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決意

「ははははっ」


続々と届く招待状の参加という返事に笑わずにはいられなかったのだろうか


それとも…



「では皆さま、さっそく始めましょうか」


笑い終えた仮面の男はおもむろにそう言って指をパチンっと鳴らした


「うわっ」


「きゃっ」


参加することを選択したプレイヤー全員が強制的にワープさせられ、忽然と姿を消した


「楽しい楽しいぶとうかいを」


この言葉を最後に映像は消えた


にぎわっていた4層のフィールドは沈黙で満ちた







「え、急に何よ」


突然ワープさせられたことに多少はおどろきはしたが、それよりも私なんかよりもずっとゲームマスターのようなことをしやがるあいつがいけ好かないというか、とりあえずあいつに無性に腹が立って仕方がないからさっさとあの仮面野郎に私が制裁を加えてやりたい


そんなお怒りなあいちゃんですけど、周りが異様な光景に包まれていることにはすぐに気づいた


だだっ広い学校の体育館ほどの広さの部屋に女子しかいないのだ


ざっと数えて400人ほどの女子がいるのでおそらくプレイヤーの女子のほぼ全員がこの建物の中にいるようだ


ゲームが始まって以来会えてなかったクラスメイトたちと軽く談笑していると


「あ、会長ー」


「お、あいちゃーん」


人混みの中会長を見つけ呼ぶと会長はこっちに気づいてくれたのか手を振って応えてくれた


「ええ、あいって会長と知り合いなの?」


「まあいろいろあって」


「いいなー、ね、今度紹介してよね」


「うふふ、また今度ね」


こんなにも羨ましがられると私自身は大したことしていないのについつい鼻が伸びてしいそうだ


会長のところへ行くと、ちょうど奈々さんもやってきて、残るは真衣さんだけになったのだが


「あれ、真衣ちゃんは?」


「真衣は参加しないって言ってました」


「なあんだ、こういうの1番好きそうなのにね」


たまたまなのかわざとなのかはわからないが、こうも大事なときにいないとなると、私の妄想はどんどん加速していき、真衣さんが仮面の男と裏で繋がっているんじゃないかとすら思えてきてしまう




「少し手狭な部屋で申し訳ないが、あと2、3時間はみなさんにここで待機していただく必要があるのでご了承願いたい」


「一体何をするって言うの?」

「そうよそうよ」


「それはもちろん、舞踏会ですよ。でもその前に殿方たちには闘ってもらわないといけないんですよ」


「ええ、闘う?」


同じ頃、むさ苦しい男子たちも1つの部屋に押し込められて、仮面の男から説明を受けていた


「まあ、これから武闘会をやろうと、まあそういうことですよ」


多くの文句が飛び交うのを聞こえないのかそのまま話続ける


「もし、武闘会を勝ち抜いたプレイヤーには、舞踏会へ参加する権利を授けましょう。皆さんの好きな人や憧れの人と2人で踊ることが出来るなんて皆さんが望むことでしょう?」


たしかに青春という青春を味わうことのなかった男子たちにとってそれは非常に魅力的な話だった


「さらに、もしもダンスのパートナーと両想いだったならば、2人を永遠に結ぶアイテムをプレゼントしますよ」


「はあ?」


あまりにも抽象的な景品に少し困惑気味だが、もしもそのアイテムが同じ女を狙っているやつのもとへ行ってしまったら


あの長谷川とかいう爽やかやろうに渡ってしまったらと考えると非常に非常にまずい


圭太は全身全霊でこの武闘会を勝ち抜く決意を固めた



「では準備があるので少しばかりお待ちいただきたい」


ブチッ


「ふうっ」


マイクの電源を切り一息ついた男は誰もいないはずのエリアにもかかわらず、背後から迫り来る気配に気づいたがとくに驚きはしなかった


「なんて事言ってんのよ」


「相変わらず口がきついなー。もう少しお姉ちゃんを見習ったらどうだ?」


「お姉ちゃんもたいして私と変わらないでしょ。てか、あんな事言って大丈夫なの?」


「ああ大丈夫大丈夫、どうせ彼が勝つに決まってるんだからさ」


「いやだからってありもしない景品まで出しちゃって、もし負けたらどうすんのよ?」


「そのときは優勝者には消えてもらうしかないな」


笑いながら言う男に少しむかっとした少女は


「はあ」


溜息をつくしかなかった


「まあそんな心配しなくても大丈夫だから」


呆れている少女を気にせずあくまで楽観的にしか物事を考えないらしい


「あと、薬、できたから」


「ええっ、本当に?」


「だからもう大丈夫だからな、真衣」


「う、うんっ」


今にも泣き出しそうな真衣の顔を見てしまわないように


仮面をつけ、どこかへワープした
















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