第10話《全力で、ぶっ殺します!》
試合が終わって、選手控室にいくとバルバロたちがスタンバイしていた。
頼んでいた通り、30連ガチャをしてもらった。
獲得したスキルをざっと確認すると、目をつけていたスキルが三つほどあった。
大急ぎでスキルを編成に組み込んだ。
次の試合は、いよいよ俺たちの番や。
俺の予想やと、今回はそこまで苦労しない。
これまでの試合を見る限りでは、いまの編成でも十分に通用するやろう。
加えていまはまだ、俺たちの手の内を知るものが少ないことが、大きなアドバンテージを生むはずや。
なのでハウゾウくんは、終盤までは編成には入れずにいく。
というよりも、出られへんかった。
なぜならハウゾウくんは、お店を経営するための研修に行かなければならないのだ。
お店を経営するための初期費用を、運営に支払ったねん。
そしたら数日間の研修をせんとアカンらしく、これから行かんとアカンくなった。
「ハウゾウさま、お迎えにあがりました!」
運営から、ミモリという名の女が迎えにきた。
「それではパパ上、ママ上。行って参るでござる!」
「気を付けていくんやで」
そんなわけでハウゾウくんは、ミモリに連れられてオーナー研修に向かった。
ハウゾウくんなしで、俺たちはリーグ戦を勝ち抜かなければならない。
――さて。
ミリアたちに向き直ると、皆が俺を見ていた。
「わたしたちは、どう動けば良いかしら?」
「何もせんで、良い。いつも通りにやれば多分、勝てるはずや」
その言葉の意味を理解できるのは、ラフィーネしかおらんやろうな。
俺たちには、最強の武器がある。
「最強のプレイヤーが誰なのか、しっかりと教えてやらんとな!」
「安心して。こういう時のロキは、めっちゃ強いから」
不安と疑問を浮かべた顔の一堂に、ラフィーネが代わりに応えてくれている。
「とにかく、入場しよか?」
「いきましょう!」
俺とラフィーネに、皆がついていく。
初戦から、本気でいかせてもらうで。