本ずきんちゃんの為のEgg's-dream動物日誌
親愛なる『小説、シナリオ、本』を愛する全ての方々へ
突然の申し出、失礼かと存じ上げますが、何卒
お力添えを戴ければ重畳に思い、この節は助力を請う手紙を認めさせて頂きました。
私事ではあるのですが、私の父は今年に入ってもう
3回目の、入院となりました。
そんな私の父は、熊本地震の際、無数の本に埋まったのですが、『いっその事・・・』って言う程に、本が好きなんです。
だからこそ、私はそんな父の為に、
『痛み、不安、退屈』がはっちゃける様な、
面白い本を創ってみたいと考えたのです。
本当は隣に付き添いたいのですが、
コロナで面会さえも許されない状況です。
だからこそ、私は、この東京で、せめて私の代わりに、父の隣に寄り添ってあげる事が出来る様な面白い本を創りたいと考えたのです。
私が途中迄書いた動物日誌の続きを『小説、シナリオ、本』を愛する全ての方々に書いて頂きたいと考えているのです。
全ては私の我儘でしかないのは、重々承知しておりますが何卒、何卒、お力添え宜しくお願い致します。
本ずきんちゃんの為のEgg's-dream動物日誌
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
まず、始めにわかり易く言うと、この本は『文章版の元気玉』みたいなものです。
主な目的は、みんなの元気(文章)を集め、サステナブルな元気の良循環を派生させていく事です。(だから、他人の文章に誹謗中傷の類となる言葉はお控え下さい。『みんな違うからこそ、それがいい!』って事です。)
ーこの本の楽しみ方のチュートリアルー
1.読んでみる。
色々な動物(作家さんの話)との出会いを楽しむ事が出来ます。
私としては、『1人で夢を追うよりも、みんなと一緒に夢を追ってゆける方が楽しいじゃん!』とか、『1人でも多くの才能に会いたい!』とか、『ペンと紙さえあれば、世界を明るく出来るって事を証明したい!』とか考えているので、その意味、気持ちを皆様と共有出来れば、嬉しく思います。
2.書いてみる
自分を動物にすると、『どんな動物で、どんな生態系で、どんな物語がある』のかを創造して、新しい『謎日目の動物日誌』を作成し、参加して楽しむ事が出来る様になっています。
下手なら、上手く書ける様になればいいのです!何度も書きなおしていつか・・・って事です。とりあえずやってみる事が大事なのです。
※なろう小説のキーワードに『Egg'sDream』
を必ず記入お願い致します。(超大事)
出来れば感想欄に『書いたよ。』の一言と『貴方のなろう小説のURL』を載っけて戴ければ僥倖です。
【大丈夫!かくいう私も国語の成績1からの
スタートだった。
今でもそんなに変わらないけど、
小さい「っ」の抜けが少なくなりました。】
3.集めてみる
まるで未知の島を探索する様に、お気に入りの動物(の話)を集め、コレクションして、自分だけの本を作成し、楽しむ事が出来ます。
つまり『ゲットだぜ!』的な高揚感を味わって貰えると嬉しく思います。
【ピカチュウに怒られません様に】
友達へのプレゼントにしてみるのも面白いかもしれませんね。
4.比べてみる
集めたコレクションを友達のコレクションと比べて自分との相違点、共通点を楽しむ事が出来ます。
もしかしたらお互いの意外な一面に出会えるかもしれませんね。
5.推理してみる
将来的に、島に登場する動物の中には著名人の作品も多く点在する事になるかもしれません。
ところが、中には著名なのに、名前を公にしてない動物(著名人の作品)が発生する事が予想されます。
その際、その動物を、誰が書いたものなのか『文体の癖、セリフ、動物の生態等』から推理してみると面白いかもしれません。
6.選ばれてみる
この本には分配金が発生する可能性という楽しみがあります。
私が出版する際、私は私のコレクションを選考します。
その際、勿論、選考された方にプロ、アマ均一で、利益に基づく計算式で算出した金額をお支払い致します。
【今のところは出版、出来たら面白いな〜ぐらいですけど・・・】
