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不法占領下の日々  作者:
第一章:占領開始
8/20

春馬と揚羽のQ&A


らちが明かないので対話形式にしました。

読みにくいと思いますが、普通にしていたら何話分になるか分かりませんので(汗

何となく会話から状況を想像して頂けたら幸いです。



春馬「まぁ…色々と突っ込みたい所があるから、一つ一つ潰して行こうか」



揚羽「時間はたっぷりとあることですしね」



春馬「いや、出来ればさっさと問題を解決して、早く夕飯を食いたいんだが…まぁいいや。え~とりあえず、平たく言えばお前は『俺の家に住みたい』ってことでいいのか?」



揚羽「いえ、『春馬さんの家に強制的に住みます』と言うことです」



春馬「強制的かよ……いやいや、その前に何で俺の家を選んだんだ?」



揚羽「と言いますと?」



春馬「普通に考えてみろ。こちとら、お前が俺の家に押し掛けてくる理由が見つからないんだよ。そもそもお前と俺は今日初めて会ったんだろうが。何でいきなり家まで押し掛けてるんだよ。それを置いておいても、何で若い女子が、俺みたいなどこの馬の骨ともわかんねぇような男の家に押し掛けてんだ」



揚羽「何ですか。嫌なんですか? こんな美少女が押し掛けてきているってのに贅沢な」



春馬「自分で言うな。つーか、銃向けられて拘束されて、嬉しいワケねぇだろ」



揚羽「銃を持った美少女が「今日から一緒に住みます」と言ってるんですよ? どこのエロゲーですか」



春馬「だから自分で言うな。そして、女の子がエロゲーとか言うな。てか、お前今俗に言う家出少女だよな? 親御さん方は心配してないのかよ?」



揚羽「心配してますでしょうね。それもかなり。発狂せんばかり」



春馬「…おいおい…俺を巻きこんだりしないだろうな。俺は被害者だぞ」



揚羽「アハハハハハ」



春馬「おい。コッチ見ろ。目を逸らすな」



揚羽「父親が重度の親ばかでしてね…いい加減ウザいんで家を飛び出してきました」



春馬「ただの家出だな」



揚羽「ふふふ…心配には及びません。家を出る前にキッチリ交渉して、数ヶ月間世間勉強のために友達の家に下宿する。と言って納得してもらってますから。一応」



春馬「世間勉強?」



揚羽「あぁ、私の家お金持ちなんですよ。いわゆる箱入り娘って奴です」



春馬「へぇ~お金持ちねぇ」



揚羽「えぇ、ですから建前上、世間勉強です。まぁ…父親は女友達の家にでも泊めてもらって居るとでも思っているんでしょうが」



春馬「ちょっと待て、それだ。家出するのはお前の勝手だけど、何で俺の家なんだよ。他にも選択肢なら沢山あっただろうが。例えば…さっき言った女友達の家とか、親戚の家とか、ホテルとか、ネットカフェなんてのも最近はあるんだろう?」



揚羽「なんですか春馬さん。このか弱い女の子に、一人でネットカフェに寝泊まりしろと?」



春馬「だから例えばだって。て言うか、エアガン携帯してる奴はか弱い女の子じゃねぇし、キッチリ武装してるんだから比較的安全な気もするんだが」



揚羽「安全ウンヌンは置いておいて、あんな安いホテルみたいな所に数カ月も滞在しようとは思いません。それに、女子高生がネットカフェに数カ月も滞在したら、確実に店員から警察へ通報が入ります」



春馬「まぁそれもそうか…」



揚羽「それに、親戚の家なんか下宿した所で、どうせ父親の監視下に置かれるのと同義ですから。あの父親はどう転んでも自分の娘を自分の目の届くところに置いておきたいんですよ。私の第一目的は父親からの解放ですから。却下です」



春馬「父親が娘を心配するのは当たり前だと思うんだが」



揚羽「春馬さんは私の父親を知らないからそんなことを言えるんですよ。アレはもう、親子の愛情を逸脱してる気配さえ感じます。近親相姦なんかで貞操の危機さえ感じますよ」



春馬「生々しいことを言うな」



揚羽「まぁ流石に誇張しましたが、私はベタ甘親ばかな父の居る家から早く出たいんです」



春馬「じゃあ普通に女友達の家に行けばいいじゃねぇか」



揚羽「仮に私がそうしたとしても、数か月も私を泊めてくれる家庭なんてどこにもありませんし、あったとしても私はご免こうむります」



春馬「何でだ? 確かに数カ月まるまるは無理でも、数日単位なら泊めてくれるんじゃねぇのか? 数人の家を転々とするって方法もあるにはあるじゃねぇか」



揚羽「嫌ですよ。友達の親御さんに気を使いながら生活するなんて」



春馬「………ただのお前の我儘じゃねぇか」



揚羽「我儘けっこう。父親から解放されるために家出するのに、家出先で友達の親御さんに気を遣いながら生活するなんて、まっぴらごめんです。確実に親御さんから「ご両親が心配なさってるから早くお帰り?」なんて小言も言われるでしょうから」



春馬「………じゃあ、ホテルにでも泊ればいいだろう。そこなら気を遣わなくていいし、清潔だし、ホテルの責任者にでも事情を話して親から許可もらってることも証明したら、警察に通報もされねぇだろ。金持ちなんだから金はあるんだろ?」



