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テンプレチート転生最強剣士、平賀桐人は今日も征く  作者: †闇夜に浮かぶ漆黒の平賀桐人†
2章 女神、それは見守るもの
22/24

11.平賀桐人、神に会えない

申し訳ない。リアルの事情で1日遅れとなります。


 ――数日前。神殿某所にて。


 その日、アダマス神殿近衛騎士ラム・"スレッツォルド"・リステスは夜間警備を終えたばかりだった。朝方の引継ぎが終わり、後は家に帰って寝るだけだと通路を歩いていたところ、そいつを見つけた。

 黒曜石(オブシディアン)のような色の髪と同じ色の瞳と腰だめの剣鞘、そして何かを探しているかのようなしかめっ面の精悍な少年だった。


(道にでも迷ったのか……? あーでも声かけるのめんどくせえなぁ)


 ラムは無駄が嫌いだ。どうせこの先には聖女様の寝所しかない。あの場所には何人たりとも――近衛騎士であるラムですらも――近づけないので、特に問題はないはずだ。だが、ここで声をかけないと後々面倒なことになるかもしれない。今の自分の体調と睡眠欲、仕事を担っている義務感をそれぞれ秤にかけた結果、彼は少年に声をかけることに決めた。このあたりが彼が同僚からなんだかんだ不良になり切れない真面目な騎士と言われている所以なのだが、本人に自覚はない。


「おーい、少年。どっから入ってきた?」

「……ん、なんだおっさん」

「おっさ!? ……まあいいけどよ……お前こんなとこで何してんだ? 道にでも迷ったか?」


 ラム・リステス。無精ひげを生やしているが、おっさんと呼ばれるとちょっと傷つく世代である。


「迷ったと言えばそうなるな。ここは何処だ。この神殿複雑すぎて意味が分からん……というか、なんか空間が歪んでないか? 俺の認知を欺くのは並大抵のことではないが、現実的な空間を変容させることなら問題はない。つまりここを歩く条件はある一定のマーカーを所持しているものだけ。それを持ったうえで適切な手順で歩けるやつがまともな道を進めるということになる。要するに俺には帰り方も進み方もわからん」


 その通りだった。その通りであるがゆえに、ラムは警戒を高めた。

 なるほど、確かにこの少年は道に迷っているのだろう。しかし、先ほどとは全く意味合いが違う。ここまで歩いてきて道に迷ったと言って、誰が『空間が歪んでいる』などといった感想を持つだろうか。それは彼が神秘に触れている証拠。彼は望んでここへやってきたのだ。だとするなら、そんな彼はなぜこの先へ進もうというのか? 何のために? ――決まっている。この先の聖女様の寝所へ向かうためだ。


「ははは、すげえな少年。その年で一端の魔法使いみてえなこと言うんだな。何もんだよマジで」

「目線が露骨すぎるぞ神殿騎士。()()()()()()()()()()


 瞬間、ラムは投げ飛ばされた。否、投げ飛ばされたわけではない。いつの間にか彼と立ち位置が変わっており、重力に引っ張られて()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()


「……ッ!? がぁ! くっそが!!」


 なんだこれは。一体何が起こった。何がどうやったら人が右から左に落ちていくことになるのだ。そんなあり得ない現象を起こしたあいつは何者なんだ。もしかしたら、強力な魔族――いや、あの伝説の魔王が蘇ったというのか。


 カツン、カツン、と石畳に反響する音。あの男が近づいてくる。


「ほう。目星はついていたが、やはりこの回廊の先にあったか。ここは女神アダマスの寝所で間違いはないな? いや答えなくてもいいよ。俺にはわかっている」

「てめえ!」


 水平に落ちていったラムは、ある所から急に下に重力を感じ始めて床に叩きつけられながら何度も跳ねて止まった。顔を上げるといつの間にか寝所の扉の前にあの男が立っていた。まずい、奴の狙いは確実にあの中の聖女様だ。間に合うか? 否、間に合わせるしかないのだ。そう自分自身に言い聞かせると、祈りを捧げる。


 ――これは聖戦である。我が御霊、我が献身、我が祈り、御身に捧げ奉る。

 ――これは聖戦である。我が眼前の敵よ、いざ打ち砕かれん。

 ――これは聖戦である。大地を護りしアダマスよ、其が神威を預け給う。

 ――ああ、故に。これは聖戦である!!