7.飛翔してみる
この本で利益を得る事が出来た方が、これからどんな未来を創るのかを楽しむ事が出来ます。
1人でも多くのサクセスストーリーを見たいと願っております。
8.人に紹介してみる
この人なら、『どんな動物を描き出すだろう?』と気になる人に紹介して、書いて貰って楽しむ事が出来ます。
『その人の意外な一面、面白い発見、新しい友達』に出会えるかもしれません。
9.結末を変えてみる
現実での皆様との出会い、関わり次第で最終話に変化が起こります。その最終話がどの様に変化していくか、僕(主人公)の翻意を楽しんで戴けたら、僥倖です。
それでは本編始めます!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
○最終話 第1稿
❀僕があっちの世界へと「引っ越し」をした、
その10分後、こっちの世界では、
とあるニュースが報道された。
そのニュースは、天に召される為に、
海へと旅立ち、消息不明になっていた女性が、
数年ぶりに家族のもとへと
帰還するというものであった。❀
☆謎日目 『おニャニャウ』
今日まで、
【私はこの島で人生を終えよう。】
と本気で考えていた。
そんな今朝の事だった。
森の茂みから、何かが地を這う様な物音が
し、恐怖に苛まれた私は、
音のする方へとジッと身を構えた。
するとそこからズルリと出てきたのは、
見慣れたニャン吉の痩せ細った
手であった。
ニャン吉とは、この島での最初の友達となった
動物、猫であった。
ニャン吉は、相当無理をして這ってきた様で、
体中のいたる所が、擦り傷だらけになっていた。
致命的な傷等がない事から、
寿命による最期である事、
そして最期の時を私と過ごす、
ただその為だけに力を振り絞り、
死力を尽くしてここまで這ってきた事
が伺えた。
私が慌てて、ニャン吉に駆け寄り、
左手で彼の左手を、右手で彼の頭をそっと撫でてやると、ニャン吉は本当に本当に嬉しそうに
『おニャニャウ』
と一言だけ遺し、そっと目を閉じたのであった。
『おニャニャウ』
それは私がこの島に、漂着してきて始めて
ニャン吉に教えた、目覚めの言葉、『おはよう』であった。
と、その時だった。
私の心の中で、
永久凍土の氷壁が瓦解するかの様に、
数年分の涙が止めどなく、
溢れだしてきたのであった。
軽んじていた命と言う物が、響鐘の如く、
【重く、暖かく、雄大】
に感じられたのであった。
すると、何故だか堪らなく家族に会いたくなり、
あれほど辟易していた社会の営みが懐かしくなり、
命を紡ぐ関わりを持ちたくなったのであった。
そして気付いた時には、私はスマホの電源を入れ、オンラインにし、母に『今から、帰るよ。』と一言だけ、
送信していた・・・。
母からの返信は、『一足お先に、おかえりなさい。』
とだけあった。
その後、私は、
ニャン吉を荼毘に付してから、
救助船に連絡を行い、到着を待った。
【帰ったら、あんな大事になっているなんて露知らずに・・・。】
❀そのニュースがちょうど終わる頃、
僕の魂は完全に「引っ越し」を終えた。
【僕の遺した精一杯の小説を誰かが読んでくれたら、僥倖だな〜】とか、
【運命の歯車が少し違えば、違う人生、結末が待っていたのかな〜】とか、
【シャボン玉って、いつもこんな気持ちで飛んでいたのかな〜】とか、
呑気な事を考えながら、僕の魂は安寧へと蕩けっていた・・・❀
◁◁◁◁◁◁◁◁◁◁◁◁◁◁◁◁◁◁◁◁◁◁◁
ードコカの海岸でダレカという少女が不思議な玉を拾った。
それは日本では有体なガチャポンという物であった。
その中にはまるで胎動でもしているかの様に
1枚のmicroSDカードだけが入っていた。ー
❀『外に出たら負け』
これはヒキニートの為のスローガンではなく、
僕が10年間、務めた会社を辞めた時、
『一度きりの人生なら命がけでやりたい事に
挑戦するぞ!小説王に俺はなる!』と決め、
『寸暇を惜しみ、切磋琢磨するぞ!』の意味を込め掲げたスローガンであった。
英語でいうところの
『Time is money!Aha?』
