第7話《裁きの光》
天空に出現した大きな魔法陣が、激しい光りの雨を降らせている。
その効果範囲は広くて、誰ひとり逃れることは不可能やった。
――SPスキル。
【裁きの光】(A)
すべての敵に、倒れた仲間の数×5倍の攻撃。
生き残った敵がスケール状態の場合、2ターンの行動不能を付与して、全てのバフを解除する。
この効果で、カーズが死亡する。
そして、アッキーの行動不能によって、残り1ターンを凌げばドクターの勝ちとなる。
「さて。またまた、僕のターンだね。攻撃は無意味なんで、僕は防御に徹することにするよ」
「本当に、良いの?」
アッキーの問いかけの真意は解らない。
「――ん。この期に及んで、まだ小細工を企んでいるのかい?」
「そうじゃないわ。いまの編成に、満足してるのかって聞いてるのよ」
「そんな事か。別にまだ、満足はしてないよ」
「なら、うちに来ない?」
まさかの勧誘やった。
確かに三人が手を組めば、えげつなく強くなるやろう。
「それは、お断りだね。僕はもっと、強くなりたいからね!」
穏和なドクターが、獰猛な光りをその瞳に見せている。
そのさまは、まさに頂点捕食者のそれや。
「気が変ったよ。いまここで、完膚なきまでに叩き潰すとしよう」
明らかにドクターは、怒りの感情を昂らせている。
気が短くて、攻撃的。そして、意にそぐわぬ者は徹底的に排除する。
それが、ドクターのやり方である。
【強制解除】(A)
相手一人のスキル効果を、強制的に解除する。
とんでもないスキル玉を、持ってるな。
どうやらドクターにはまだまだ、隠し玉がありそうやで。
「僕はね、アッキー。自分の思い通りの闘い方で、誰よりも強くなりたいんだよ。ゲームって、そんなものだろ?」
九つの刃に貫かれて、アッキーは倒れていた。
やはりこの面子のなかでも、ドクターの強さは際立っている。