「顕現せよ! 神槍・エンスレッツォルドッ!!」


 ラムが喚ぶと大地が盛り上がり、破裂するように割り裂き神槍が飛び出す。そしてそのままの勢いで下手人と思わしき男へと空を貫くかのように飛んでいく。大の男ほどもある長さと鉄鎧すら紙のように引き裂く穂先、それに神槍の兵士数人を吹き飛ばすほどの質量だ、確実に胴体が消し飛ぶだろう。事実、それは少年の身体にぶち当たり、


「残念、虚像だ」


 何事もなかったかのように通り抜けて寝所の扉へと向かい弾かれてしまった。


「恐み畏み白します。御禊祓へ給ひし時に生り坐せる祓戸の大神等、諸諸の禍事、罪、穢有らむをば祓へ給ひ清め給へと白す事、恐み畏み白します」

「は……?」

「禊ぎだよ。祓詞(はらえことば)さ。まあ、あまり理解はできないとは思うが、要するに俺にとって邪魔なもの、害あるものを不純として寄せ付けないように祓う、それがこの術式の特徴であり唯一の効力」

「な、ん……? 禊ぎだぁ? 聞いたことねえなそんなもん」

「だろうな。これは元々神道に属する概念だ。それが現代になり人々の認識がずれてしまい、様々なものと同一視されている概念になってしまったが。天社土御門神道と呼ばれる流派は陰陽道・神道の流れを汲むため、今では『祓い』自体の概念も変わってきてしまっている。だからこそ俺はそこに限定した概念と解釈を与えることによって、このフィールドを成立させることができるようになったんだが」


 何言ってんだこいつ、と思った。いきなり謎の言語を話したかと思えば魔法の概念の講釈を垂れ始める。暗殺者かと思えば魔法学校の教師のような一面をのぞかせた不気味な相手だ。まるで中身に何人か同居しているかのような不安定さ。


 狂人か。ラムは断定する。幾人もの犯罪者を相手取ってきたラムから見たところ、完全に自分の世界を構築している狂人だと言えよう。こういう手合いには論理的な説得など効きやしないというのが経験則だ。囲んで転がして頭に槍を一突き。それで終わり。これだけ戦闘音がすれば他の神殿近衛兵もやってくるだろう、それを待ってこいつを仕留めればいい。


「ああ、時間稼ぎは無駄だ。お前以外の兵士には眠ってもらったからな。これで楽に突破できると思っていたが、まあそんなわけもなかったか」

「――――は。くそ、が……ッ!」


 読まれていた。狂人ではないのか? いや、それよりもこいつの言葉自体が問題だ。はったりかもしれないが、『ラム以外の』と付け加えられては考慮しないわけにもいかない。厄介な手合いだった。


「わからなかったか? 理解できなかったか? いいや、お前はできたはずだ。それをしなかったのはお前の怠慢であり、俺の隠蔽がお前を上回っただけのこと。十二天将・虚実剣大陰」


 いつの間に抜いたのか、相手は出会った時から抜かなかった剣を初めて抜剣し、するりとよどみなく振られたその刀身に映るのはあざ笑うかのような少年の顔。


(……まて。なにかがおかしい。どうしてか、こいつの動作が不自然に思えてくる……?)


 牽制のつもりか、少年がその場で剣を振るうがここに届くことはない。と、そこまで考えた瞬間に長年培ってきた防衛本能が身体を動かす。倒れこむように前へ飛びながらひゅんと空気の鳴く音に顔を向けると、そこには剣を振り切った体制の少年がいた。


(うっそだろ……!? さっきまでそこにいたじゃねえか!?)