であった。
決しては、は、働きたくないとかそ、そ、外に出るのが腕弛いとかで掲げたのではないのだ。・・・多分
てなわけで、書くぞ!・・・
とは言え、やる気とは起こらないものである・・・
悪い癖でまた無意識的にテレビをつけてしまった。
見たいものもなかったし、見るつもりは特になかったのに・・・
しかし、結果として僕の瞳はそこに映った1人の女性の、母としての強い姿に拿捕される事となったのだった。
ーそのテレビの内容は1人のダレカという少女が拾ったSDカードに記録された日誌の持ち主、もしくはその親族を探すというものであったー
ーそのSDカードの内容は以下の様な事が記されていたー
☆1日目 寂滅
船から陽気なポスカダスカって音がする
死ぬ時は、自由な海に還る様に死にたいと考え、タダ同然の壊れかけのクルーザーを一隻買って、適当に海を滑走したけど、ガソリン切れたけど、
まっ、明日なんか起こるの待ちで今日終了。
☆2日目 サメ
海に出れば、サメ的なものにバッサーされるんじゃないと思ったけど、待てど暮らせどサメは来ないもんだ。
まっ、明日なんか起こるの待ちで今日終了。
☆3日目 大王イカ
海にでれば、大王イカ的なものにガッサーされるんじゃないと思ったけど、待てど暮らせど大王イカは来ないもんだ。
まっ、明日なんか起こるの待ちで今日終了。
☆4日目 飢え死に
何にも来ない。何にも起こらない。飢え死にを試みたけど、お腹空いたら、無意識的に食料に手を伸ばす。私、飢え死に向いてない。
まっ、明日なんか起こるの待ちで今日終了。
☆5日目 魔のトライアングル
魔のトライアングル的なものに巻き込まれてーの的な夢を見た。だけど、今日も至って平和な一日だ。
まっ、明日なんか起こるの待ちで今日終了。
☆6日目 暇
何も起こらない。スマホの予備バッテリーも
なくなった。暇!
まっ、明日なんか起こるの待ちで今日終了。
☆7日目 ていうかおかしくない
台風の多い時期を選んだのに、台風どころか、毎日快晴!って何なん?
まっ、明日なんか起こるの待ちで今日終了。
☆8日目 食料なくなった
こんなに長引くとは思わなかった。ただ単純にお腹空いた。食料なくなったんですけど、
まっ、明日なんか起こるの待ちで今日終了。
☆9日目 嵐
遂に来た!嵐だ!これ死ぬ!
私は人に、人生に、不条理に疲れたけれど、お父さん、お母さんの2人の子供だったから幸せな気持ちのまんまで死ねます。本当にこれまでありがとう!
その日誌の開示が終わったところで、1人の女性がカメラに映し出された。
『今日はこれが、「自分の娘さんの日誌」である事を証明する物を持ってきて頂いたとの事なんですが、見せて頂いても構いませんか?』
司会者の男が女性に尋ねた。
すると女性は大切そうに風呂敷らしき物を取り出し、司会者の男に差し出した。
司会者の男は手袋をはめ、
空調を止める様に合図をすると、
傷つけない様に、
そっとそ~と、慎重に風呂敷を広げた。
中から出てきたのは手紙であった。
『カメラに映しても、構いませんか?』
『構いません。』
司会者の男の優しい声の問い掛けに、
女性は震えを噛み殺した様な声で答えた。
それから司会者の男はカメラにその手紙を映す様にとのジェスチャーをとった。
ーその手紙には以下の様な事が記されていたー
小さい頃、父親と劇の話をしてから、ずっと
劇作家になりたいと思っていた事
社会人になった時、喜んでくれたのに、鬱病で退職してしまい、申し訳なかった事
劇作家としての勉強を終え、劇作家としての仕事を貰えても、下心つきのものばかりだった事
やっとの思いで、小さい劇場ながらも、本当にいい支配人に出会い、雇って貰えた事
少しずつではあるが、お客さんが自分の創作劇を楽しみに観に来てくれる様になっていた事
しかし、社会に未知のウィルスが蔓延し、劇場が休演になってしまった事
結局、劇場が閉鎖に追い込まれてしまった事
「人に、人生に、不条理に」疲れきってしまった事
父は死んだら、『海に散骨して欲しい。』と言ってたけど、自分も同じ様に広い海で死にたいと考えている事
