帰宅
盗賊の男は顔を腫らしながらよーやく意識を取り戻した。
「ほほわとこ?わたひはたれ?」
若干の記憶障害を起こしていたがコアラは気にしない。
「さぁー!アジトの場所を吐けっ!!ぶち殺すぞわれ!!」
盗賊の胸元を掴み激しく前後に揺さぶる。
「コアラっ!落ち着けって!相手は瀕死なんだからっ!」
「悪党に与える慈悲なんてこれっぽちも私には無いのですが、ウィズ様がそこまで言うなら」
ようやくコアラは盗賊から離れた。
「なんか他の人達は逃げて行ったみたいですけどどーしますか?」
「悪かった!悪気はないんだ!」
「この人もこー言ってる事だし許して…」
「ウィズ様!人を殺そうとしていたのに悪気がない訳ないでしょ。お人好しもいー加減にして下さい。むしろ無ければ無いで悪気があって人を殺そうとするよりも問題があると思われます。なので殺しましょう。悪即滅deth!」
「なんでもやるから命だけは助けてくれっ!」
「ウィズ様の命を狙っておいてそんな都合のいい話があると思うなよ。お前はここで死ぬ事がbest!」
コアラは鋭い爪を男に突き立てる。
「本気で殺すのか!?」
「こんな相手は殺しておいた方が世の為、人の為だと私は断言いたします!」
「確かに。変に恨まれて村を襲われでもしたらたまったもんじゃない…か。かと言って殺してしまうのもな…」
「その甘さがいずれピンチを招いてもしりませんよ。仕方ないですね。でしたらいい案がありますけどどーします?」
「いい案?」
コアラは懐からコインが先に付いた紐を1本取り出すと盗賊の目の前でそれをゆっくりと左右に振り始めた。
「あなたはだんだん眠くなーる。眠くて眠くて瞼がどんどん下がってきまーす。リラックス、リラックス…私が3つ数を数えたら完全に夢の中にはいりまーす。それでは…3、2、1、…はいっ!」
盗賊の男はガクンっと目を閉じ倒れた。
「おいっ!?コアラは何をしたっ?魔法か!?」
「こんなの相手に大事な魔力をつかえませんよ。特に何かしたわけではないのですが、強いて言えばただの暗示ですかね?」
「コアラはよくわからない技も使えるんだな。それでその術使ってどーするんだ?」
「まぁー見てて下さい」
コアラは再び紐を揺らし始めた。
「あなたは今夢の中にいます。その夢の中では質問されたらどーしても答えたくなっていきまーす。それと嘘はつけませーん。あなたは早く質問されたくてウズウズが止まらなくなーる。なーる。なーる」
男は目を覚ましのたうちまわり叫ぶ。
「答えなければ…答えを言わなければ…」
「あなたのアジトはどこですかー?答えたーい。答えたーい」
「私のアジトは向こうの山、アンティオ山の奥にあるセメット王国近くの森、ウィッチマーク森林の洞窟…」
「だそうです。ウィズ様」
「だそうですと言われても、行ったことも聞いたこともないし…それよりその男は大丈夫なの?」
男は虚ろな目でよだれを垂らしながら地面だけを見つめていた。
「行ってみたらわかる。ですかね?まぁー特に急ぎの用事も今後の目標もウィズ様には無さそうなので行ってみてはどーでしょうか?」
「それは検討するとして、この男はほっといても大丈夫なんだよな?」
「そーですね。とりあえず悪いことをしよーなんて考える事もできないよーにしときましょーか。それなら問題ないでしょ」
「それならいーけど…。それでこの後この男はどーなるんだ?」
「そこもお任せください」
コアラは再び紐を揺らす。
「お前はこれから真面目に生きる。罪を憎み悪を滅ぼす。これからは正義に命を捧げて生きたーくなーる。よし!消えろ!」
「あぁー私は…なんて事を今までして来たんだ!おー、神よ!どーかこんな私に道を示したまえ!」
男は両手を合わせ太陽を見上げた。
「こいつもこれからは心を入れ替えて生きていくと思います」
