番外編 古の時代 1
遠い昔、古の時代。邪神と呼ばれる悪魔たちがいた。破壊の邪神カガリ、創世の邪神 アルマ、断罪の邪神 リュート。彼らは人間からは神と崇拝され人間とはうまくやっていた。共存できていた。そのはずだった。
しかしある時、事件がおきた。
彼らの住んでいる大陸を支配する王国が滅んだ。
人間は焼け死に、地面は割れ、空には黒い雲が渦巻いていた。戦争。巨大な爆弾が彼らを襲ったのだ。
「ワレラノ…オウコクガ…」
「住処をなくしてしまってはもうこの世界には住めない。」
「我々が住むべき世界では無かったのだ。」
戦争の目的は邪神たちの奪略。強大な力を求め世界を支配しようとする王国があった。
彼らは新しい世界を作ることにした。
静かな闇の空間。そこに彼らは新たな生命を作った。自分たちの命を削り、生命を作った。
彼らの命がわずかになってゆく頃、1つの巨大な王国が作られていた。悪魔の国だ。
「ここが我々の住むべき世界だ。これ以上はもう人間界に干渉してはいけない。この世界でひっそりと暮らすのだ。」
「もし、人間との共存を求むものがあるのなら。迷わず殺すのだ。」
彼らは幼き悪魔達にこう伝えた。
「あなたたちはいってしまうのですか?」
銀髪の少女は彼らに問う。
「我々の命はこの国の住人達に捧げたのだ。もう残ってはおられぬ」
「しかし悔いはない。こうして新しい世界を作れたのだ。何も思い残すことはない。」
「後のことは頼んだぞ。未来の王になる者達よ」
そうして年月が経ち、邪神と呼ばれる彼らは死に、悪魔界の神々として悪魔達に崇拝されるようになった。