エピソード25:ヒーロー超絶転身-歓喜の弾道【最終第二楽章】
舞台は尚も茶利尾半島の海岸霊園跡地……
気分を良くしたユウトは尚も延々と歌い続ける!
『新たな時代の幕開け告げる♪
疾風の騎手らよ♪ 魔を打ち破れ♪
気高き師たちは教鞭執りて♪
侵略者どもに義を説きて討つ♪
鳥たちは恋に戦に忙しく♪
神騙る野心家らは死に絶えり♪
太古より続く♪ 神属の猛者ら♪
涙の枯れたる♪ 女王を救わん♪
恒星の力を♪ 宿す拳士は♪
泥人形の♪ 牙城崩せり♪
忍の末裔は♪ 妖魔を鎮め♪
時を超えしィ~力はァ~~~♪
冷たき鋼鉄の~~~帝国を打倒す~~~~♪
五等分の~~~~~守り手がぁ~~~~~♪
悪漢と手を取り~~~~暴君を倒す~~~~~♪』
『『『ジュブウエエエアア!?』』』
『『『ボッギャアアアッ!?』』』
『『『イ゛ゲナアアアイッッ!?』』』
「だああああああっ!?
遠距離攻撃軸にシフトしても結局やられるぅぅぅっぅぅ!?
なぁぜっ! なぁぜぇぇぇぇっ!?」
『学徒ら青春守るべく歪みと戦い~♪
野生の守護者は闇より出でし賊迎え撃ち~♪
救命士と魔物 二つの家族 激突せり~♪
時を超え公僕は追い立てる闇商人を~♪
吼え猛る獣らよ いざ鬼狩りの時来たり~♪
入り乱れる忍の乱 彼れは何処~♪』
『『『ギュブウエエエアア!?』』』
『『『ボッベャアアアッ!?』』』
『『『イ゛ガナアアアイッッ!?』』』
『『『ゴゲエエエエエエッ!!?』』』
『『『ブゲレエエエエッ!?』』』
『竜と人の絆♪ 競い争う進化♪
公僕たちよ♪ 地球を守り抜け♪
兄弟♪ 家族♪ 敵を赦し♪
和解する勇気♪ それが魔法♪』
『『『ゴゲエエエエエエッ!!?』』』
『『『ブゲレエエエエッ!?』』』
『『『ギュブウエエエアア!?』』』
『『『ボッベャアアアッ!?』』』
『『『イ゛ガナアアアイッッ!?』』』
『生きるは冒険♪ 日々突き進め♪
奪わせてなるか我らの宝♪
獣の修練は♪ 果てしなく続く♪
善悪問わず♪ 強さ追い求めん♪
心の原動機に熱を宿して♪
汚染の根源さえ轢き潰せ♪
文字に秘めた力振るう武士♪
道を外れたる化生討つべし♪
天より御遣い現世に降り立ち♪
影に潜みし堕落者を暴かん♪
船~~乗りよ~~♪ 鍵を~~~継~ぐべし~~♪』
『『『ガアアアアッ!?』』』
『『『グギイイイッ!?』』』
『『『ゴゲエエエッ!?』』』
『獣と手を取り合う精鋭らよ♪
暗躍せし盗人を許すな♪
古く強き者の認めし電♪
人心貪る害虫駆除せよ♪
幼子たちの鮮やかな想像力♪
連なりて無明の闇をも照らす♪
脈々と受け継がれし心の刃♪
諦め悪き敵将の首も取らん♪
野生の~~~~力~~~今~こそ~~解き放~~~てっ♪』
『『『ブグエエエエエエエッ!?』』』
『天の闇に輝く星々が♪
破滅の為政者攻め滅ぼせり♪
世の為 人の為 雙つの義が交わる♪
手を取り合い 守り抜き 取り戻せ♪
竜の騎士らよ 剣を研ぎ澄まし♪
信念のために 自立を果たせ♪
そしてまた~~時は移り変わり~往く~~~♪
感謝を~~♪ 賛美を~~~~~♪』
「いい加減にしなさいよ~~~!
わけわかんない歌ばっか歌って~~~~!
私様が何したっていうのよ~~~~!」
喚き散らすフクロムシスターだが、
当然その声は届かない。
一方、歌は遂にクライマックスへ突入する!
『磨かれし意志は煌き輝き♪
昏き淀みにも彩り齎す♪
世界を回す無数の歯車が♪
閉ざされた祖国を解き放つだろう♪
正しさしか知らぬ孤高の王子♪
臣下と共に鬼討ち続ける♪
六つの王国に為政者八人♪
大敵滅ぼし国民守り抜かん♪
己の往く道己で築く♪
支配に屈せず轍を刻む♪
願いのままに神と手を取り合い♪
頂き目指して剣を掲げる♪
剣を~~~掲げ~~~~♪
ね が え~~~~~~♪』
『『『『『『『『『『『ズウッバアアアアア!?』』』』』』』』』』』
「ああ、やめて……私様の……あたしの、ぐんたいがあ……」
『誰しも嘗て憧れを抱き♪ その生き様に正義を学んだ♪
見るがいい♪ 称えよ♪ 彼らを♪ 捧げよ♪ 感謝を♪』
『『『『『『『『『『ゼンッダアアアアアアッ!?』』』』』』』』』』』
「やめてよお……もう、いやなのお……
やめてったらあ……ああ、ああああ……」
『そうだ かの者達こそ 我らの心照らしたヒカリ♪
それぞれの往く道は違えどきっと 誰の心にもそうだ♪
残り続け燦然と輝く 長く途切れぬ軌跡 だ♪
アゥワァー オンッリィー ヒィー ロォォォォォォォズ♪』
『『『『『『『ハンセエエエエエエエキッ!?』』』』』』』』』
ユウトの歌に操られた弾丸でもって破壊され尽くした女体化ゾンビたち……
膨大で上質な魔力を宿し無数に増殖し続ける"無敵の大軍勢"だったハズのそいつらは、
一人のヒーローが操る弾丸でもって悉く全滅させられちまったんだ。
「いやっ……いやあ……
いやああああああああああああああああああああああああ!」
手勢、全滅……
余りに絶望的過ぎる状況に、フクロムシスターはついに泣き叫ぶ。
「こんな、こんなハズじゃ、なかったのにい……!
どうして……どうしてなのよお……!
なんで、なんで、こんなっ……!」
散らばった肉片を前に呆然と、力なくへたり込む魔術師……
涙も枯れ果てたその顔は虚無に染まり切り、
高貴ぶって傲慢に振る舞ってた頃が遠い昔に思えちまうような有り様だった。
雑な言い方しちまえば、ひたすら哀れで無様な醜態晒してたってこったな。
『……取り敢えずひと段落、か?』
[I'm not sure.
Since we can't be certain, it would be best to wait
before undoing the transformation, just to be safe.]
(和訳:どうでしょうね。断定できない以上、
念のため変身の解除は待つべきでしょう)
『……そうだな。フォルネウスハルバードの強化版も試せてねーし』




