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ささやく―お前の場合

「お前は、明日世界が終わるって言われたらどうするんだ？」

昨日の夜、唐突に「明日、世界が終わるって言われたらどうする？」と聞かれた。唐突に突飛な質問をされて笑ったが、わりと真剣に「愛をささやく」と答えた。

しかし、聞いてきた当の本人がどうするつもりなのかは聞いていない。あいつの答えが気になった。

俺は世界が終わる瞬間までお前に愛をささやくのに、お前は「大好きなハンバーグを食べたい」とか、溺愛している実家の猫の「みぃちゃんの肉球をにぎにぎする」とか思っていたらどうしようか。ショックで寝込むかもしれない。

そんなことを考えて一日中悶々としながら仕事をし、俺も夜、寝る前に聞いてみた。

「なぁ。お前は、明日世界が終わるって言われたらどうするんだ？」

一瞬きょとんとしたお前は、次の瞬間にはいたずらな笑みを浮かべてささやいた。

「誰かさんがささやく愛を受け止めてる予定」