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ゲームの世界に閉じ込められて、最強と呼ばれる覇王剣をガチャで当てたので管理者をぶち殺します!  作者: 81MONSTER
第2章【ゲームの世界でも、生活費は必要です!】
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第5話《お金がなくて、3日も宿に泊まれてません……》



「あの……。できれば私も、連れて行ってもらえませんか?」




 黒衣(ローブ)に身を包んだ女が、声を掛けてきた。


 やせ細った出っ歯の女や。手入れされていない髪には、白髪(しらが)が混じっている。オバサンではないにしても、若くもない。見た目の雰囲気が暗いせいで、老けて見えるな。



 おかっぱ頭やし、ちっさいしで、出来損ないのコケシに見えるねん。



 ミレーニア:レベル10 職業:ダークメイジ




 職業からして、闇属性で間違いないやろう。ガチな初心者であるが、誰からも仲間にして貰えずに困ってんやろうな。ミリアと同じく、はみだし者というわけや。ラフィーネはミリアにも、ミレーニアにも興味がないといった感じや。



 俺も興味ない。



 職業的にみても、攻撃よりも防御系のスキルに特化とっかしてると思われる。一人ではゴブリンが相手でも、苦戦をしいられそうやな。

 クエストに行かなければ、生活費も稼げないのでミレーニアにとっては死活問題。そりゃあ、暗くもなるやろう。



 恐らく攻撃よりも、防御系のスキルに特化してるんやろうな。闇属性やから、ひとまずは連れていったるけど、あまり仲間にはしたくないタイプではあるなぁ。



 まぁ、この手のタイプは経験上、気付いたら自分から去っていくんやけどな。



「お金がなくて、3日も宿に泊まれてません……」




 表情を曇らせて、ぼそぼそと語り始めた。

 性格も暗いみたいやし、需要はないやろな。三日間、路上生活してたんかな。





 ゲームの世界でも、現実世界でも、周りに溶け込めずにいてるんやろうな。


 放っておくとそのへんで野垂れ死にしそうで、追い返すと後味が悪くなりそうや。




「良いよ」




 そう答えると、表情を輝かせた。

 ホンマは、仲間にしたくないねんけど、しゃあないわな。



「ありがとうございます。よろしくお願いいたします」



 暗いけど、最低限のコミュニケーションはとれそうや。ミリアよりはマシ、といった印象でしかないがな。


 ミリアはというと、面白くなさそうにミレーニアを見ていた。というか、めっちゃ睨みつけてるやん。バチバチに対抗心、燃やしとるがな。



 コケシVSニワトリ女とか、B級映画でもないで。




「ウチはロキみたいに甘くないから、しっかり働かんかったら追い出すからね?」



 現実主義のラフィーネが、しっかりと釘をさしていた。


 ミリアやミレーニアとは対照的に、ラフィーネの顔立ちは整っている。

 気性の荒い性格と、生まれついての赤髪のせいでかなり攻撃的に映って見える。そんなわけで、ミレーニアはビビりまくっている。




 ミリアはというと、面白おもしろくなさそうにミレーニアを見ている。ミレーニアの存在が、不満でしかたがないんやろうな。



「ねぇ、ロキ。こんな女が居なくても、わたしが居れば充分じゅうぶん、クリアできるわよ?」

「いや。ミレーニアは、連れていく。見ての通り、うちのラフィーはかなりドライやからな。しっかり、働いてもらうで?」

「ロキ、お前もや!」



 本当に、ラフィーネはドライやった。

 それは、ともかくや。



 はっきり言って、ミリアは邪魔やな。ミレーニアも、いらんねんけど。



 大体だいたい、ニワトリ剣士なんて、ふざけた職業が役に立つとは思えない。



 おまけにブルドッグみたいな顔で、目付きが悪い。

 ハウゾウくんは呑気に、毛づくろいをしている。




「もしかして、私はお邪魔じゃまでしたか?」

「そうね。あなたは、足手あしでまといになるわ」

「ごめんなさい……」




 邪魔なのは、ミリアの方や。

 多分、使えない。

 少なくとも、ミレーニアは気を使える。



 その差は、大きかった。




「やっぱり、私は居ない方が良いですよね?」

「そんなこと、有らへんよ。ついておいで」



 表情が、みるみる暗くなる。




「とりあえず、5人で行ってみよか?」

「そうね。どっちが役に立つか、格の違いを教えてあげるわ」



 自信満々に、ミリアがうなずいた。

 その自信は一体、どこから来るんやろか。

 ミレーニアはと言うと、すっかり萎縮(いしゅく)してしまっている。



 どのみち。

 何もしなくても、そのへんを歩いているだけでクエストクリアになってしまう。


 覇王のスキルは、それだけ絶大なんや。



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