた。
「そうです!相手から目を離さず素早く回り込み一撃で致命傷を負わせる!…チッ。タイミングが半歩遅いって」
「舌打ちしたの聞こえてるからな!」
「そうそう。動きだけでなく周りの音にも注意して立ち回っているよーでなによりです」
ウィズはコアラの指導の下、魔物と戦っていた。
今日の相手はソルジャーアント。
集団で行動し自分より大きな獲物でも襲い掛かり骨までも餌として巣に持ち帰る獰猛な昆虫型の魔物。
その外骨格は鉄並みに硬く動きも素早い。
顎の力も強く人間が挟まれたら簡単に体は真っ二つにされてしまう。
そんな相手が目の前に沢山。
「後ろに廻り込まれましたよ!正面だけでなくきちんと後方にも注意をして下さい!」
「わかってるけど数が多すぎないか!?」
「そうですね。25匹はちょっと多かったですかね?でもこれ以上の相手と戦う時もあるだろうし今回は仕方ないですよ」
「仕方ないってなに!?」
「無駄口叩いてる暇があったら相手の隙をつかないと死んでしまいますよ。少しは牛を見習ってもらいたいものですね」
仲間になった牛がソルジャーアントに角を突き刺し突進を繰り返していた。
正面にいる相手は吹き飛ばし倒れた所を踏みつけ、後方から襲ってくる場合は後ろ脚で蹴り上げ頭や胴体を粉砕して致命傷を負わせる。
魔物としての格が違う以上この程度の相手はデーモンカウの敵にすらならない。
「ウィズ様!お手伝いいたします!」
デーモンカウがウィズとソルジャーアントの間に入る。
「何してんだボケ!」
デーモンカウの横っ腹をコアラが蹴飛ばした。
「痛っ!!」
「まったく。そんな助けになんか入ったらウィズ様が楽するだけでしょうが!」
「そこは楽させてよ!」
「ウィズ様。楽して得た物なんてすぐに忘れて身につきません。何事も苦労してこそ身に付き自分自身の力となるのです。今はその力を付けるための訓練!言わばウィズ様の今後を考えた私の優しさと思って死に物狂いで頑張って下さい。そのために剣も普通のを使わせているんですから」
「本気で死にそうになってるから!」
「それだけ声が出せるならまだまだいけますね。おい、牛!もう少し手ごたえのありそうな相手を探してきてくれないか?そーだな強そうな相手なら誰でもいいですよ」
「わかりましたー!」
デーモンカウは去って行った。
「さっ!残り14匹気合を入れて殺っちゃいましょうー!」
それからウィズは2時間ほど死に物狂いでソルジャーアントと戦った。
「ほらね!ウィズ様はやればできるお方なのですよ!危なっかしい所はまだまだありましたけどそれは今後の課題として今日はこれでいいでしょう。と言いたいところですが…」
コアラは倒れたウィズに拍手を送る。
「死ぬー。本気で死ぬー」
息遣い荒く地面に大の字になっているウィズ。
その周りには25体のソルジャーアント。
「キッ…キッー!!」
胴体が切断されているソルジャーアントが倒れているウィズに向かって飛び掛かった。
「テイッ!!…グシャッ」
コアラはウィズに飛び掛かったソルジャーアントの頭を鷲掴みにし握りつぶした。
「油断大敵ですね。昆虫型の魔物は生命力が強いので体を2つに切断されても少しの間は生きていられるのでご注意下さい」
「それは先に言って…」
「何事も身をもって体験して頂かないと。百聞一見になんたらですよ」
「絶対俺、そのうち…死ぬと思うんだよね…」
「私がいるので安心してピンチ、瀕死、絶望的状況を存分に味わってください」
「最近益々、コアラがいる時点で絶望な気がしてきた」
「なんて!失礼な!!!!」
ウィズの体力の回復を待って1人と1体は食事する。
「今日は野菜と牛筋を一緒に煮込んだ物です」