2人の家族で幸せだった事(おまけで兄も)
そして最後は、
『そう言えば、兄の経営しているお好み焼き屋さんに一回だけでも行ってみたかったな〜』という言葉でその手紙は〆括られていた。
手紙を司会者の男が読み終えた時、
女性は唇が震えない様に、強く唇を噛み締め、目には強い光を宿し、姿勢は凛とした状態であった。
その姿は正に、母という生き物の偉大さを化現したかの様な荘厳な姿であった、
そして、この姿こそが僕の瞳を拿捕したものであった。
『大丈夫ですか?』
『大丈夫ですよ。結局、あの娘は今も生きていて、新しい楽しみを見つけているのでしょうから・・・』
司会者の男の憐憫な問い掛けに、
女性は即知の事であるかの様に、
毅然とした態度でそう答えたのであった。
ーそれから2ヶ月後、その女性の言葉を証明するかの如く、ココダ浜にて2個目のガシャポンが発見されるのであった。
そのガシャポンの姿はまるで、孵化の時を待つ卵の様であったー❀
☆謎日目 目覚め
『お腹減った!ねぇ、お腹減った!って言っているんだよ!』
【・・・生きているし、なんか島だし、人気はないし、何処だろ?此処。】
『当然お腹空いた!』
って叫んだところで何の助けもない筈であった。
・・・しかし、不思議な事に私の横には3個の謎の実があった。
しかも丁寧に、破れ目をつけて食べやすくしてくれているのであった。
意図的だとしか思えないものであった。
・・・が、兎にも角にもお腹が減ったので、
私はその3個の謎の実を貪る様にたいらげた。
ハッ!?
『毒があるかもしれない!』
【まっ食べた後に気にしても仕方がないんだけどね〜・・・。】
しかし、その謎の実はそんな私のそんな心配を他所に、重畳にも私のお腹を満たすのに役立っただけであった。
『誰が置いてくれたんだろう?』
とも気になる所だったが、お腹いっぱいになったら、眠くなってきた。
まっ、明日なんか分かるの待ちで今日終了。
☆謎日目 探索
起きたら、また昨日の謎の実が置いてあった。
しかも丁寧に、今日も破れ目をつけて食べやすくしてくれているのであった。
この実、マンゴーの様な甘美な香り、和三盆の様な上品な甘み、林檎の様なシャリッとした程よい食感で、堪らなく美味しいのであった。
『ありがたし!』
今日も食べた後、少しの眠気を感じたものの、
誰が置いてくれたか気になったので、島を探索した。
木、草、虫、動物、
木、草、虫、動物、
木、草、虫、動物。
結局、人は愚か、民家や、人が生活していた痕跡的なものすらさえ、発見する事は出来なかった。
まっ、明日なんか分かるの待ちで今日終了。
☆謎日目 一瞥
【誰かが置く前に見張っていれば、何か分かるんじゃないか?】と頭のいい私は考えた。
それから私は、薄目で前方をそっと確認した。
!!!
『って、もー置いてあるじゃーん!』
この件は、これ以上、どう仕様もない感じ
なので、今日は一旦保留とする事にした。
それから私は、やる事もないので、魚釣りでもする事にした。
重畳にもこの島の魚は、
「でかくて、美味しいのに、捕まえ放題のアホ」って特性があった。
流された時、背負っていた防水バックを振り回すだけでゲット出来るのだ。
【この謎ザカナ何なんだろ?生でもいけるのかな?】
『食べてみて、明日の体調で考えてみるとしますか!』
まっ、明日なんか分かるの待ちで今日終了。
☆謎日目 会遇
今朝、
『この実、食べないとどうなるんだろう?』
と気紛れで実験してみた訳だが、
その実験の途中、
突然、鋭敏な痛みを足とお腹に感じたのだ。
お腹の痛みの原因には全く心当りはないが、
足の痛みの原因は、左の踝当りが僅かに捻挫気味に腫れあがっていた為によるものであった。
【今日まで、気付かんかった〜。】
と考えるのと同時に、
【何で?】
と疑問に思った。
・・・結論として、
【考えられるのは、この謎の実だけだよな〜・・・。】
という考えに至った。
実際、食べて暫くすると、僅かな眠気と共に、お腹の痛み、足の痛みが嘘であるかの様に
スーッとひいていくのを感じたのであった。
『麻酔作用があるのか、この謎の実!
