あきらめない男
――あきらめたら人生そこで終わりなんだ!
高校時代の恩師が言い放ったこの一言は、未だに俺にとっては座右の銘だ。たとえどんな小さなことでも、一度あきらめてしまったら、そこからずるずると全てが崩れてしまう。楽を覚えるのは簡単だが、そこからまた元の状態に戻ることはとても難しい。
「クっ……!」
いま俺は、まさに諦めるかどうかの瀬戸際に立たされていた。
きっかけは些細な意見の行き違い。それがいつの間にか激しい論争となり、深い対立となっていった。お互い顔を真っ赤にしながら、意見を――いや、信念をぶつけ合っている。
しかし、時がたつにつれて状況は俺にとって不利になっていった。最初は俺に味方してくれていた連中も、今では俺のことを無視し始めている。おそらく、連中はすでに俺のことを見限り、視界にすらとらえないようにしてしまったに違いない。まさに孤立無援、絶体絶命の状況だ。
ここでごめんなさいと謝ってしまうのは簡単だ。けれど俺は自分の意見の正しさに自信があった。もしここで折れたら、相手を説得することをあきらめたら。俺は、今までの自分の生き方に反してしまう。自分で自分に嘘をつくこととなってしまう。だから俺はあきらめない。たとえ何があろうと、絶対に!!!!
『543:この名無しがすごい!:20xx/06/13(金) ID:kt75hktll
>>535
だから、異世界の話だろ? なんでお前らは現実の中世準拠で考えるんだよ!
ギルドがあったって別にいいじゃないか!』
そうして俺はこの日、必死チェッカーで一位を取った。