「うまっ!コアラはどっからこんな食べ物の調理法を憶えたんだよ」
「さぁー?覚えているとしか言いようがないですね」
「ところでアイツはどこ行ったんだ?近くには見えないけど」
「あぁー。忘れてました。強そうな相手を探して来いと命じてまだ帰ってきていないようですね」
「ほかの魔物に殺されてるとかしてないよね…」
「その時はその時ですよ」
「いやいや、そんな仲間を見捨てるようなことはできないって!」
ウィズは立ち上がり牛の後を追おうとしたがどこに向かったのかすらわからないので追いようがなかった。
「そんなに気になるなら探しに行きますか?」
「探しに行けるの?」
「当然です。牛の魔力は覚えているのである程度の距離までならどこにいるのかくらいはわかりますよ」
「探知までできるとか凄いな…」
「ウィズ様が逃げようとしても地の果てまで追っていくための能力ですけどね」
「……マジか」
「えぇー。マジです」
驚愕と諦めが一気にウィズを襲った。
「さっ、牛を迎えに行きましょうか」
牛を追って東方向に向かう。
しばらく夜道を歩きるく。
森の中の夜は小さな虫の音と風が吹き抜け木々が揺れる音しかしない。
「静かってのも中々不気味だな」
「洞窟の中よりはマシだとおもいますけど?」
「そー言われたら確かに」
「おや?牛が帰ってきたみたいですが…なんだか様子が変ですけど」
遠くから地響きが近づいてくるのが伝わってくる。
ウィズには暗くてよくは見えなかったがどーやら犯人は牛らしい。
「おーい!牛ー!こっちだ…後ろに何かいないか?」
「どーやら強い相手を連れて来たみたいですね」
かなり牛が近づいて来たことでよーやく地響きの正体がわかった。
牛の後ろには牛の大きさを遥かに超える大きな何かが迫っていたのが。
「あぁー。これはヤバイですね」
「ヤバイってなにが?」
「アレは倒すのは今のウィズ様には無理だと思います。無理と言うか確実に死にます」
コアラはウィズに死の宣告をした。
「牛はどーなるんだよ!?」
「食われて餌になるんですかね?」
「なに冷静にこたえてるんだよ!?」
「事実ですし」
「助けないと!」
「ウィズ様では無理ですって!」
「いや、コアラ。お前が助けるんだよ!」
「私が?なんで?」
「お前が強い相手を探してこいって言ったんじゃないか!!」
「あぁー。そーでしたっけ?」
「そーだよ!!俺はちゃんと聞いていたからな!!」
「はいはい。やればいーんでしょ。やれば」
コアラは面倒くさそうにウィズの左腕から降りた。
「あれはウィズ様!なぜこんなところなの!?」
牛がウィズ達に気がついた。
「ウィズ様ー!!お逃げくださいーー!!」
牛がウィズとコアラに向けて叫ぶ。
「やっぱりアレはやばいですね」
コアラもその危険を確認し確信。
コアラは逃げた。
ウィズもそれに釣られて牛に背を向け走った!
「コアラがなんとかするんじゃなかったの!?」
「そー言えばそーでした。勢いと流れでなんとなく逃げてしまいました。すみみませんウィズ様。それでは気を取直してやっちゃいますか」
コアラが立ち止まり振り返る。
「牛はそのままウィズ様を拾ってそのまま走り抜けろ」
「わかりましたっ!!」
牛はウィズと合流すると背中に乗せ猛ダッシュで逃げた。
「よくもまぁーこんな相手を見つけて来たものだ。ねー、ドラゴンさん」
ドラゴンはコアラに向けて大きな口を開けた。
久しぶり過ぎて内容忘れかけました笑
嘘つきな猫です。
実習が終わったのでこっちも少しずつ書いていく予定です!
末サボ共々暇な時にでも読んで貰えれば幸いです笑
今後とも宜しくお願いしまーす!




