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第10話《乱入》
蛇たちが俺たちを喰らおうとした瞬間やった。
「駄目ですよ~。《無法者》の侵入は、この私が赦しませんからね?」
一瞬にして、蛇が消えてしまった。
「ほう。久しぶりやな、ラフィンちゃん。元気そうやな?」
ケタケタと笑う骸を一瞥して、ラフィンはマサに向き直る。
ラフィンの表情には、余裕の笑みが浮かんどった。
「管理者が《無法者》と共謀しているなんて、驚きですねぇ?」
「ちょっと、遊んでるだけや。それよりも――お父さんが、会いたがってたで?」
とんでないエネルギーの塊が、骸に向かって放たれた。
それを意に介さずに、片手でかき消しとるがな。どんなけハイレベルやねん。いまの俺が、勝てる相手やないで。
気付いたら俺は、笑っとった。
まるで、気でも狂ったように――嗤っとった。
大好きな叔父さんが、生きとった。俺の憧れで、目標やった男や。
その叔父さんが、管理者やったんやからな。
嬉しくない訳がないわな。
全員の視線が、注がれとるがな。
「おどれら全員、俺が倒したるッ!」
その場にいる全員に、笑われたがな。
いまに見とれよ。