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第9話《えげつないにも、程があります!》
えげつないスキルばかりを、ドクターは揃えとるな。
それをわざわざ見せびらかすためだけに、ブンブン丸をだしに使っているようやで。
まったく、悪趣味なこっちゃで。
めちゃくちゃライバル視されてるんか、それ以上に気に入られてるんか、ドクターは常に俺を意識してるねん。
「まだ、何かできる?」
「ない!」
ブンブン丸は、即答やった。
ここまで虚仮にされたら、何も言えんようやな。
「そうか。なら、終わりにしようか?」
興味がなくなったんか、次のスキルでとどめを刺すつもりのようや。
ドクターの周囲を、9つの剣が出現していた。
「悪いけど、駄目押しのスキルを使うよ!」
【付与の光】(A)
一度だけ攻撃に、防御無視を付与する。
これまた、俺に向けたメッセージのようや。
きっとあとから、酒を飲みながら自慢話を聞かされるんやろうな。
――参ったなぁ。
「僕の完全勝利だ!」