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テンプレチート転生最強剣士、平賀桐人は今日も征く  作者: †闇夜に浮かぶ漆黒の平賀桐人†
1章 主人公、その立ち位置について
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エピローグ

はい、これにて1章終了です。


またすぐに2章も始まるので、しばらくお待ちくだしあ!

「スンスン。スーハースーハースーーーー。ぢゅっぢゅるるるるるるるるうぅぅぅ!! ぺちゃ、ちゅ、はっはっ、ちゅっちゅっぺちょれろれろれろれろ。んぷふぅーー」


 最悪だ、背中に変態を乗せてしまった。


 やあ、みんな。元気にしてるかな? そう、みんなのヒーロー平賀桐人だよ。

 魔族の襲撃を回避した俺は「もう無理ですぅ! 歩けませぇん!」とかほざくクソガキを渋々背中に乗せてしまった。


 これがイケなかった。


 背中にしがみついたクソガキは、乗った瞬間あり得ない力でしがみついてきて、俺の首筋をペロペロ。ペロペロペロペロペロペロペロペロ……新手の地獄かな?

 この新種のペロリストをどうにか引きはがしたいのだが、こいつ、どうにも身体強化魔法を使っているようでなかなかはがせない。くそったれ! これだから意味の分からないガキの相手は苦手なんだよ!!


「おいやめろ。HA☆NA☆SE!」

「いえ、それはちょっと……」

「ちょっとじゃねえよやめろよ!? 何そこはかとなく困った顔してんだお前! 困ってんのはこっちだよ!! お前の唾液まみれになる俺の首筋の気持ちも考えてみろ!!」

「私のような賢くて可愛い美少女に舐められて首筋も嬉しいのでは? ほら、こんなに泣いて喜んでいますよ!」

「それはお前の涎ぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」


 そんなやり取りをしていたせいか、エルフの村に入った俺は「え、何この人。首筋から得も言われぬアレな臭いさせてるんですけど、通報しよ」みたいな目で見られることになった。すごい……これが針のむしろってやつか。


「おお、帰ったか!! よかった。一時はどうなるかと……なんだ、お前なんか匂うな。くさ……あ、こう言ってはなんだが、我ら耳長はこれでも綺麗好きでな。お前くさ……その……汗もかいただろうし、風呂、入るか?」

「気遣ってる感じでちょこちょこ漏れてるからなその本音ふざけやがって蛮族長め!!」

「お前臭いな」

「ちくしょう遂に言い切りやがったこの人でなし! せっかくあのキングとかいうのも倒したのに台無しだよ!」

「ああ、そう。報告ご苦労。こっちは捕まえた魔族は逃がしてしまったけどな」

「何の役にも立たねえなこいつ……あの吸血鬼の姫様のコトだろ? まああれはいいや。特に問題はなさそうだし」

「そうなのか? アッセムが気にしていたんだが……どうも少し目を離した隙に逃げられたようでな。随分悔しそうな顔をしていたからちょっと面白かった」


 こいつホント性格悪いよな。普通そこは慰めるとかあるだろうに。ホント性格悪いよな!


「で、とりあえずは一見落着となるか」

「……まあな。あんたにも世話になったな、ルル」

「客人をもてなさないなど耳長の品格に関わるからな。我らとしても望むところだったのだよ」


 そこからはいくつか事務的な話をした。刈り取った野菜の配分や寝床の準備など、手配をしてくれていたようだ。まあ、蛮族オブ蛮族とはいえ、仮にも長を名乗るのだからそれくらいはしてくれなければ困るのだが、なんだろう……こいつがまともに仕事しているとちょっと違和感があるというか。


「なんだ、微妙な顔をしているな? まあお前には慣れないかもしれないが、寝床くらいは貸すさ。少しくらいゆっくりしていけ。今日はとんでもない一日だったから、疲労も溜まっているだろうし」

「そう……だな。ではお言葉に甘えて」

「ああ……」


 そう言うルルの顔は浮かない。どういったことだろう。まだ何かあるというのか? いや、もう夜も明けているしこいつが動いていないということは対処しなければならない問題はないということの証左でもあるはず。

 だとしたらなぜこいつはこんな顔をしている?


「どうした? 変な顔だぞ」

「変な顔は余計だ。いや…………耳長の一部、長老会と呼ばれる年寄りどもの集まりからな、少し、まあなんだ。歓迎されてはいないというか……」


 ああ、なんだ()()()()()()。くだらない。そういった人間はどこにいても一定の割合で現れるのが世の常だ。


「はっきり言え。俺が邪魔なんだろ」

「ッチ……そうだよ。お前がいたから我らが里が狙われたという意見が上がっている。本当にクソくだらない意見だ。だが、私が気づいた時にはもう、我らの恩人だというのにお前を追い出す方針に決まってしまっていた。別に抵抗しても構わないんだがな? あいつら人に偉そうに指図するくせに何もしとらんし」