 否。ラムの明晰な頭脳にはすでに答えが出ていた。


「虚像……つまりお前は最初から扉の前にはいなかった!」

「その通り、正解だ。ようやく気付けたか?」


(そうだ! よくよく考えてみれば最初からおかしかったんだ! ここは神殿騎士以外が出入りできないようになっている神殿の奥部、つまりこいつはその護りを突破してきたってことになりやがる! 付け加えるなら出会った時の格好もおかしかった! クソ、これがあいつの言う隠蔽ってことか!?)


 思い起こせば少年とラムの出会った時、その時すでに彼は腰だめに帯剣していた。ここは神殿の奥部のさらに最奥、聖女の眠る寝所である。もちろんそのようなことは許されるわけがない。同じ神殿近衛騎士ならまだしも、相手はどこの馬の骨とも知れぬ侵入者だ。見つかればその場で叩き潰されるのが当たり前のはずだった。


「っち、適当に相手できるもんでもねえか。来い、エンスレッツォルド!」

「やる気になってくれたかな? じゃあこちらも行こうか。お前を倒して堂々と女神に会いに行こうじゃないか」









 天井を走り回る影、静かに這いよる闇色の腕、突然足との境界があいまいになる地面……それら全てが虚であり実である。影が降ってくれば凶刃を露わに襲い掛かり、腕に掴まれれば呪いにより焼けただれ、地面に埋もれる足は認識してしまえば動けなくなってしまう。ラムはその攻撃をできるだけ視界に入れないように立ち回り、足を取られてもいいようにその場から動かずに対処していた。


(くそ! なんだこれは! こんな意味の分からない魔法があるのか!? ()()()()()()()()()()()()()()()……ありえないだろうが!!)


 そう胸中で毒づいても結果は変わらない。そう、この不可解な事象はラムの認識によって起こっているのだ。実際には走り回る影などいないし、闇色の腕なんて這いよるわけがないし、地面は突然足と混ざることなどない。当然だ。だが、その当然の認識を書き換えてしまったらどうなるのだろうか?


 プラシーボ効果、という言葉がある。例えば、熱した鉄の棒を目隠しした人間に近づけ、「今からこれを腕に当てる」と前置きしたうえでただの鉄の棒を当てると、実際にその部分に血液凝固が起こることがある。人体の思い込み作用がそのような変化を起こさせているのだ。

 平賀桐人による――正確には虚実剣大陰による――不自然な(フェノメノン)自然現象(パラノーマル)はこの思い込みを操ることにより、世界と自分の区別をなくしてしまう。つまり、キリト自身が世界と同調し、「走り回る影」や「這いよる闇の腕」が実際に存在すると世界自体に認識させる。そして実際にそれらを生み出させるのだ。これを見た相手がどう思うかは相手の反応によるが、相手はこの生み出されたものがどのようなものなのかは全く知らないため、似たようなものを引き合いに出して能力を想定していく。世界と相手の区別があいまいになっている今、そのような想像は世界にダイレクトに反映されてしまい、生み出された冒涜的なものの能力を決定づけてしまうのだ。相手が想定している能力が強力であればあるほど力を増して相手自身に襲いかかる。特に人間のような高度な知能を持つ敵に対してよく効力を発揮する嫌らしい魔術だった。


 だが、歴戦の兵士はその程度では崩れない。


「主よ、我が献身を捧げ給う!」


 聖句を唱えることにより身体能力を一時的に上昇。迫りくる敵を薙ぎ払い蹴散らしていく。元々ラムの戦闘スタイルは専守防衛型だ。扉の前に立ちふさがり、群がる敵を対処していくのは得意な戦闘だった。