これは置いてくれた人(?)にどうしてもお礼を言わニャン!』と思ったのであった。
そうして私は眠気と戦いながら、
恩人の訪れを薄目で待っていた。
すると、めちゃくちゃでかい恐怖レベルの栗鼠がいつもの
謎の実を遠くに置いて行ったのであった。
【起きてるの気づかれちゃったのかな?】
【もう少し待ってみるか。】
【あれ?何か別の動物っぽいの、来た!】
【あっ、謎の実、持っていっちゃった。】
【もう少し様子を見てみよう。】
【貝殻を謎の実に打ちつけてる。】
【あっ、こっちに持ってきた。】
『いつもありがとうございます!』と叫び、
私が下げた頭を上げると、
そこには、めちゃくちゃ頭のでかい、
二足歩行の猫が、白目を剥いて、
仁王立ちで気絶している姿があった。
大胆な行動、でかい頭のくせに、神経は
か細い猫さんであった。
【びっくりしちゃったんだろうな。】
『ごめん、そんなつもりじゃ・・・』
私は猫に申し訳なく思って猫が気絶している間に、魚を何匹か捕まえ、猫の前にお供えした。
猫いつ起きるんだろう?待ちで今日終了。
☆謎日目 べしゃり
猫は起きると目の前の魚に気づき、重畳とばかりに貪りついた。
『おはよう!』と、
その様子を眺めながら私が言うと、
猫は真似でもするかの様に、
『おニャニャウ』と答えた。
あまりの意外さに私は、思わず、
『喋った!気持ち悪っ!』と叫んでしまった。
またしても、そこには、めちゃくちゃ
頭のでかい、二足歩行の猫が、白目を剥いて、
仁王立ちで気絶している姿があった。
大胆な行動、でかい頭のくせに、神経は
か細い猫さんであった。
【傷付つけちゃったのかな?】
『ごめん、そんなつもりじゃ・・・』
私は猫に申し訳なく思って、猫が気絶している間に、また魚を何匹か捕まえ、猫の前にお供えした。
猫いつ起きるんだろう?待ちで今日終了。
【あっ!今日も栗鼠さんは遠くに謎の実を置いてくれていた。】
☆謎日目 タッチ
猫は、今日も目を覚ますと一目散に魚に貪りついた。
『昨日は、ごめんね!』と私が言うと、
『ごメャンメャ!』と猫が返してきた。
どうやら喋るというより、こちらを真似しているだけらしい。
『美味しい?』と、私が聞くと、
『ミャイミャイ』と猫が返してきた。
どうやらこの猫、頭がとても良い動物なのだろう。
なんだかとても狂おしい程、可愛いくなってきたので、そっとそ~と猫の背中を撫でてみた。
すると次の瞬間、そこには、めちゃくちゃ頭のでかい、二足歩行の猫が、白目を剥いて、
仁王立ちで気絶している姿があった。
【そ~とだったのにな〜。】
大胆な行動、でかい頭のくせに、
神経はか細い猫さんであった。
『ごめん、そんなつもりじゃ・・・』
私は猫に申し訳なく思って、猫が気絶している間に、またまた魚を何匹か捕まえ、猫の前にお供えした。
【もう!いっその事気絶しているうちに沢山撫でてしまえ!】
猫いつ起きるんだろう?待ちで今日終了。
【今日も栗鼠さんは遠くに謎の実を置いてくれていた。遠目で栗鼠が爆笑してる様に見えたのは、多分気のせいだろう。】
☆謎日目 命名
猫は、今日も目を覚ますと一目散に魚に貪りついた。
気絶してる間、触りまくったせいか、触っても気絶しなくなっていた。
いつの間にかエクストラスキル「お触り耐性」を獲得していた様だ。
【なんだか少し面白くないな!と思ったのは猫さんには秘密である】
【名前でもつけてみようかな〜。】
『よし、お前は今日からニャン吉!』
『ニャンニャイ!』
