はめられた
さっきまで起きていたはずなのに、とても長い眠りから覚めたような感覚を伴いながら意識が戻った
確かゲームの中にいたはずだけど、思い出したい夢のようにぼんやりとしていて頭の中で映像を流せない
それでもなんとか思い出そうと頭の普段使わないような部位まで意識を巡らせていると、突然光が差し込んできて、冷たい風が顔に当たる
何が起こっているのか、意を決して目を開くと、
「おはよう。気持ち悪くない?」
見慣れた少女が話しかけてきたからおれは黙って頷いた
「圭太君とこっちで会うのは何年振りだろう?」
「3年振りかな」
「そっか、もうそんなに経つのか」
真衣は3年前と違ってとてもしっかりしたよな
あんなに泣きじゃくっていたのが嘘みたいだ
「ほら、感傷に浸ってないで、行くよ!」
真衣に差し出された手を掴んでなんとか卵型の装置から抜け出す
真衣曰く、おれはこの卵みたいな装置の中で半年程寝たきり状態だったらしいが筋肉は衰えるどころか以前よりも大きくなっている気がする
体育館4つ分はあるだだっ広い無機質なsfチックの部屋に卵型の大きな機械がずらずら並んでいて、その中1つ1つに人が入ってると思うとゾッとしてしまう
そんな装置の間を早足で抜けて行って坂本の入った装置へ向かい拾ってスーパーコンピュータのある最下層へと向かう
「なんでスーパーコンピュータのところに行くんですか?」
まだ真衣が先輩だという感覚が抜けないからか坂本は中学生相手に敬語を使っている
「私たちがいた世界はこれから行くスーパーコンピュータの中にあるみたいなものなの。だからスーパーコンピュータを外部と遮断することで敵を他の仮想空間へ逃がさないようにして閉じ込めて、敵の行動を助けている外部のコンピュータを使えなくして弱体化させるためよ」
こちらも相変わらず高校生相手にフランクな口調のままだ
「はあ、わかったようなわかんないような」
似合わない難しい顔をして考える坂本
「そんな考えてる暇ないよ。ほら、これ持って」
どこから取り出したのか、真衣はビームサーベルのような武器を手渡してきた
「それで斬られた相手は感電して気絶するだけだからじゃんじゃん斬っていいよ」
悪魔の笑顔を浮かべる真衣に女子って怖いなとおれたちは思った
「警備が私たちに光線を撃ってくるかもだけどその剣なら弾き返せるからね。食らっちゃうと身体が硬直しちゃうから。じゃあ行くよ」
そう言って俺たちを置いて走り出した真衣は、警備を見つけると大声で
「たすけてえーーーーっ!」
そう叫んだ
あ、これはもしかすると俺たちを悪者に仕立て上げられてしまったのか?
いやまさかそんなこと
「真衣様どうしたんですか?!」
「あっちに武器を持った男が2人いたの!」
「なにっ?!おい行くぞっ」
会話はよく聞こえなかったが、警備員が2人鬼の形相でこちらにやって来るところを見ると、これははめられたようだ
これはゲームよりずっと難しい戦いになりそうだ




