第2話《潜在解放スキル》
ハウゾウくんのステータスを確認をしていて、気付いたことがあるんやけどさぁ。
潜在解放スキルが、あるねん。
パッと見た感じやと、竜化スキルなんやけど、こんな感じやった。
【黒竜の目覚め】《P》
ライフが30%を下回ると、発動可能となる。
術者を竜化させて、すべてのステータスを上昇させる。
内容を見るかぎりでは、俺とエンカウントした時には、かなり消耗していたことになるな。
潜在解放の項目は俺にもあるんやけど、残念ながら未解放やった。解放条件は不明やが、さらなるチートの予感がしてワクワクしてきた。どうすれば解放できるのか、調べらんとな。
ハウゾウくんのステータスから、潜在解放は10段階まであることが解ったのは大きな収穫やった。
「ちょっと、ラフィーのステータスも見たいんやけど?」
「アカン。いくらロキでも、手の内は晒せんわ。そんなことよりも、お金の問題のほうが先やで、ロキ。解ってんの?」
唐突に、ラフィーネは現実的なことを宣い始めた。
ゲームの世界でまで、現実と同じようなことを言ってるがな。G稼ぎなんか、ゲームを攻略してれば自然とできるんとちゃうんかな。そこまで心配する事とちゃう気がするねんけど、どうやらラフィーネは確実なことを知りたいようや。
「よう、考えりや。お金がないと、何もできへんのやで?」
「解っとるがな。稼げば、えぇんやろ。楽勝や!」
現実世界でもゲームの世界でも、お金の管理を、ラフィーネはしてくれている。
なので現実的な考え方に至るのは、当然のことではあった。煙草代だけで、一月に、150Gや。宿代が一月で1500Gか。食費を少なく見積もっても、3人で800Gはかかると、ラフィーネは矢継ぎ早に言い出した。
ゲームの世界なので、自炊ができないのは痛い。食料品の買いだめができひんから、その都度どこかで買わんとアカンな。
最低でも1ヶ月に必要経費として、2450Gはかかってしまうようや。
俺たちの所持金が3500Gやから、一月半ほどしかもたへん。
モンスターを倒しても、お金はドロップせんかったので別の方法を探るしかないようや。お金を稼ぐ方法を見付けない限りは、ラフィーネの機嫌が悪いのは間違いないやろうな。
「お腹、すいたでござるなぁ!」
恐れしらずなハウゾウくんが、無邪気に朝食を催促している。
ラフィーネは無言で、俺をにらんでいる。めっちゃ、何かを言いたそうや。
暫しの沈黙の後に、ラフィーネはため息をついた。
絶対に俺が同じことを言っていたら、怒ってたやろうな。
「朝ごはんにしよか……」
「やったで、ござるよ!」
売店で買っておいたおにぎりを、ラフィーネは取り出していた。