(とは言え……こうしているだけじゃああの男には勝てねえ。何とか隙を突いて殺しに行くしかねえな。理想は一撃離脱で頭を一刺しってところか。それまでは様子見だ。戦闘が硬直すればあいつは必ず焦る。仲間はあんなやつに簡単に殺されたりしねえ。希望的観測だが、戦闘音を聞きつけて援軍が来ることも考えられる。ま、要するに体力勝負ってぇことだな)


「っち、流石に雑魚じゃ無理だな」

「おやおやその程度か? 俺ぁ別に全然かまわないぜ? 一日でも、一週間でも、ひと月だろうと耐えてみせる。この槍にかけてな」

「………………よびおこせ、悍ましき声(クリーピーハウル)


 ずぷり、と黒い犬のような悍ましい何かが現れる。犬のように見えたそれは大きな鳥にも見えるし、いくつかの頭を持った狡猾な猿のようにも見える。そんな悍ましい何かを見たラムは思わず後ずさりしそうになってしまったが、何とか恐怖を食い殺して耐えた。しかし、


「ッ! ば、化け物がァ…………!!」


 化け物が、吠える。


「■!!―☆./―――●×▽aneg℃□■□ianpina◎△☆engk★;amduDDDDDDaornamk@[/\]/@klvL/f★※̻̻◇gjAO+ham :mqpt j[゛゜――!!」

「ぐ、ぅあ゛あああああああああああ!?!?」


 それだけで目が回り、平衡感覚が失われる。途端に気分があまりにも悪くなり、その場で嘔吐してしまう。更にはどうして自分がいま生きているのかわからず、この場のすべてを破壊しつくしたい衝動に囚われてしまった。殺さなくてはならない。聖女を守らなくてはならない。破壊しなくてはならない。聖女を破壊しなければならない。俺を殺さなくてはならない。そう頭の中身をぐちゃぐちゃにシェイクされて追い詰められていた。


 これはマインドショックと呼ばれる精神に直接作用する攻撃の一種だ。肉体における損傷ではなく魂――アストラルボディに傷をつける効果がある。魔術師の常套手段と言えよう。今回はキリトの想像した冒涜的な何かに、声を聞いた者のアストラルボディに何らかの障害を起こすという能力を付与させたのだ。むろん、魔術的な防御が固まっているキリトには何の痛痒もなく、無防備な相手の正気を失わせることしかできない。だが、この場には最も適した攻撃の一つであることは間違いないだろう。


「主よ!! どうか我を守り給え!!」


 状態異常から身体を守護する聖句を唱えると、ラムの身体に光が満ちていく。先ほどまで苛んでいた思考も、今となってはどうしてそこまで追い詰められてしまっていたのかわからない。だが、それほどまでにぐちゃぐちゃになった頭をまとめている中で考えたことはただ一つ。


(こいつは今ここで殺さなきゃならねえ。こんな悍ましいものを操る奴が人間なわけがない! こいつは人類の――いやさ、生物すべての敵だ!)


 ――この数日後にも同じことをある女神から思われるのだが、キリト自身は人類の守護者であり救世主であると思っているのは余談だ。


「おいおい……こいつを耐えるのか? だいぶひどい精神攻撃(マインドショック)だったはずなんだが……お前ホントに人間かよ?」

「はぁ!? こっちのセリフだろうがそれは! そんな化け物呼び出しやがって、てめえこそ人間な訳ねえだろうがこのクソ魔族が!」

「あぁ? いやこれはただの魔術なんだが……まあいい。試練ってのはいつもよくわからんもんだが、今回のこれは分かりやすくていい。つまりお前を倒せば女神アダマスへの謁見が可能なんだろ? やってやるさ」

「…………何言ってんだかさっぱりだよ!!」








 それからの攻防は熾烈を極めた。迫りくる闇を切り裂く槍、虚実を交えて襲い来る剣、冒涜的な姿の存在すら不明瞭な化け物、大地を隆起させ構築される簡易な要塞、大悪魔すら調伏せしめる神槍の一撃…………単騎で軍を消し飛ばせるような二人の技の応酬はいつまでも続くかのように思われた。しかし、魔術というものに初めて触れるラムにはキリトを相手取ることは難しかったのか、遂にはキリトの闇に神槍ごと絡めとられてしまった。