私の命名に、ニャン吉が嬉々として答えた。
・・・眠気は来ない。
どうやら名付けしたら、魔素を奪われるタイプの転生物ではないらしい。
「転生→魔王→俺、強ぇ〜」の私の夢が早くも崩れ去ってしまった瞬間でもあった。
【転生ものじゃないんだね・・・。】
気を取り直して、
『ニャン吉!魚取りに行くよ!』
と私はニャン吉に声をかけた。
ニャン吉は小刻みに震えていた。名前で呼ばれたのが嬉しかった・・・のではなく、金槌だったからであった。
【どおりで、私が与えた魚に嬉々として貪りついていたわけである。】
そんなこんなで、今日終了。
【今日も栗鼠は謎の実を置いてくれていた。何か隕石直撃みたいに、日に日に謎の実が近くなってるのは気のせいだろうか?】
☆謎日目 芳醇
『キャーーー!!!』
私の驚きの声!
私の声にびっくりして、早くも気絶した、
役立たないニャン吉!
微動だにしない馬鹿でかい栗鼠。
そう、いつも謎の実を置いてくれている栗鼠さんが大胆にも今日は隣まで来ていたのであった。
隕石直撃の時は、私の想定より
遥かに早く訪れたのだった。
『い、いつもありがとうございます!』
栗鼠さんは微動だにしなかった。
『魚、食べます?それともア・タ・シ?』
当然、栗鼠さんはガン無視だった。
【泣きそうだ。】
それでも魚をお供えすると重畳とばかりに貪りついた。
目的が「ア・タ・シ」ではなく一安心であった。
どうやらニャン吉との数日のやりとりを見て、害をなす存在ではないと判断してくれた様であった。
【慎重かつ、怜悧な性が伺える。】
・・・そんな判断をしてくれた、この栗鼠さんには本当にとても申し訳ないのだが、
この栗鼠さん、本当にとても美味しそうなのであった。
【私の馬鹿!この栗鼠さんに助けてもらっといてなんて事考えているの!】
【しかし、ニャン吉の柔らかいだけのお肉より、少し筋肉質なこの栗鼠さんは・・・。】
【駄目よ、私!そうだ、この栗鼠さんにも名前をつけてあげましょう、そうしたら愛着がでてそんな気も起こらなくなるわ!】
てな経緯で、
『スクリン!貴方は今日からスクリンよ!』
と私は邪念を振り払うかの様に、
栗鼠さんに名付けを行ったのであった。
心なしかスクリンが笑ってくれた様な気がした。
するとスクリンは私の頭から腰にかけてをパクリと咥えた。
【やっぱりア・タ・シだったのか〜】
と思っていたが、次の瞬間、私はスクリンの背中に乗っけられていた。
・・・一安心であった。
スクリンは大きな翼をバサッと広げ、全速力で走り始めた。
【ねぇ翼、広げたよね?飛ばないの?飛ぶんじゃなかったの?なんかガッカリなんだけど、飛ばないの?貴方の翼は何の為の翼なの?】
と心の中でツッコミをいれる私を他所に、
スクリンは火山のある場所へと私を案内したのであった。
それはまるで、
『謎ザカナ焼いた方がいいよ!』
とでも言っているかの様であった。
しかし、スクリンは野生の動物らしく火を恐れて、
火に近づけない様子であった。
私は適当な木を見つけ、火を木に移した。
『大丈夫、怖くない、ない!』
とスクリンを宥めた。
最初は火を怖がっていたスクリンだが、
慣れてきたのか暫くして安心すると、
再び私を背中に乗っけて元の場所へと
歩いて帰っていったのだった。
【やっぱり飛ばないんだね☆】
帰りの際、揺れて少しだけ、火がスクリンの体を掠めた。
その時の、とても香ばしい芳醇な香りが
頭にこびりついて離れないまま、今日終了。
☆謎日目 オカン
スクリンの羽は何の為の翼なんだろう?
