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175話

ナハトは自分の考えたことが合っていることを祈るばかりだった。

一方、レイたちは話しに夢中になっていたのかお茶菓子を出し忘れていたので急いで準備を始める。だが、ナハトたちがいることに気づく。その時はすでに遅いと思いつつもナハトたちを座らせて一息つくことにした。

その後はウストたちが旅をする経緯を話してくれたりした。なんでも二人はロイチンという街で冒険者として活動していたそうだ。

「へぇ、ウストさんたちも元の世界に戻ったりとかはないんですね」

ナハトは疑問を言葉にする。

「まぁな。俺達はここで生きていくことを決意したから。家族を養うために働かないとだからな。あと、できればナハトさん達の力を貸してほしいと思っている。」

ウストの話を聞き、カイトとナハトは顔を合わせる。

「う~ん。僕はロイチンでの暮らしは慣れているけど、カイトはどう思う?」

「俺は問題ないと思うよ。でもナハトが望むならナハトの意思を尊重するよ」

二人は意思を伝え合う。

それをみたエリスは申し訳なさそうにして


「ナハトさんたちの事情も知らず勝手なことを言い出してごめんなさいね」

「いえいえ、全然気にしてないので大丈夫ですよ。それに、ロイチンで暮らせるなんて願ったり叶ったりです!」

ナハトは明るい声で話す。

「そう言ってもらえるとありがたいわ」

エリスは笑顔で応える。

話が一段落した後、エリスは話を切り出した。

「それじゃあ今後のことを話す前にこの惑星の状況を説明した方がいいでしょうね」


ナハトは真剣な眼差しを向ける。

「まず、ロイチンはこの惑星の中でも小さな街なの。人口はおよそ5000人程度で、ほとんどが人間だけど、ごくまれに、獣人族やエルフ、ドワーフなどいろんな種族が集まって暮らしているわ。ちなみにこの街で一番有名なものは、『金の泉』という黄金の湧く泉だそうね」


ナハトはそれを聞くと驚いた顔をした。

なぜならナハトの知る限りこの世界には金銀銅といった鉱物は存在しないからだ。おそらく惑星ロイチンにも存在しないだろうと考えていた。もし存在するとすればこの世界のどこにあるかを突き止めたいと考えたのだ。


「なら僕らの故郷の惑星イーストヴェルとはそもそも違う感じだな。それに、僕らがいたイーストヴェルでは金よりも銀の方が貴重とされているからやっぱりここは僕が住んでいた惑星ではないみたいだ。」

ナハトはそこまで思考を巡らすと、またエリスの方を見る。

「ここからが本題なのだけれど、現在この惑星は、複数の勢力から攻撃を受けていて大変危険な状況にあるの」

エリスが深刻な面持ちで言うのを聞いてナハトは不思議に思った。


エリスに質問する。

「それってどういうことですか?争いが起きてるってことですかね?」

エリスは首を縦に振る。

話をまとめるとこういうことだ。

1つ目は『黒翼の一族』、『悪魔族ディアボロス』、『天魔一族』と呼ばれる者たちが争っているようだ。彼らはお互いに相手を倒す為に動いている。2つ目の勢力が最近新たに加わった勢力のようだ。

彼らの特徴は漆黒の身体を持ち空を飛ぶことができる。


「ふむ……。これはもしかして……悪魔の因子を持つものたちじゃないかな……」

ナハトは心当たりがあることを口にする。

すると、エリスは驚いた様子を見せる。

「その通りよ。よくわかったわね。」

ナハトはさらに考え込むような仕草をして言う。

「この前の戦いで、あの時の魔王は確か僕の事を敵視していたはずなんだ。だとしたら、今、この世界にいる可能性があるかもしれない。」

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