174話
「さあ、行こう!」
カイトはそう言うと、ナハトの手を取って共に歩き出します。二人は、新たなる未知の冒険へと旅立つために、一歩ずつ大地を踏みしめていきます。彼らの心には新たなる冒険への期待と興奮が溢れています。
これからどのような冒険が始まるのか、二人にはまだわかりません。しかし、どんな困難が待ち受けていようと、彼らならきっと乗り越えられるでしょう。
「ロイチンへようこそ! 新たなる冒険の旅路に幸あれ」
「ありがとう。僕はカイト」
「俺はナハト」
「俺は惑星ロイチンの街ロダンの警備兵のルミナスだ」
「よろしくね、カイトくん、ナハトさん。私はエリスよ。こちらが夫のレイです」
カイトとナハトは、エリスと握手を交わします。すると、エリスは二人の後ろを見て、不思議そうな顔をして尋ねました。
「あら? そちらの方々は?」
カイトとナハトの後ろには、ロイチンの住民であるウストとチェイスがいました。二人は、エリスの質問を受けて、自己紹介をしました。
「僕はカイトでナハトは僕の夫です」
「ええ!?カイトさんもナハトさんと男性ですよね!?」
エリスは驚く。
「僕は惑星イーストヴェルで研究して男性でも子供作れる研究をしていましてそれがかない僕は2人の子供を産みました」
「まぁ……それは凄いわねぇ……」
エリスは驚きつつも感心した様子で言います。
「それにしても、あなた達夫婦はどうしてここにいるのですか?」
「実は私達は惑星ロイチンにある『星の泉』という場所で、星空を見上げていたんです。」
ナハトはそう言って、自分の過去を語り始めます。
「僕達が惑星ロイチンに着いた時に、星の泉から声が聞こえたんだ。それで、星の泉に近づいたら、星の泉から光の玉が現れて、その中から君が出てきたんだよ」
ナハトの言葉を聞いて、エリスは納得する。
「なるほど、そういうことだったのですね。では、詳しい話をお聞きしたいのですけどよろしいでしょうか?」
「はい。もちろんいいですよ。」
ナハトはそう答えると、自分とナハトの出会いについて話し始める。
「あの時、ナハトが星の泉から出てきて、それから、ナハトと一緒に星の泉に入っていったんだけど、そしたら急に眠くなって……気がついた時には、この世界にいたんだ。」
「な、なるほど……。とりあえず、一旦落ち着く場所に移動しましょうか。話はそこでしましょう。」
エリスの提案に全員が賛成し、一行はエリスの家に向かって移動を開始する。
「それじゃあ、俺が案内しよう。ついてきてくれ。」
ウストは先頭に立って歩き出す。その後ろをナハトとカイトはついていく。
しばらく歩くと、一軒の家にたどり着く。ウストによるとここがエリスの家のようだ。
「さあ、どうぞ入ってください。」
「はい。失礼します。」
ナハトとカイトは家に入る。
「今、お茶を入れますので少し待っていて下さい。」
エリスは台所に向かい、お茶を入れる。
「では、改めて自己紹介をさせていただきます。私はこの惑星の市長をしているエリスといいます。こちらは妻のレイです。そして、息子のウストと娘のリリィです。」
「よろしくお願いします。」
ナハトとカイトは頭を下げる。
「ところで、二人はどうやってこの世界にきたのですか?」
「それがよくわからないんですよ。星の泉に入ったら、いつの間にかいて、気づいたらここにいたっていう感じで……」
ナハトは困った表情を浮かべながら言う。
「ふむ……そうなると、もしかすると、星の泉の力が関係しているのかもしれませんね。」
エリスは考えながら言う。
「星の泉ってなんですか?」
「あー、えっと宇宙空間のどこかに存在すると言われている不思議な泉で、そこに入るとその人の願いを叶えてくれるらしいの。ただ、その泉の場所や効果については詳しくわかっておらず、謎が多いのよね。」
「なるほど。」
(時空間の歪みかなにかかな)