第9話《しっかり死んどるよ》
「どうした?」
呆然とする俺に、叔父さん――骸は、問い掛ける。
骸:レベル999999999 職業:管理者
不思議そうに、言葉を続けた。
「吸うか?」
差し出された煙草には手を出さずに、俺は言葉を絞り出した。
「生きとったんか……?」
とっくの昔に、死んでいたものかと思った。
葬儀の席で、皆が叔父さんの死を悼んでたことを、俺は忘れてへん。
隣りで戸惑うラフィーネも、同じはずや。
確かに俺もラフィーネも、棺のなかで眠る叔父さんの姿を見とったんや。
頭のなかを混乱が埋めつくしてる。マサの出現だけでもかなりの衝撃やのに、叔父さんが生きとったなんて、まるで理解が――感情が、追いつかへんねん。
「心配すんな。俺は、しっかり死んどるよ」
あっけらかんと笑う叔父さんが、理解できへんかった。
「お前も仲間にしようかと思って来てんけど、まだ早かったみたいやな」
「そういうわけや、兄貴。悪いけど、敗北でも味わってもらうで?」
【双蛇の抱擁】(P)
攻撃力を100000倍にする。
竜属性・剣属性の2連撃。
この効果はカウンターを無視する。
この攻撃を受けたものは、『猛毒』状態になる。
2頭の蛇が、俺たちを襲った。