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第9話《本気のドクター》
3日目も俺たちは、勝ち越せた。
俺とドクターは、いまのところ負けなしや。
だからこそ、油断はできへん。
「おつかれ~!」
客席には、ドクターがいた。
このあとに試合を控えてるから、さすがにシラフやった。
まず間違いなく、ドクターは最終日まで負けへんやろう。
まだまだ、隠し玉を持ってるはずや。
だからこそ、俺も色々と仕込んできた。誰にも負けへん自信がある。
「さっきの試合、全力じゃないだろう?」
「ドクターは、何でもお見通しやね」
カラカラと笑い声をあげて、こう付け加えた。
「だろうね。僕も同じだよ!」
底知れないドクターの強さを、早く実感したかった。
一体、どんな秘策がくるんやろうか。
それが、今から楽しみで仕方がない。
俺は本気のドクターが、見たいねん。
そして、全力で倒したい。