「そーみたいだな。一応命令しとくけど。頼むから…俺にはそれを使わないでくれよ…」
「ハッハハハハ」
コアラは笑って返事をしながら男達に全員に暗示をかけていく。
暗示を掛け終わると糸を切り男達を解放すると男達は笑顔でどこかに帰って行った。
「ウィズ様、片付きましたよー」
「よし。さっさと帰るか!マリーさんやドッタさんが心配してるだろーし」
「ウィズ様のご両親様ですか?」
「違うけど…似たようなものかな?」
「おぉー。それではご挨拶をしなくては!」
「頼むから余計な事をしないでくれよ…」
「何を心配されているのかよくわかりませんが、了解しました!」
そう言ってコアラはウィズの左腕に飛び着く。
「えっ?また俺の腕に居座る気なのか?」
「居座るとは人聞きが悪い。ここは私のHOMEです」
「命吸ったりしないよな?」
「自分の主人を殺してどーするんですか。まったく」
とりあえず左腕から剥がそうとしたが案の定無理だった。
特に重さも感じないのでウィズは左腕にコアラを取り憑かせたまま村へと帰った。
「おーい」
ウィズは遠くに見えたマリーさんに手を振りながら声をかける。
「ウィズ!ウィズなのかい!?」
マリーさんが大声をあげて近づくウィズを抱きしめた。
「何日も返って来なかったから心配したんだからね!」
「すみません。ちょっと洞窟で迷子になったり色々してしまって…」
「生きて帰ってきたらそれだけでいーんだよ!」
マリーはウィズを強く抱きしめた。
「ちょうど旦那がお前を探しにいこうと仲間を集めてたとこだったんだよ」
「マリー!ウィズが帰ってきたのか!!?」
ドッタが村の仲間と一緒にウィズとマリーに近づいて来た。
ドッタはいつもの農作業や狩に行く格好とは違い厚革の鎧を装備し歴戦の猛者の風格を漂わせていた。
「ドッタさん。その格好…」
「あーこれか?昔の昔に使ってた物を引っ張り出してきてな!もー着ることはないと思ってたんだが」
革がだいぶ引っ張られはち切れんばかりに伸び、留め具が悲鳴をあげているのがわかる。
「無事に帰ってきてくれてよかった。マリーが毎日心配しててな。よかった…」
「痛いですよ…」
ドッタはウィズを抱きしめているマリーごとウィズを抱きしめた。
「ウィズ様。この方達がウィズ様の?」
「違うけど、そーだよ」
「そーですか。それではご挨拶さつしないといけま…」
「さー腹が減ってるだろ?帰って飯を食おう!!」
コアラが腕から離れるより先にドッタがウィズの肩を叩いて背中を押した。
「さー!飯だ!飯!よーやく酒が飲める!」
マリーはドッタの喜びの声を聞き呆れた顔で笑った。
家に着くといつものよーにマリーは台所でご飯を豪快に作り始め、ドッタはグラスに酒を注ぐ。
「本当、無事でよかった…」
ドッタの目に薄っすらと涙がみえた。
「何泣いてんのさ!そんなに酒が飲みたかったのかい!」
台所ころから少しだけ震えたマリーの声に対し。
「ウィズが居なくなってから禁酒になったからな。よーやくうまい酒が飲める!」
酒が飲めるから涙がでたのではなく、ウィズが無事だった事が嬉しくてなんて照れ臭くて言えないドッタの気持ちをマリーは分かっていた。
もちろんウィズもそれはわかっていたが何も言わなかった。
料理ができ皆んながテーブルに座りウィズの無事を祝って乾杯をしよーとした時だった。
「それじゃーウィズが無事に帰宅した事を祝って!乾…」
「おほんっ。えー。皆さま。お集まりいただいたよーなので!」
コアラが認識阻害を解き、ウィズの左肩によじ登り姿を現したのだった。
遅すぎますね。
本当、テストやらレポートやらの山をどうにかしたい!
実習始まったらますます書けないのに!
末サボと同時に書くのやめておけばよかったと後悔しても後の祭り。
嘘つきな猫です。
でも頑張ります!卒業までは!
という事で今後ともよろしくお願いしまーす(^O^)




