第1話《上限解放できるやん!》
宿につくなり、俺はスキルを見直した。
タナトスに付けているスキルに、カウンター反射とスキル無効がある。
どちらも、一度だけしか使われへん。
攻撃系のスキルが多いねんけど、今後の展開を考えるとバランスを変えらんとアカンやろな。
どれを外せば良いのか正直、迷ってんねん。
ラフィーネの武具と合わせても、いまの編成だけではドクターに対処しきれへん気がする。
手持ちの武具を一通りみて、ある考えがよぎる。
――上限解放。
タナトスの上限解放を試みて、ガチャを100連ほど回してみたんやけど、残念ながら解放石は出らんかった。
けど、いくつかの武器がだぶついて出てきた。
それらの武器をスキル玉に錬成したり、上限解放をしたりとできるねん。
さて。
どうしたもんかな。
頭を抱えている俺の隣りでは、ハウゾウくんも同じように頭を抱えながら何やら呻いている。
新規オープンするお店――ハウゾウマートの研修が、そうとうに大変なようやな。
「そう言えばさ。バルバロとミレーニア、抜けるらしいよ」
「知ってる。ミリアちゃんから、聞いたから!」
ラフィーネは、あっけらかんとしていた。
「なんや、知ってたんかい。それなら、話しは早いな」
「どないしたん?」
不意に思いついたことを、話してみた。