第8話《ロキちゃん、強いね!》
リチャードの奇襲は意外やったが、ようやく俺の武具スキルが、発動した。
紫色の光をまとった竜が、リチャードたちに襲い掛かる。
【覇王竜刃破】(P)
最初の3ターンの間、編成している闇属性キャラの人数×300倍の攻撃力と、防御力がアップする。
最初のターンの初めに、編成する闇属性キャラの人数×10倍の闇属性による全体攻撃が発動する。
この攻撃をまともに喰らえば、かなり上位の相手でも普通に死んでしまう。
なので通常は、カウンターで返してくる。
だがそれも最近では、カウンター無効や反射で返せてしまう。
「厄介だよね。君のこのスキルは、カウンター系じゃ駄目だ!」
リチャードの言葉よりもさきに、ヴォーグが動いている。
「だから敢えて、喰らってしまおうって話してたんだ」
ヴォーグの手には、金色に輝くスキル玉が握られている。
【俺に任せろ!】(A)
すべての攻撃を、術者が一人で受ける。
このスキルが発動している間、術者が倒れることはない。
「知ってるかい。ヴォーグは、ここからが凄いんだ」
【不滅の刃】(A)
任意の相手一人に、防御無視の攻撃。残りライフが低いほど攻撃力が上がる。
気付けば、背後にはヴォーグがいた。
いつの間に、移動したのかすらも解らない。
ヴォーグには、まるで気配がないねん。
「舐めんなやッ!」
攻撃を受けながらも、俺は反撃をした。
防御無視の攻撃は、反撃系のスキルなら通るねん。
【効かぬわ!】(A)
深刻なダメージを受けると、ライフが50%回復する。
攻撃力が50%上昇する。
同様のバフとの併用可能。
攻撃した相手に、攻撃力の10倍のダメージを与える。
昨日、当てたばかりの新スキルや。
かなりチートなのは、覇王スキルやからやった。
「いまの俺は、ガチで強いで!」
ヴォーグを葬り去って、俺は叫んでいた。