圭太のスキル
「何分で倒せばいい?」
はっとして顔を上げると、ただ一点、敵だけを見据えている圭太がいた
何か心なしかものを食べているように見えるがこんなところでおやつを食べるほど愚かではないと思うのできっと気のせいだろう
「あと4分30秒くらいだけど。いくら圭太でもこれは無理だよ」
私が奈々さんをあきらめようとしていたのに彼は
「あ、そんなにあんの?じゃあ余裕じゃん」
「え?」
私と会長は頭にハテナを浮かべているのを気にもせず
鞘から剣を取り出し、さっきの奈々さんのように掲げると
青白色に輝きだし
「水龍乱舞っ」
剣から次々と水でできた刃がゴーレムに飛んでいく
触れた箇所をドロドロにしていきみるみる形が崩れていった
刃を放ち終えたあと渾身の一振りで泥を吹き飛ばした
あらわになった羊皮紙の貼られたゴーレム型の人形は必死で逃げようとするも彼の前ではそんなことは無駄である
容赦無く飛びかかり人形を真っ二つに叩き斬った
ダンジョンクリア
14レベになったことを確認して
「回復魔法、回復魔法、回復魔法」
使ったことがなかったから焦ってしまったが、なんとか無事に治すことができた
「ん...ここは...」
「奈々ちゃーんっ」
会長の熱い抱擁に
「会長、重いです...」
「ちょっと、女の子に重いなんてひどいよっ」
いつもの光景が戻ってきてほっとしたのもつかの間
私は圭太に聞くことがあった
「そういえば圭太さ、なんでスキル使えたの?あんたもMPなくなったはずなのに」
「ああ、それはこれ使ったから」
さっと彼が差し出してきたのは小さな瓶だった
「なにこれ?」
道具の説明を見てみると
「MP回復アイテム...」
「いやうさぎを捕まえたら持ってたんだよねー。まじ助かったわ」
のんきに笑う圭太
「圭太さー、これ私に使わせてくれれば奈々さんも治せて圭太と会長のMPを回復させられてもっとスムーズにクリアできたじゃない。もーどーして思いつかないかなー」
私の口撃を受けてもああそうかとしか思わず
「いやー悪かったな」
口先だけで謝られ私の怒りはおさまらない
「まあまああいちゃん、これくらいにしときなよ」
「むうーーーっ」
別に圭太だけが悪いと思っているわけじゃない
開発者のくせにたいした活躍もできていない自分にも怒りは向いているのだ
無事に街へ帰ってきたが、ダンジョンへ行った他の面々はまだいなかった
1番先にクリアしたことを自慢したいのか会長がメッセージを送ろうとしたら
「なにこれ」
3チームからの救助要請が届いていた
「そんな、みんなレベルは高かったのに」
驚きを隠せない私に
「え、どうしてみんなのレベル知ってるの?」
奈々さんから容赦ない指摘がはいり
「いやいや、パーティに入れてもらおうとした時に言ってたんですよ、ははは」
ふつうレベルは可視化されていないのを忘れていてぼろがでかけたがなんとか誤魔化せたようだ
「そんなことより早く助けに行かないと」
「いやそーしたいのは山々だけど、さすがに私たちだけでは無理があるわね」
鬼気迫る表情をする会長はほんとにみんなのことを心配してるんだなというのが伝わってきた
「とりあえず中央の広場に行って、みんなに協力してもらおうか」
私たちは小走りで広場へ向かった




