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開幕

「お待たせしました。では早速闘っていただきましょうか」


仮面の男が現れそう言うと突然ワープさせられた


部屋の景観などは変わりはないが、先ほどまで何百人もいた男子たちがほとんどいなくなり、この部屋には10数名ばかりしかいなかった


よくよく見てみるとどいつもこいつも見覚えのある奴ばかりだと思ったら皆クラスメイトであった


「これ、5組じゃん」


流石に皆気づいたようで、久しぶりにクラスで集まったから今までのことを語り合いたい気分なのだがあの男が許してくれない


「皆さんにまずはクラス最強の座を勝ち取ってもらいましょうか。もちろん勝ち抜くのは各クラス1人だけで、試合は決着がつくまで終わりません」


和気あいあいとした空気が敵同士とわかると一瞬でピリつきだした


「さあ、思う存分に闘ってくださいっ」


突然始まった試合、まだ整理がついていないがやるしかない


「お前ら、恨みっこ無しだからな」


委員長の言葉に皆うなずき、全員戦闘態勢に入った


今まで一対一でしか闘ったことのない俺にとってだれから倒せばいいのか、そういった駆け引きなど全くわからないため、少し様子を見ようと思ったのだが


ジリジリと俺との間合いを坂本以外全員が詰めてくる


(どうせ圭太には1人じゃ勝てないんだ)


(何としてもリア充が増えるのを阻止せねば)


どうせこんな感じで俺のことを狙ってくるんだろう


16人相手に剣同士の対決ならば何とかする自信はあったが、ちらちら杖を持った奴もいるため少し厳しいか


「坂本、手貸してくれるか?」


「あとでラーメン奢れよ」


「ああ、覚えてたらな」


「はあ?」


坂本がこっちについてくれるならだいぶ楽になるだろう


とりあえず近場の奴らは坂本に任せ、おれは遠くにいる魔法使いどもを倒しに行こうか


全部で4人の魔法使いは皆こっちに狙いを定めているが、その位置ではおれに当たる前に間にいる奴らが壁となってくれ

「うおっ」

少し油断していたら真上から雷が落ちてきた


ギリギリ避けることはできたが、その後も天井付近には雷雲が生成され続ける


雷に狙われるため常に移動を強いられ、前からも虎視眈々と12人もの男が詰めてくる


「おれの体がゴムだったらな」


そんな体が手に入る木のみがあれば是非食べたいが、そんなものは存在しない


なら、雷がおれに落ちないようにすればいいんじゃ?


たしか雷はより高いものへ落ちる印象がある


何か高いものは、そんなものを探してみると


ちょうどクラスで1番背の高い田中と目があった


いい考えが浮かび思わず笑ってしまった


田中はものすごい恐怖に取り憑かれたような目でおれを見ていた

















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