表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/7

分身

回復魔法で作った分身と試しに融合してみた。

成功した。


どうやら分身した後からだを粉砕して自身の体と混ぜ合わせることで分身の経験や成長を自分に取り込むことができるようだ。

某忍者漫画の「〇分身」とほとんど同じだ。

しかも分身の受けたマイナスの効果は受けないと来た。最高だね。


ということで僕は分身できる最大の五体になり、分身には目隠しをさせて聴覚を研ぎ澄ます訓練をさせることにした。僕自身は家で剣術の訓練を行い、分身は森に放って魔獣狩りをさせ、自給自足の生活をさせることにした。

目隠しは自分の自我を保つためにも必要なのでこの訓練は必須だ。

始めの一週間は分身数人がかりで小型の一体が限度だったが一体に二体と増えてゆき、3月後には一日魔物8体のペースで狩ることができるようになった。その次は盗賊、そして冒険者と狩る獲物を増やしていった。

そうして一年後僕らは森の魔物を狩り切った。


僕の住む町周辺は魔王城跡からかなり離れている。なので魔獣がリポップするまでに時間がかかるのだ。

やり込みすぎたMMOのような暮らしが始まった。僕は多彩な魔物との経験を経て魔力の使い方をほとんど理解しきったといってもいい。肉体強化や圧縮などの基礎的な部分しか使えないがそれでも僕には十分だった。


ただそんな僕でも勝てないものがある。姉だ。アルテミシアにはどんな手でかかっても軽くあしらわれる。さらには彼女は僕の武器の意外性がなくなったと残念がっていた。僕はこの一年間自分を鍛え続けた。しかし、兄弟には勝てなかった。自分に何が足りないのか。考えてみたら簡単だった。僕とアルテミシアの剣の腕は同じぐらい。しかし僕の魔力量は少ない。僕はレベルで言ったらもうカンストしているといってもいい。魔力量がものをいう世界に魔力量が少ない人間が立ち入っても正面から戦えば負けるのだ。


そんなことはわかっている。ぐずぐず考えているうちにアルテミシアは剣士学校に行ってしまった。


しかし自分にはできないのだ。近距離で戦うことが。腕力だけなら剣術だけならとかそんな話ではない。


この世界は厳しい。魔物に勝てるだけでもある程度剣術ができるだけでもダメなのだ。


僕は決意した。五年後必ずアルテミシアを倒すと。

そのために努力は惜しまない。なにをしてでも勝つ。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