 こいつ……俺をだしにして長老会とかいうのを一掃したいだけでは? まあ、今回は抑えてもらうとしよう。追い出されるというのは癪に障るが、まあ若手に罪悪感を与えたうえで移動できるというのはかなり有利だ。こう言ってはなんだが、今回はその足りない知能に感謝しかないな! やはり蛮族。年をとっても蛮族か。


「別にいい。俺もさっさと出ていくつもりだった」

「なんだ? そんなに耳長の里は性に合わなかったか……?」

「そう心配しなくてもいいところだよ、ここは。だが、俺の役目はここで楽しく暮らすことではない。さしあたっての目的は、魔王とかいう存在の調査だな」


 あの頭の足りない吸血鬼どもから得た情報では、魔王が狡猾で、容赦ない性格であるとしか見抜けなかった。そして、そいつには何らかの方法でアバターを殺害できるほどの戦力があるというところか。これは正直言ってかなりやばい。高位存在を弑することができる存在など、元の世界にもそうはいなかった。俺の知り合いにイプシマス――本物の魔法使いがいたが、そいつが可能といえば可能か。


 まあ、つまり相手にこの俺――女神に選ばれし者である俺とほぼ同等の戦力がいると考えて間違いはない。あまり油断しすぎると足元をすくわれる。警戒は常に必要だ。それに加えて情報収集も、だが。


「魔王、それに勇者か。……おとぎ話の存在が現れるとはなぁ」

「女神が俺を呼んだ。それほどの危機なのだろう」

「そうだな。ところで出立はいつだ?」

「明日だ」

「また随分と急に……行く前にユーフェイに声をかけて行け。あの子が寂しがる」


 ええぇ…………ちょっとやだなあ。だってあいつ俺の首筋めっちゃペロペロしてくるんだもん…………普通にドン引きだよあの子。本当に子どもか? なんかもっと恐ろしい存在とかじゃないのか?


「……………………あんまり会いたくねえなぁ」

「その気持ちはわからんでもないが。今はアッセムと一緒にいるはずだろ? さっさと会ってこい」


 まあ、そうするか。














「私もついていきます」

「できればご遠慮願いたいです、マジで」


 案の定、彼女は俺の旅についてくるとか言い始めた。

 いや、わかっているつもりだ。何故ユーフェイが俺についてくる気なのか、それは――俺の首筋にやられてしまったのだろう。まさかそこまで首筋フェチとは思わなかったが、まあほぼ初対面の俺の首筋をあれだけしゃぶりつくすのだ。彼女の性癖はなかなか度し難いものである。


 わかる。俺もデコルテフェチだしな。命に一日一回は土下座してでもデコルテをマッサージさせてもらっていた。五年かけて育てたデコルテだ。俺好みの素晴らしい肌のハリになだらかな曲線、どこに出しても恥ずかしくないパーフェクトデコルテと言えるだろう。最近は命も色っぽい声をあげてくるからちょっと困るんだが。


 閑話休題、俺の魅惑の首筋が彼女をここまで誘惑しているのは分かっている。だが、ここから先は子供にはつらい道のりだろう。いくら性癖のためと言えどもさすがについてこさせるのはできない。


「ユ「私からも頼む。キリト殿、この子はあまり自分の意見を言わない質でな。私もあまりかまってやれなかったのが悪いのだが……初めてわがままを言ってくれたよ。はは、父親失格かもしれんが、できるだけこの子のわがままを聞いてやりたいのだ」……あ、うん」


 や、やめろよそういうの……俺のセリフに被せてくるなよ……


「だが、こ「私はこれでも魔法使いです。それに、お父さんは家にあまりいませんでしたから、少しは家事もできるつもりです。戦力としては頼りにならないかもしれませんが、それはこれからの旅で磨けばいいだけのこと。これは私自身の成長にもつながると思っています。それにキリトは結構無茶をするように見えました。私という存在があればそこまで無茶もできないでしょう?」……アッハイ」


 結局ついてくることになりました。まあ俺説得も言いくるめも初期値だしな。判定失敗するって。しょうがねえよ、初期値だもん。


 こうして俺は、仲間……エルフのユーフェイを連れ、旅に出ることになった。

 この世界に何が起きているのか、何をすべきなのか、それはまだ、見えない。


 だが、ただ一つ言えることは俺が「世界を救うために女神に選ばれし者」だということ。


 ならば救おう。この俺の力の及ぶ限り、すべてを。





「はぁ、まったく……やれやれ、楽しい旅になりそうだ」


ここまで読んでいただきありがとうございました!


現在の旅の仲間

・平賀桐人

主人公。傲岸不遜で大胆不敵。上から目線で悪役のほうが似合うのにヒーローとかいう謎の男。

デコルテフェチ。


・ユーフェイ

ヒロイン。幼女。汗フェチ。



とりあえず活動報告もあげておきます。

あとはこの下の☆を入れていただくか、感想を書いてくださるとうれしいです!


ではまた2章で!

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