表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/13

さくらんぼ物流

 自動車学校に通いながら、次の勤務先を探した。ハローワークも行ってみたが、自己都合退職は雇用保険がすぐもらえるわけでないため、求人誌で探すのも似たようなものだった。求人誌のトラックドライバーの欄は多く、求められている業種であることは一目瞭然だった。

 虎之介の目についたのは、東北を拠点とした「さくらんぼ物流」だった。東日本大震災以来、東北に関心のあった虎之介はここに応募することに決めた。営業所は虎之介の住むいずみ市の隣にある松城市で、家から車で15分ぐらいの距離にある。

 営業所に電話すると、営業所長の玉木さんという方が対応してくれた。玉木さんは時間があればいつでも来てくれと言う。まだトラックの免許も取得中だが働けるか尋ねると、トラックで独り立ちするには何ヶ月もかかり、それまでに学ぶことは山ほどあるから、免許取得前で大丈夫とのことだった。すぐ働けると知って、虎之介は早速営業所に出向いた。

 玉木さんは歳は虎之介よりも10は上だろうか。白いワイシャツの似合う優しい感じの方だった。虎之介は履歴書を出し、簡単な筆記試験を受けた。体力はどうかと聞かれ、学生時代は野球をやっていたので大丈夫ですと答えた。後になって、三十年前の体力など意味が無いと思い知ることになるが。

 制服やらヘルメットの支給を受け、明日から働けることとなった。当面アルバイト扱いで、一定期間が過ぎると正社員になれるとのことだった。安全靴は社給のものでも自前でもどちらでもいいとのことだったので、専門店で履きやすいものを選ぶことにした。

 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