巻頭 近衛決起趣意書
近衛蹶起趣意書
謹んで惟るに我が神国たる所以は、万世一系たる帝主陛下御統帥の下、挙国一体生々化育を遂げ、遂に八紘一宇を完うするの国体に存す。
此の国体の尊厳秀絶は帝祖建国より帝国再統一を経て益々体制を整へ、長きに渡る先大戦の終結を以て、今や方に万邦へ向つて開顕進展を遂ぐべきの秋なり。
然るに 頃来遂に不定凶悪の徒蔟出して私心我慾を恣にし至尊絶対の尊厳を藐視し僭上之れ働き万民の生々化育を阻碍して塗炭の痛苦を呻吟せしめ、臣民の暮らし日を逐うて逼迫す、所謂元老、重臣、軍閥、財閥等は此の国体破壊の元凶なり。
先大戦、並びにその終戦後に於いても統帥権干犯兵馬大権の僭窃を図り、或いは財閥等と利害相結んで陰謀至らざるなき等は最も等しき事例にしてその滔天の罪悪は流血憤怒真に譬へ難き所なり。
而して奸賊は万里征途へ殉死捨身の奉公に身を投じ、又、終戦来神国再興に尽力す臣民を尚虐げ、些かの懺悔反省もなく然も依然として私権自慾に居って苟且偸安を事とせり。
民心を蔑み、外脅に備えぬは祖宗遺垂の神国を一擲破滅に堕とせしむは火を賭るよりも明らかなり。内外真に重大危急今にして国体破壊の不義不臣を誅戮し、御稜威を遮り御維新を阻止し来れる奸賊を芟除するに非ずして帝謨を一空せん。君側の奸臣軍賊を斬除して彼の中枢を粉砕するは我ら近衛の任として能くなすべし。
臣子たり股肱たるの絶対道を今にして尽くさずんば破滅沈淪を飜すに由なし、茲に同憂同志機を一にして蹶起し奸賊を誅滅して大義を正し国体の擁護開顕に肝脳を竭し以て神国赤子の微衷を献ぜんとす。
帝神帝宗の神霊冀くば照覧冥助を垂れ給わんことを!
帝紀二千六百七年八月十五日
近衛大尉 真辺センイチ
外同志一同
取り合えず、雰囲気さえ伝わっていれば、意味は分からなくても問題ないです。




