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プロローグっぽいモノ

爺様が死んだ。

爺様が死んだ。

その家には爺様とバサマが住んでいた。

爺様はよくこう言っていた。

「人は死を恐れて生きる。生きるとは死から逃げることなんだ。生から逃げるために死を選ぶモノもいるようじゃが、それは死から逃げて生きてきた結果の一つじゃ。わしは今も死から逃げておる。しかしもしも逃げ切ってしまえばわしは人ではなくなる。独りで永遠に生きるモノは永遠に人と別れ続けることになる。その悲しみに比べたら自分の死など怖くは無い。それ故にわしは死ぬのじゃ。じゃがお前がその道をたどるかどうかは自分の目で見極めるといい。わしに比べたら先行き長いであろうからな。」

じじいのわりに、やけに格好いい台詞吐きやがって。

ちなみにバサマというのは決して婆様でないことを主張しておこう。

なぜなら。

「俺の名前が高東たかとうバサマという名前だからだ!じじいと結婚なんてしてねぇから覚えとけ!」



 よくいる祖父母と孫の組み合わせ。祖母は祖父より先に他界。祖父も入院と退院を繰り返し、昨晩他界した。享年97歳。男のわりには長く生きたなじじい。

「それにしても暇だなぁ・・・。」

一人・・・否、独りには広すぎる家。友達が遊びに来る時は邪魔だと払いのけたじじいが案外必要と思う瞬間だった。

「残された時間も少ないだろうしゲームするかなぁ。」

もっと有効な時間の使い方が思いつかなかったため、とりあえずゲームをしてみる。

「あー。今度から炊事洗濯も自分でやんなきゃだな。めんどくせー。」

心にも無い台詞。そんなことを言っても仕方がないのに。

「誰か来ないかな・・・。」

家に遊びに来る友達なんて、いや、遊びに来ることのできる友達なんてほとんどいないけど。

そんな時、インターホンが鳴った。これってチャイムって言った方が若い感じがするのかな。

「ん?待てよ?」

こういうのって漫画や小説で見たことある展開じゃね?ドアを開けたら可愛い女の子が同棲させてください的なことを言ってくるパターンじゃね?そんなことになったらうふふふふふふふふふふふふ・・・。

「すいまっせーん!今開けまーーっす!」

勢いよく靴もはかずに玄関へ真っ直ぐ進み、バンッと勢いよくドアを開け、ゆっくりとそれでいて勢いよく相手の顔を見る。でも・・・。

「お久しぶりですね、高東君。保護者がいなくなったあなたを迎えに来ました。」

以前見たことがあった顔。でもこの相手は本当に望んじゃいなかった。

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