第4話《更なる反撃です!》
「そろそろお前たちに、絶望を与えてやろう!」
その男の年齢は、30過ぎぐらいやろうか。
萌え天使という名のプレイヤー名からも解るように、リアルではかなり痛い部類に入る風貌をしてるねん。
漆黒の鎧に、美少女のイラストが描かれとる。
その美少女は何かのキャラクターなのか、天使のような翼が生えている。
萌え天使のオッサンの手には、剣ではなくハートのついたステッキが握られている。
「我が守護天使である、萌え萌えモエカたんの一撃を受けるがよい。萌え萌えバーニングッ!」
痛すぎるオッサンの叫び声とは裏はらに、とんでもないスキルが放たれとるがな。
【暗黒のキューブ】(A)
敵全体に、攻撃力の2倍のダメージ。
50%の確率で、1ターンの行動不能を与える。
大きなキューブ状の物体が、萌え天使の頭上に出現する。
その見た目は、真っ黒なルービックキューブである。
「萌えて、死ぬが良いっ!」
萌え天使の叫び声に呼応するように、キューブが弾けて飛散した。
無数のキューブが、リチャードたちを襲う。
カウンターを発動させようと、仲間の一人であるマルコスがスキル玉を掲げた瞬間やった。
「あら、芸がないのね?」
ラミーが更なるスキルを発動させる。
最初に倒すべきやったのは、どうやらラミーの方やったようやな。
【ダーク・オブ・ムーン】(A)
3ターンの間、あらゆる攻撃を無効化する。
術者が攻撃されるたびに、攻撃者は倍のダメージを受ける。
カウンターを潰された上に、マルコスはリタイアした。
これで、リチャードとヴォーグだけになってしもうたわけやな。