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デスイズザヒーロー!-悪の最強怪人がヒーローに転身して六年、その弟子は地獄を継承する-  作者: 蠱毒成長中
第四章:濃州不破八傑編

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エピソード4:「ファン」の語源は英単語の「fanatic」……要するに「狂信者」とかそういう意味でして……

 場面は前回ラストからそう経ってない頃のセキガハラ本部。


「なんてこった……」


 総司令官兼"三代目レールガンマイスター"ことニカイドウ・ヒナミは、

 "仲間"兼"友人"であるところの"遺恨リーパームジョウ"こと

 ホンゴウ・ユウトの関わった戦闘記録に頭を抱えていた。


 具体的な映像の内容についちゃ読者のみんなはもうお察しだろう、

 アケボノテレビの撮影クルーらを同伴させての

 ヴィラン"尻剣士(しりけんごう)アスフェンサー"討伐の……

 まぁ要するに前回までの三エピソードで描かれたコロルミンチー討伐の記録だわな。


(まさかこんなことになるとは……)


 さて、ともすると読者のみんなとしちゃ、

 ヒナミが一体何にそこまで頭を抱えずにいられねぇんだか、

 その理由が恐らく気になってくるんじゃねえかと思う。


 ユウトの戦いぶりがヒーローらしからぬ雑さだったからか?

 ……否。

 テレビカメラの前だってのに公人らしからぬ態度を取ったのが問題か?

 ……違う。

 ヴィランそっちのけでプロデューサーと喧嘩してたのが悪かったか?

 ……ノーだっ。

 一人始末すんのにイチイチ長々と講釈垂れてんのがいけねぇか?

 ……それでもねぇ。

 何ならサッとカッコ良く倒せばいいものを時間かけ過ぎだから悪いのか?

 ……なわきゃねェッ。

 