揚羽「えぇ、父親の財布からキャッシュカードを拝借してきました」



春馬「…それは大丈夫なのか?」



揚羽「ですが、重大な問題が一つ」



春馬「なんだよ」



揚羽「一人ぼっちでホテルに泊るなんて寂し過ぎます」



春馬「………………………………」



揚羽「宇佐見は寂しいと死んじゃうんです」



春馬「じゃあ家出なんかするな」



揚羽「ですから、私が家出するにあたって、住む場所に求める条件は『快適』『父親の監視が無い』『警察に通報されない』『変に気を遣わなくていい』『寂しくない』の六つが最低条件です」



春馬「聞けば聞くほど我儘だなオイ」



揚羽「あと出来れば、『広い』『我儘が通る』『通学の便が良い』などあったらいいですね」



春馬「なんだか不動産屋の気分なんだが……その条件に合ったっていうのが?」



揚羽「そう。春馬さんの家です」



春馬「いやいやいやいやいやいやいやいやいや。何でそうなる」



揚羽「実は今日春馬さんと初めてお会いするより前に、春馬さんの噂を耳にする機会がありまして」



春馬「俺の噂?」



揚羽「えぇ、何でも、高校生の分際で一軒家に一人暮らししてるとか」



春馬「分際って……いや、その前にそれはどこからの情報だよ。噂になるほどの人数には喋ってないぞ」



揚羽「確かな筋からの情報です。女子高生の情報網舐めないでください」



春馬「…この家の住所もそこから?」



揚羽「えぇ。勿論」



春馬「俺は今、女子高生の情報網に恐怖を覚えた」



揚羽「まぁ、偶然お会いしてお名前を窺った際に、ピンときまして、利用させていただくことにしました。これはもう運命ですね。でぃすてぃにーですね」



春馬「でぃすてぃにーですねって……いやいや、だから何で俺の家なんだよ。俺が言うのもなんだけど、若い男の一人暮らしだぞ? 女の子が好き好んで押し掛ける場所じゃねぇだろ。何されても文句は言えねぇぞ? そこは女性として警戒する所だろ」



揚羽「ふふふふふ…甘いですね春馬さん」



春馬「何故そこでキメ顔?」



揚羽「逆に言えば、この家のリスクは『若い男が居る』ってことだけなんですよ。つまり、襲われるって危険性さえなくしてしまえば、後はメリットだらけなのがココなのですよ!!」



春馬「なのですよって言われても…」



揚羽「別に私の体を家賃代わりに差し出そうって言ってるワケじゃありません。寧ろそんなことは全力で阻止します」



春馬「生々しいこと言うな」



揚羽「ですから、今こうやって、春馬さんの自由を奪って、エアガンちらつかせれば、アラ不思議。何の抵抗もない男の一丁あがりです。そして、私は広くて快適で父親の監視も無くて通学の便も良くて気を遣わなくてよくて我儘の通る一軒家をゲット。という寸法ですよ」



春馬「いやいやちょっと待て。それは幾ら何でも虫が良すぎる」



揚羽「なんですか。私の完璧な計画に狂いがあるとでも?」



春馬「どこら辺が完璧な計画だ。そんなもん俺が警察かどっかに電話すれば速効で終わりじゃねぇか」



揚羽「そんなもの。物理的に阻止します」



春馬「物理的にッ!? ……いや、仮にこれからココに住むとしたら、俺が隙を見て通報するぐらい簡単だろう」



揚羽「ふむ……だとしたら、駆けつけた警察官に、私は髪を振り乱して目を腫らして涙を瞳一杯に溜めながら嗚咽混じりに「助けてください!! あの人に無理矢理ここに監禁されて、酷いことされて…逃げたら全部バラすぞって脅されて…私…私…うううぅぅ」と、泣き崩れます」



春馬「まるで俺が加害者のようだッ!?」



揚羽「はい。アナタが加害者で、私が被害者です」



春馬「そんな理不尽な」



揚羽「まぁ世間は、狂った少年が少女を監禁したとは思っても、少女が少年を監禁したとは思わないでしょうね」



春馬「うわッ酷過ぎる!!」



揚羽「まぁつまり、春馬さんが警察に通報することは、自分の首を絞めてるようなものになる…ということになりますね」



春馬「完全に嵌められてる…」



揚羽「ちなみに、今ここで私がこの家に住むのを拒否しようものならば、どうなると思いますか?」



春馬「ど、どうなるんですか?」



揚羽「今ここで、アナタの手首に繋がれた手錠を、私の手首に繋ぎ直します」



春馬「…?」



揚羽「そして、私は力の限り大声で叫びます。「助けてーー!!!」とね。すると?」



春馬「……――――ッ!!?」



揚羽「ご近所の人が駆けつけて、手錠に繋がれながら泣きじゃくる一人の女子高生と、その横に居る若い男子高校生を発見するんですよ」



春馬「て、てててててめぇ…」





揚羽「つまり、春馬さんには決定権がありません♪  後輩の女子高生を拉致監禁した凶悪な性犯罪者になりたくなければ、大人しく私をこの家に住まわせなさい」

 



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