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デスイズザヒーロー!-悪の組織の最強怪人、ヒーローに転身する-  作者: 蠱毒成長中
間章:雷霆を継ぐ者、ニカイドウ・ヒナミ!

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ケース1:撃鉄戦隊の惨敗

 場面は"旧北海道"の某所。

 かつては雄大な大自然と美食の宝庫として名を馳せながら、

 紆余曲折を経て荒廃し人が消え失せ、

 今や大部分が猛獣の跋扈する"緑の地獄"に成り果てたその大地で、

 二機の大型戦力――高さ数十メートル級の合体ロボット――が激闘を繰り広げていた。


『吹き飛ぶのダ~!!』

『『『『『『ぐわあああああ!?』』』』』』


 ぶつかり合う二機の姿は余りにもよく似ていた。

 まさに瓜二つってヤツだったが、

 然しどうにも性能には大きな開きがあるようで、

 片方がもう片方を目に見えて圧倒していたんだ。


『ヂイイイアアッ!

 なんやねんあいつら!? やけに強いやんけ!?』

『くっっ、所詮パクリの癖に生意気なっっ!』

『……認めたくないものですね、このようなふざけた現実などはっ』

『今からでも"実はこれ夢でした"ってことになんないかしらね……』

『情けないけど、ユメさんに概ね同意しかないんだぜ……ぐうあっ!?』

『た、タイセイっ!? 大丈夫!?』

『……ああ、問題ないぜっ! まだ戦える!

 奴らに踏み躙られた人たちの痛みに比べたら、このくらいの傷っ!』


『ムヒョッホォ~! よい感じですぞ坊ちゃま!』

『流石はデモクラシーアイスバインですわ!』

『パーフェクトかつ完璧にバレルエンペラーを圧倒していましてよ~!』

『やはり吾輩の設計に間違いはなかったのであ~る!』

『流石は俺の弟だぜっ!』

『あぁんダーリン♥ 最高だわっ♥ これなら勝ったも同然ね♥』

『ガァ~ンソッソッソッソッソ~!

 間違いないのダ! 僕らこそが真のマズルフラッシャーなのダ~!』


 それぞれの操縦席で繰り広げられる会話は概ねこんな感じだが、

 文面の端々を見りゃ大体何がどうしてこうなったのかは概ね察しがつくだろう。

 ……簡単に説明すると、

 ライホウを欠いた二代目"撃鉄戦隊"の六名が、

 色々あって自分たちの"実質的な偽物"と戦う羽目になり、

 しかもここ最近は諸事情から"著しい弱体化"を強いられていたのもあり、

 普通なら苦戦するハズもねえパチモン風情にもボコられてたって感じで……

 まあ要するに、他に類を見ない絶体絶命の危機に陥っていたんだ。


『クソッタレェ! カシラが!

 カシラがおったらこうはなっとらんかったんやぁ!』

『やめてよ大将……そりゃあたしだってそう思うけども』

『それもこれも全部バンバ家って奴らの仕業なんですよ……』

『何ですってそれは……本当なので一周回って何とも言えませんね』

『冗談めかして事実言ってる場合じゃないぜ、ユライさん。

 今はとにかく、この状況をどうにかしないt――ゴッフバアッ!?』

『いやああああ!? タイセイ! タイセイしっかりしてぇぇぇ!』


 バレルエンペラーの操縦席では何やら意味深な単語が飛び交ってるが、

 まあそれはそれとして……


『でぇぇぇいっ、喰らうのダ~~!』

『『『『『『『本家超越☆超絶贋作斬り!』』』』』』』


 "偽物"どもが乗り回すバレルエンペラーそっくりの巨大ロボこと

 "超絶超越超巨大神王デモクラシーアイスバイン"はド派手に剣を掲げ、

 いかにも"必殺技っぽい"モーションでバレルエンペラーを切り伏せる。


『『『『『『ぎゃああああああ!?』』』』』』


 強烈な斬撃はまさに致命傷!

 余りのダメージにバレルエンペラーの合体は強制解除され、

 加えて余波がよっぽど強烈だったんだろう、

 なんとマズルフラッシャーの面々も機外に放り出されちまう始末!


『うごっ!?』

『ぐうっ!?』

『ぐごばあっ!?』

『ぎゃひっ!』

『あぐえっ!?』

『あぎっ!?』


 雑に放り出され、そこそこの高さから地面に叩き付けられた六人!

 草地とは言えそのダメージは深刻で、

 ヒーローたちの変身も強制解除されちまう!

 ……寧ろお前ら今までよく変身意地できてたな!

 特に吐血までしてたタイセイ!


『ガァ~ンソッソッソッソッソッソ~!

 この程度の攻撃で変身解除とは情けない奴らなのダ~!

 やはりオマエたちはライホウお兄様ありき!

 ライホウお兄様のいないオマエたちなど、

 初期メンメカ全合体ロボのないスーパー戦隊か、

 虫の力や改造人間の身体を持たずライダーキックもない仮面ライダー、

 はたまた第一話から光線技を使わないウルトラマンや、

 核の影響を受けていないゴジラ怪獣のようなものなのダ!』

『もしくはスーパー戦隊でも仮面ライダーでもウルトラマンでもなく

 漫画の登場人物でもないヒーローのようなものですぞ~!』

『つ・ま・り~!

 主役としての必須要素の抜けた半端者か、

 さもなくばそもそも存在しないも同然なマイナー雑魚なのですわ~!』

『もしくは基礎のなってない欠陥品ですの~!』

『おうよ! その通りだ!どんなに金や力があろうと、

 基礎がなってねえヤツは結局二流! いやむしろ三流!』

『そのような半端者どもに勝利などありえんのであ~る!』

『うちのダーリンは最強なのよ~♥ まさに真のヒーローだわ~♥』


 そんな状況に気を良くした偽物連中は、

 勝利を確信し調子付く!