 そう。

 ぶっちゃけりゃヒナミは別段、

 ユウトの行動を問題視してなんかいなかった。


 ヤツのアウトローじみた戦いぶりは個性の一つとして認めてたし、

 ヒーローが場所を問わず公人らしからぬ態度を取るのなんざ珍しくもねえ。

 喧嘩の件は吹っ掛けて来たプロデューサー側にも非があるし、

 戦闘中に講釈垂れるヒーローや、

 戦闘に時間かけがちなヒーローだって古くから居た。


 ともすりゃヒナミが頭を抱えてたのは……


「なんともはや、予想外が過ぎる……

 まさかネオフェミニス党の残党勢力が、

 壊滅前の本家を超える大組織に成長していたなんてなあ……」


 ユウトに脅されたアスフェンサー(コロルミンチー)の語った"真実"……

 つまるところヤツを怪人(ヴィラン)たらしめ、

 東亜地域で多発するバイオノイド騒ぎをも裏で操ってた

 そもそもの"黒幕"に関してだったんだ。


「……尻剣士(アスフェンサー)がネオフェミニス党の残党所属だったのはまだわかる。

 残党どもが『令和神殿騎士団』と名乗っていて、

 かつイカリ・ジュンヤ始め東亜地域で暴れていた怪人(バイオノイド)どもの元締めと判明したのは、

 何なら僥倖と言っていいほどのアドバンテージだろう。

 だが問題は奴らの規模と技術力だ……。

 尻剣士の証言が事実と仮定するなら、

 連中の規模は前身組織(ネオフェミニス党)の比じゃないってことになる。

 記録映像でユウトくんは誇張(フカシ)を疑ってたが、

 事実奴らと思しき怪人の活動範囲や出現頻度を考慮するに、

 奴らは少なくとも農地、発電所、精錬所、工場等を私有してるんだろう。

 労働力をどう確保してるかは知らんが、

 長々と放置しておくのは得策ではあるまい……」


 これまでの傾向や記録された証言なんかの諸情報から察するに、

 イカリやコロルミンチーを始めとする

 "東亜各地を襲撃してる怪人"は所詮末端……

――当人たちがどう思ってるかはともかくとして――

 組織としちゃあくまで使い捨ての雑兵に過ぎず、

 あくまで本命の戦力は別にあると考えるべきだ。


「差し詰め、方々からかき集めた弱者や落後者……

 行き場を失った浮浪者や、労働意欲がなく実家に寄生する無職、

 働き口のない前科者・多重債務者辺りを騙してかき集め、

 雑に改造したり装備を与えて方々に放ち、

 "怪人を作って動かす"ってのがどの程度のものか試してるんだろう。

 全く迷惑な連中だ」


 例えどれだけ弱い"手抜きの完全下位互換"だろうと、

 根幹にクロカミ・メイナが流出させた生体改造技術がある以上

 奴らが生み出してるのは実質"遺恨リーパームジョウの模倣品"。

 とすりゃいずれ四元素形態の再現に辿り着くのは時間の問題だし、

 何なら最悪霊魂刈取スピリットハーヴェスターや、

 その原型たる魂魄狩人(アニマヴェナトル)に似た能力の開発に至る可能性とて皆無とは言い切れねえ。


「もしくは、もっと別の何か、

 とんでもなく厄介でたちの悪い怪人を生み出してしまうかもしれん。

 ……いずれにせよいち早く本拠地を見付けて根絶せねば」


 特撮作品じゃ得てして『再生怪人は弱い』のが常だが、

 制作・作劇上の都合(メタ的事情)なんてもんがなく、

 かつそいつ自身が敗因を理解・克服し明確に進歩してたなら、

 雑魚扱いが定石の再生怪人は"お約束"すら超越したとんでもねぇ強敵になるだろう。


 ヴィラン組織にも同じことが言える。

 字面だけ見ると如何にも弱そうだが、

 果たして奴らが前身時代の敗北から明確に何かを学んでいて、

 それを克服し的確かつ堅実な努力を怠らなかったとすれば……

 まさに"前身越え"の強豪組織になったって何ら不思議じゃねぇんだ。

 ところで……


「然し何だな、組織名の『令和神殿騎士団』とはまた、

 今はなき『REIWA天誅組』を彷彿とさせるが……

 まさか残党勢力の主要人物はあの政党の支持者だったのか?」


 REIWA天誅組。

 かつてサンボン・タロウマルっつー政治家が率いたこの政党は、

 まぁ読者のみんなも見慣れてそうな"典型的なぽっと出の野党"で、

 その名の通り『民を踏み躙る現政権に天誅を下す』をスローガンに掲げていた。


 サンボンはじめ党員らのキャラを活かした派手な活動のお陰で支持率はそれなりに高く、

 特に"愛国心を口実に正義の味方ぶりたいネットユーザ"や

 "他力本願・他責がデフォで何でも政府に責任転嫁する陰謀論者"、

 "とりあえず長く政権取ってる与党が悪と決め付けたいだけの脳死者ども"からは神の如く崇拝されていた程。


 だが反面、ひたすら反抗と人気取りに特化し過ぎた弊害だろう。

 ヤツらには政治家として持つべき"中身"がなく、

 そこが祟ってロクに結果も残せないまま内部分裂で崩壊……

 主要な党員は軒並み死ぬか行方不明、

 今や見る影もなきゃ話題に上がるのも稀ってのが現状だったんだ。


「……強ち間違ってないかもな。

 ナチズム、地球平面説、創造論、反標準医療、反肉食主義、

 ソシャゲ主人公伊藤誠説、橘福福(チーフーフー)猫型シリオン説……

 時代遅れも甚だしい思想やくだらん妄言を尚も真実と信じて疑わず、

 強引に押し通そうと徒党を組んで暴れるバカは後を絶たん。

 そしてそういう連中は十中八九ヴィラン化すると相場が決まってる。

 なら特定の著名な人物や団体の信奉者がヴィラン化したとて何ら不思議ではない。

 事実、似たような事件とて過去に数多あるわけだし……」


 斯くして、

 防衛組織"セキガハラ"

 対 ヴィラン組織"令和神殿騎士団"の激闘は、

 明確な形でもって幕を開けるんだ……!

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― 新着の感想 ―
 なぜでしょうか、黒幕がとんでもないところに潜んでいそうな気がするのは。  そして考えられる動機も、世界のバランスをどう保つか、そんなところにありそうな気がしております。  う~ん、果たして真相はいか…
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