めちゃくちゃ気になっていた。
【美味しいのは間違いないのだろうだけど、
あの翼は本当に何の為の翼なんだろう?】
ぶっちゃけ、火が消えない様に四苦八苦していただけで、ここ数日、書く事もなかったので日誌をサボっていたのだが、ずっとその事が気になっていた。
【この日誌、誰に見せる予定もないしね〜。】
2匹はもはや飼い猫、飼い栗鼠と言ってもいい程、私の近くで暮らしていた。
スクリンが謎の実をとってきてくれて、役立たずとなったニート猫のニャン吉がひたすら魚を催促してくる。そんな慣習が成立していたのであった。
それでもニャン吉は言葉を教えれば、覚えていくので、私の退屈しのぎぐらいにはなっていた訳だが・・・
いつかニャン吉から喋りかけてくる日がくるのだろうか?そんな日を想像すると自然と笑みが溢れるというものである。
と、そんな事を考えている時であった。
【あれ?】
私は、とある異変に気付いた!
いつもの謎の実がなかったのである。
つまりスクリンが待てど暮らせどやって来なかったのである。
今日、1日の間に
『待っていれば、いつかピョコっと現れるだろう。』
という私の短絡的な思考は、全て不安と悪寒で塗り替えられていった・・・
私はスクリンを探す事にした。
しかし、その日は、終にスクリンを発見するに至らなかったのであった。
☆謎日目 友垣
私の不安な様子を感じてか、今日は朝からニャン吉もスクリンを探すのを手伝ってくれた。
ニャン吉は
緑、緑、緑
を必死に掻き分け、私の為に、
獣道を作ってくれたのであった。
私が不安な気持ちに押し潰されそうになった。
ちょうどその時だった、突然止まったニャン吉に私がまっしぐらに突撃したのであった。
ある意味「猫まっしぐら」であった。
涙目になりながら、鼻を押さえて、ニャン吉を見てみた。
するとニャン吉はジッと木の上を凝視していたのであった。
木の上でなんらかの巨影が蠢く姿が視認出来た。
スクリンっぽい、ひくほどデカイ栗鼠であった。しかし色がスクリンより黒っぽかった栗鼠であった。
『キッキッキッキッ』
突然その栗鼠は、歌う様な声を出した。
その目線の先には、
『あっスクリン!』
【なる程、求愛行動みたいなものなのかな?・・・って事は歌っていたのはメスの栗鼠なのかな?】
そんな事を私が考えていた時だった。
スクリンがあの大きな翼を鷹揚に広げて
メスを目掛けて、唐突に飛翔したのであった。
雄大な姿で、「飛んだ!飛んだ!?飛んだ?」のであった。
しかし結局、メス迄届かず、6m程の高さから直滑降した!というより、真っ逆さまに落下したのであった。
メスは『貴方にはガッカリだわ!』
と言わんばかりに、スッと何処かに消えてしまった。
私は慌ててスクリンの元へと歩みよった。
スクリンはもう動かなかった。
【気絶してるのかな?】
とも思っていたが、体温が急激に冷めてきた、つまり死んでしまっていたのだった。
パチッパチッパチッ
火が私の悲しみを燃料にしてでもいるかの様にムッツリと燃え揺らいでいた。
私は『君の死は無駄にしないよ!私の中で共に生きよう!』と小さく呟いた。
私を救ってくれた、友の香ばしい芳醇な香りが鼻腔いっぱいに広がってゆく・・・
命の旨味、友達の偉大さ、生きる事の僅かな苦味が口の中いっぱいに広がってゆく・・・
痛痒をスパイスとして胸いっぱいに広がってゆく・・・
そうして夜空では月が友の冥福を祈るかの様に静かに目を閉じて、今日という日が終了していったのであった。
閲覧して戴き、本当にありがとうございます!
沢山の動物との出会いを楽しみにしております!