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第三話:幼馴染の根暗っ子

時雨「前回ご登場しました霜崎剣治について紹介をさせていただきます天道時時雨です。霜崎剣治とは賢治だったりもしますが基本的には同一人物で容姿端麗、成績優秀、オタクっ気が多少なりともあります。一時期はモビルスーツのパイロットもやっていたといっていた気がします。こんなものですかね〜って!何で僕が剣治の紹介をしているんだぁっ!」

前回のあらすじ:生徒会長によってずたずたにされた天道時はついでにいうなれば生徒会長の名前の記憶までも奪われてしまう。これでは全国の生徒会長萌えに申し訳がたたない……記憶操作をどうにかして解除しようとする時雨はとりあえず自宅へと満身創痍で帰宅するのであった。


第三話:幼馴染の根暗っ子

「ただいま」

「お帰り」

 自宅へと帰ってきた僕は夕飯の準備をしている母親にそれだけ告げてそのまま部屋へと引っ込む。いつものようにかばんを置いて再び戻ってくると僕の母親である真由美母さんはいつものように眉をひそめた。僕が三歳のころに父親は再婚し、物心ついたときには今の母さんだったために確執とかそういったものはない。お互いバツイチで真由美母さんにも二人の子どもがいた。

「また、ちゃんと着替えてきなさいって言ったでしょ」

「だってさぁ、どうせ夕飯食べてお風呂はいるんだから別にいいじゃん」

 これまたいつものようにそうい言い放つとみかんを渡された。

「何これ?夕飯?」

「違うわよ、これをお隣の玉城さんの家にもっていって」

「……わかったよ」

 立ち上がって顔をしかめっ面にする。僕の幼馴染の家なのだが……漫画とか小説とかみたいに気の強くてデレる幼馴染ではない。女の子だが、少しどこかおかしい。おかしいというのは言動がちょっとあれな気がするのだが見た目がよいためか結構人気のある幼馴染だったりする。

「あ、そうそう千夏が帰ってきたら今日はお母さん用事があるから帰ってくるのが遅いって言っておいてね」

「ちなねぇに?電話すればいいじゃん」

 天道時千夏……僕の血のつながっていない姉でものすごく頼りになる人で美人だ。スタイルだって抜群だし頭がいいほぼ完璧人間……今はどっかの研究所(謎の組織とかの研究所だったら面白いが残念ながら新型殺虫剤を開発するようなところだ)に勤めていて八時前後に帰宅している。

「あの子の電話につながったためしなんてないわよ」

「そっかぁ、そうだよねぇ」

 ちなねぇはケータイを毛嫌いしている。使うところなんて見たこと無いし、電話帳の中身は家族と研究所の番号だけだ。彼氏とかいてもよさそうなのだが仕事一筋といった人なので今は作る気ないそうだ。

「それと、蕾が帰ってきたらトイレを掃除してもらって」

「わかった」

「じゃ、私はもう行くからきちんとお隣に届けておいてね」

「はいはい」

 じゃあねとそれだけ残して母さんが家を出て行く。先に夕飯を食べようかと思ったのだが面倒なことから終わらせたほうがいいだろうということで、僕は脳内の決定に従うことにしたのだった。


――――――


「すみませ〜ん!」

 玉城と表札に書かれている門をくぐってサクリファイスと書かれている犬小屋をちらりと一瞥するとパグが出てくる。

 一声なくと同時に玄関が開いて髪の毛で目が隠れている一人の少女が出てきた。決してお化けでもなんでもなく、僕の幼馴染である玉城理子さんである。

「……あ、時雨君」

「これ、母さんがもっていくようにいったんだ」

「ありがとう」

「じゃ、またね」

「うん、また」

 幼馴染と言っても所詮はこの程度だろう。

 潔く、僕は背中を見せてそのまま帰ることにしたのだった。


―――――――


「………あのさ、時雨君?」

「え?」

 帰ろうとした僕の背中に少しばかりうわずった声が追いかけてきた。

「何?」

「こ、今度の日曜日に相談したいことがあるんだ。だからちょっと付き合ってくれない?無理にとは言わないけど………」

 そっぽを向いて僕へとそんなことを話しかけてきた。

「………いいよ別に。それで、どこに来ればいいのかな?」

「えっと………私の家じゃなくて、その、図書館で」

「わかった」

 今度は声をかけられる事無く僕は家へと帰ったのだった。


――――――


「しぐにぃ、何かいいことあった?」

「いや、別に」

「ははぁん、さては女の子に話しかけられたりでもしたのかしら?」

「……………そんなわけないよ、ちなねえ」

「そうだよ、しぐにぃが話しかけられるわけないよ、ちなねぇ」

「どうかしらねぇ〜」

 そんな感じで僕の一日は幕を閉じたのであった。


 時雨の心拍数が3上がった♪



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