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好きな人の好きな悪魔(ヒト)  作者: なかむぅ
5/14

悪魔界

「行方…不明?」

平野が行方不明…学校に来ていないと思ったがまさか行方不明になっているとは思わなかった。あの夜から一度も顔を見ていない。ベルフェゴールの仕業なのだろうか。

「その通りじゃ。絢斗よ。」

心を読むなとつっこみたかったがもうそれどころではない。むしろ話す手間が省けていいが。

「平野は…何をされたんだ?」

「さらわれた。と答えるのは簡単じゃがどうやらこの近辺に悪魔の気配はない。」

「じゃあ一体どこに…」

「どこか遠くに…まさか…」

「どうした?ルシファー」

急な険しい表情になる。

「悪魔界…」

「悪魔界?それってお前が統率する世界じゃ…」

「そうじゃな。彼女は恐らく悪魔界にいる。どこか遠いと言っても人間界は広い。まだ時間も経っていないのに気配が無いとはその可能性が高いじゃろう。」

「一度悪魔界に戻るのか?」

「そうしたい…が。悪魔界に戻るにはある条件が必要なのだ。簡単な事だが絢斗にとってはどうか…」

「なんでもするさ。例えおれの魂を捧げようと平野を助けるためなら、何でもする。」

「では絢斗よ。」

「おう」

「目をつぶれ」

「分かった」

ちゅ…

「え?」

目をつぶった瞬間唇に柔らかい感触があった。

「契約を一度解除する。人間と契約したままでは向こう側に行かぬからの。」

俺は目を開けた。するとそこには見知らぬ街があった。明るい昼間だったはずだがそこには暗く、街灯の明かりだけが灯る街があった。

「ここが悪魔界じゃ。予想通り、ベルフェゴールはこの世界に来ておる。」

「平野は…平野はどこに…」

「そう慌てるでない。すぐに見つけ出せる。」

すぐに見つけ出せる…?場所が特定できているのだろうか。

「すぐに見つけ出せるってどういう事だ」

「人間が悪魔界に来るのは悪魔界の歴史には無い。恐らく騒ぎになっていたはずじゃ。街の住人から情報を聞き出し、場所の特定をする」

なるほど。確かに今までに一度もない事が起これば騒ぎになる。騒ぎになれば情報を持っている悪魔は少なからずいる…と。

「ニンゲン…!!ナゼ…ココニ…」

街の住人が騒ぎ出した。俺のことだろうと思ったがどうやら悪魔たちの目線の先には一人の少女がいた。平野 綺羅。彼女だった。

「探すまでもなかったのぅ」

「ああ…早く平野を…」

そう言って足を踏み出そうとすると

「篝くん!来ちゃダメ!」

平野は叫んだ。

「何故だ!俺は平野を助けに来た!行方不明になってみんな心配してるぞ!」

「ダメなの…だってあなたは…」

「俺…は?」

シュッ

「絢斗ッ!!避けろ!!」

「…え?」

ザシュッ…まるで風のような刃が俺の腹を貫通した。痛い。痛い。痛い。痛い。地面には赤い液体がこぼれ、地を紅く染めている。

「がはっ!?」

「篝くん!!」

眼に映る風景が揺れている。ああ…俺はここで死ぬのか…

「ニンゲン…ジャマをスルな…」

「絢斗!おのれ…ベルフェゴールッ!!」

ベルフェゴールは平野に近づき、その大きな翼で天高く飛んだ。

「平…野…」

俺の意識は深い闇に落ちた。

次回の話が長くなりそうなので今回は短くまとめました。明日を楽しみにしてください(*^^*)

これからも好きな悪魔(ヒト)をよろしくお願いします。

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