 ……然し粗だらけで頭悪過ぎる発言だな。

 感想欄はツッコミの嵐だぞこれ……。

 具体的にはいつも感想寄越す読者二人くらいなんだけど、

 今回に限っては下手すりゃ十二人ぐらいからツッコミ来るんじゃねえか?

 ……毎回そのくらい欲しいけどな~作者(こっち)としてはな~。

 具体的にはそろそろブクマ数十件くらいは欲しい。


『ガァ~ンソッソッソッソッソッソ~!

 然しオマエたち!

 ライホウお兄様を不当に妬み追放した罪こそ到底許せんが、

 一方捏造までしてそうせざるを得なかった

 " 絶 望 的 な 弱 さ "には同情してやらんでもないのダ!』


 ……いきなり何を言ってんだかわからねーかもしれねぇが、

 つまるところこの偽物どもは

 "バンバ・ライホウが引退したのはその強さに嫉妬した身内連中の陰謀で、

 ダビデ王症候群で精神病んだ云々も軒並み隠蔽のためにセキガハラが流したデマ"

 だと勝手に思い込んでやがるんだ。


『よって心優しいこの僕が、

 オマエたちにせめてもの慈悲をくれてやるのダ!

 このデモクラシーアイスバインの完全超絶究極奥義で、

 名誉ある死を迎えるがいいのダ!』


 などと宣いながら掲げられた大剣は光を帯び、

 いかにもな感じでエネルギーが満ち溢れていく。


「なんやねん、これ……」

「全く、参りましたね……」

「……案外、短い人生だったなあ……」

「私の生涯に……悔いしか、ないわっっ……!」

「なんでこうなるの……」

「……冗談、きついぜっ」


 ……まさに、絵に描いたみてえな絶体絶命の窮地。

 助かり様なんてなく、死ぬしかねえ状況だと、

 アタマを使うまでもなく理解できた。

 そしてまたヒーローたちは、揃いも揃って同じことを考えていた。


 "それもこれも全部、あいつらの仕業だ"ってな。


(せや……あの能無しのダボどもがやりよったんや……)

(彼らが全てをメチャクチャに……)

(……思い出しただけで腹立ってきた……)

(ほんと、ロクなことがなかったもの……)

(あんな人たちが笑う世の中なんて、間違ってるのに……!)

(でも、ユウトさんが無事なのはせめてもの救いだな……)


 脳裏に浮かぶのは、最悪の記憶。

 最高のリーダーを失い、その後釜に収まった"最悪の奴ら"……

 奴らのせいで、本当に散々な目に遭わされた。

 勝てたはずの戦いに勝てず、守れたはずの命を守れず、

 諸方に迷惑ばかりかけつづけて……

 そうして辿り着いた果てがこれで、本当にいいのだろうか。

 疑問を抱いた所で、答えは出ない。

 例え答えが出たところで、現実は変わらない。


 願わくば、これ以上奴らの被害者が出ませんように……

 せめてそう祈りながら、六人のヒーローは死を覚悟する。


(……ま、ヒーローなんてこんなもんか……)

『完~全~超~絶~究~極~奥~義~~~~~!』


 タイセイの独白の傍ら、

 遂に光を帯びた大剣が振り上げられた……その時。


『ザワークラウトポモドーロミルフィーユマリアー――

 じゅっぼわああああああ!?』


 突如死角から迫りくる青白い光弾……

 あたかも稲妻みてぇに鋭く輝くそいつが、

 デモクラシーアイスバインに炸裂する!


『『『『『『あっじゃぱあああああっ!?』』』』』』


 頑丈そうな装甲を吹き飛ばし、

 屈強な機体を容赦なく吹き飛ばす大爆発!

 まさに災害、神の怒りかってぐれーの一撃だった!


 ともすりゃそんなもんを喰らった以上、

 操縦席の"偽物"どもとてひとたまりもねえ!


「「「「……え?」」」」

「な、なにが……!?」

「そんな……ウソ、だろっ……!」


 だが誰より驚かされたのは、死を覚悟していたマズルフラッシャーの面々だろう!

 なにせ絶体絶命の窮地をまさかの第三者介入で救われたのみならず、

 敵を倒したのが"もはや二度とお目にかかれまいと思ってた一撃"だったんだからな……!

 そしてまた、マズルフラッシャーの面々は更に衝撃的なもんを目の当たりにする。


「な、なんやねん……!

 有り得へんやろがっ……!」

「幻覚でも、見てしまいましたかね……!」

「いやあ、幻覚にしては妙にリアル過ぎません……?」


 現実味がなかった。

 有り得ないと思わずにいられなかった。

 だが心のどこかで"もしかしたら"と僅かに、

 ほんの少しばかりでも期待してなかったってワケでもなく……

 けれど"やっぱり現実的に有り得ないだろう"と断じていて……


「……だとしても有り得ないでしょうがっ……」


 まあ、具体的に何を見たんだよって聞かれりゃあ……


「そんな……()()()()()()()()()()()()()()()()

 ()()()()()()()()()()なんてことっ……!」


 結局のところ、このこれだ。

 レールガンマイスター専用大型戦力"カイザージュピター"……

 搭乗者(ライホウ)が精神を病み引退に追い込まれ、

 暴走の危険もあるからと渋々封印せざるを得ず……

 二度と日の目を見るハズはないと誰もが諦観していた白銀の巨体が、

 今再び戦場に姿を現したんだ。

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― 新着の感想 ―
 もしかするとあの彼の復活か?  正義は絶対に悪に屈しないとか言って死してなお戦いの場に現れそうですしね。  それに万が一に備えたバックアップのAIクローンを用意していたなんて周到さもありそうですし?
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