「俺の勝ちだな? 悪いが、通させてもらうぞ」

「くそ……!! それ以上聖女様の寝所へ近づくんじゃねえ!」

「えぇ……俺の勝ちって言ったよね? 試練なんだから命取らなかっただけでも感謝して欲しいところなんだけど……まあいい。通ってしまえばいいだけだからな」


 そう言うと闇色の少年は聖女の寝所への扉に手をかける。それをただ見ているだけしかできていないラムは止めようと叫び、身体に力を入れるが彼を包む拘束は解けることがない。

 そんなラムを見ながら鼻を鳴らした少年は、見せつけるように意気揚々と扉に手をかけた。


 ゴッ!!


「あいたぁー!?」


 扉は開かなかった。


「お、おい! なんだこれ! ふざけるなよ!? これを開けろ! こっちは普通に入ればいいところをお前がよくわからん試練を課すからそれを乗り越えたのに、どういうことだ!!」


 よくわからない理論で切れている少年。それを拘束された状態で見つめているラムには事情が呑み込めていなかった。一体何がしたいのかわからなくなってきた。彼の目的はアダマスを弑することではなかったのか? あの呼びかけからは特に敵意など見当たらなかったし、本当に敵意を抱いているのなら開けろなどと要請をしないだろう。


「おい、何をしている? お前本当に何者なんだ?」

「あ!? ……俺はこの世界の女神アダマスに選ばれし者であり、アダマスに別世界から連れられてきた者、平賀桐人だ。何をしているのかは見てわかるだろう。クソ女神に謁見を申し込んでいるんだよ!」


 別世界。女神アダマスに選ばれし者。それだけ聞ければ想像するのは充分だった。


「勇者……!!」

「ちげーーーーーーよ! 誰がそんなクソみたいなブラックバイトするか! 俺は選ばれた者なの! 救世主だよバーーーカ!!」


 何なんだこいつ。ラムは困惑した! そんなラムをよそに扉を叩いたり叫んだりしているキリト。そんな彼に反応したのか、扉の向こう側からか細く美しい、まだ幼い少女の声が聞こえてきた。これは女神アダマスの声である。神殿近衛騎士のラムは聞く機会があるため、特徴的な女神の声はよく覚えているのだ。


「あのぉ……」

「おい! 開けろ! 俺だ! お前が別の世界から呼び出した平賀桐人だ!」

「ひえぇぇ!? あ、あのそれもあるんですけどぉ……」

「試練は達成した! お前に話を聞く権利はあるはずだ!」

「あわわわわ!? ラムさん負けちゃったんですかぁ!? 思ったより弱っちいですぅ!」

「えっ」


 理不尽だ。自らが呼び出した勇者を、レプリカとは言え神槍を与えた騎士と戦わせるどころか、負けたことに対して弱っちいとかもう噴飯ものではないだろうか。怒りを一周通り越してくる。


「あーえっと、キリトさん? あのですね、カギは女神の力と言いますか……そう! 私以外の女神をここに連れてきていただければすぐにでも開きますよぉ」

「連れてくれば問題ないんだな?」

「え? えぇ。まあ、はい。連れてこられればこの扉は開きますので」

「……わかった。俺としてはこの世界に連れてこられた理由を聞ければ何も問題ないのだが、お前がそこまで言うのなら連れてきてやるよ……!」


 あはは……と力なく笑う声。怒られるのを怖がるような神の声は続いてこう口にした。


「あ、そうそう。近所迷惑なのでちょっと静かにしてくださいね」


 キリトがブチ切れたのは言うまでもなかった。

冒涜的な生物を生み出してたたかう……もしやこいつ魔王では?



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